使えるものを総動員してドイツ語単語を覚える (付録)

単語リスト

by Akihiko Koga
27th Sep. 2020 (Update)
23th July 2020 (First)
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「使えるものを総動員してドイツ語単語を覚える」 いくつかのページに分散している ドイツ語単語をアルファベット順に集めてみました.グリム童話を読むときなど, 他の個所で説明した単語は載せていないので,ここを見ながら読むなどの使い方を想定しています.

とりあえず, 「使えるものを総動員してドイツ語単語を覚える」のページから単語を拾って, 並べましたが,順番の間違え等,まだあるかもしれません.

2020.07.23

もう一つ, グリム童話「ブレーメンの音楽師」を読むページも終わったので,そこに載せた単語も こちらに載せました.

2020.09.27

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参考文献

    A

  1. ab adv. 離れて,去って (off), 英語の前綴りのabs- も同根. 「aber しかし」は ab の比較級から. 「Abend = m. 夕方」は太陽が去っていく(off)からなんでしょうかね (^^;). 「aus は out 」 の巻を参照.
  2. Abend m. 夕方.ab を参照.
  3. aber conj. しかし.ab(off) の比較級.
  4. Abgeschickte m. 派遣されたもの.ab|schicken vt. 発送する,派遣する.ab- (off) + schicken vt. 送る.
  5. ab|holen vt. とってくる,連れてくる.holen を 参照.
  6. ab|schneiden vt. 切り離す.「ab- (off)」+「schneiden vt. 切る」.
  7. ab|sprangen ← ab|springen vi. はずみをつけて飛び降りる,(ふたなどが)ぽんととれる.「ab- (off)」 + 「springen vi. 跳ねる」.
  8. als conj. ...したとき(when)....として(as)....よりも(than).
    all + so から.ちなみに, 「also (独) conj. それゆえに」も als = all+so と 同語源だそうな.つまり,all+so.
  9. alt a. old (英). 形が似ているのでこれ以上追及するのは無駄と思うかも しれませんが,al- の部分が「成長する」を表していて,それに過去分詞の 接尾辞 -t がついたものです.ここまで理解しておくと後で al- からの派生語が 現れたとき,記憶が確かになりますし,old が「歳を取った」という理由も納得が 行きます.
  10. an prep. adv. ~へ (to), ~で (at) 語源的には on と同根らしいけど,意味を取るときは to に 置き換えるのがよさそう. 「an|fahren = go to = 着く」. 「aus は out 」 の巻を参照.
  11. angelangt pp. ← 「an|langen vi. 到達する」.
    「langen vi. 届く,手をのばす,足りる」c.f. 「lang a. 長い. long (英) 長い」
  12. an|fangen vi. 始まる.vt. ~を開始する. 「an prep. ~へ (to)」+「fangen vt. とらえる(catch)」 = catch to くらいの感じ. fangen はラテン語「pangere つかむ」と同根.ラテン語と言われてもあまりピンと こないですが,finger など似た感じの語で「つかむ」意味を持つものはいくつか ありますね.これらが同根か私はどうかは調べてないですが.

  13. angehaucht pp. ← an|hauchen vt. 息をかける. 「hauchen vi. 息をかける」.これは語源小辞典には載ってなかったので 良く分かりませんが,英語に「inhale (英) vi. vt. 息を吸う」, 「exhale (英) vi. vt. 息を吐く」があり,これらは,ラテン語の 「halare 呼吸をする」から来ています.-ch- と -l- でちょっと違いますが 案外先祖は一緒だったかもしれません.
  14. angst a. 不安な.先頭を大文字にして名詞 「Angst f. 不安」もありますね.
    「anxious (英) 心配して」と同語源です.eng- は「狭い」を表すとか.
  15. an|nehmen vt. 受け取る.an (to) + nehmen (take) = take to
  16. ansah p. ← an|sehen vt. 見つめる.
  17. antwortete p. ← antworten vi. 答える.「ant- ~に対して,anti-」 + 「Wort n. 語」.「answer (英) vi. 答える」だと微妙に分からなかった語の成り立ちが, こちらでは明確ですね.
  18. an|zünden vt. ~4格に火をつける. zünden vi. 発火する.
  19. anzurühren ← 「an|rühren vt. 手で触れる」. 「rühren vt. (手や足などを)動かす」.語源は分かりません.
  20. Arbeit f. 仕事,勉強.「arm a. 貧しい」と同語源とのこと.

  21. armen ← arm a. 貧しい,哀れな.ゲルマン語では共通した語 だが,英語だけはフランス語由来の poor を使っているとのこと. あまり,覚える役には立たないけど,関連知識として.

  22. Art f. 性質,性格,たち.やり方.作法.印欧祖語「*ar- くっつける」. 「art (英) n. 芸術」も同根.
  23. p. ← 「essen vt. 食べる」
  24. Asche f. 灰.「ash (英) n. 灰」.英語の語源辞典で ash を調べると 印欧祖語「*as- 燃える,光る」とあります.
  25. Äste pl. ← Ast m. (Zweig m. 小枝に対して幹から出ている)大枝. 覚え方を思いつきません.Zweig の方は,「zwei 2」ですから,いかにも枝分かれという 感じがするのですが,Ast の方は,しいて言うなら,「Art f. 種類,方法」が 印欧祖語「*ar- くっつける」から来ているので,-st が過去分詞で,くっついたもの とすると多少は枝を近いイメージを持てるかもしれません.

  26. auch adv. ~もまた,~でさえも.印欧祖語の語根「*auk- 増やす」. 「augment (英) 増やす」.
  27. auf prep. adv. ~の上へ (over, up) "au" は長い音で up と対応しにくいし,over は後ろに -er がついているのであまり対応しにくいですけど, とにかく up, over と覚えてしまいましょう. 「aus は out 」 の巻を参照
  28. auf|machen vt. 開く,開ける,開設する.sich auf|machen 起き上がる,出発する.auf (over/up) + machen (make).
  29. aufmachte p. ← auf|machen vt. 開く,開封する.
  30. auf|weckte p. auf|wecken vt. 目を覚まさせる. 「wecken vt. (眠っている人を)起こす」は,「wachen vi. 目覚めている」の 使役形.「wake (英) 起こす」も同語源.
  31. Auge n. 目.g (独) ↔ y (英)で「eye (英)」 と 符合することに注意. 「wichtig は重さ (weight) があり,とても重要」の巻 を参照.
  32. Augen Auge を参照.
  33. aus prep. adv. (中から)外へ (out). 「aus は out 」 の巻を参照.

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    B

  34. Bahn f. 軌道,鉄道.語源小辞典には,打たれて出来た道で, 「bane (英) n. 破壊」と同語源と書いてあったが,bane はそれほど 皆が知っている単語ではない.語源的にはどうか分からないが,「バン」という 音は打つことを思い起こさせるのでそれで良いのではないかなと思う.
  35. bald adv. まもなく,すぐに.「bold (英) 大胆な」と同語源.
  36. Bande pl. Band n. ひも,帯.「band (英) n. バンド,帯」.「binden vt. 結ぶ」.
  37. Balken m. 角材.語源は分かりません.「この角材は, かさばるけん,持って帰れんばい」とか.苦しい.
  38. Bart m. ひげ.「beard (英) n. ひげ」.印欧語に広くある語のようですが, なんでこれがひげになるのかよく分かりません.「Bär m. 熊」が, 「braun 褐色」と同語源ということなので,口ひげも褐色が語源かもしれません. まあ,合わせて覚えると覚えやすいと思います.
  39. Bartputzer = Bart m. ひげ + Putzer (putzen vt. こすってきれいにする, 毛づくろいをする).
  40. Baum m. 木.語源小辞典には「biegen (独) vi. 曲がる」と同根で 「風になびくもの」が原義と書いてあります.でも,バウムクーヘン Baum Kuchen (m. お菓子 cake) という,木の年輪を模したお菓子がありますから,それから覚えるのが良いですね.

  41. Becherlein 「Becher m. グラス」+ -lein.
    「bechern vi. 飲む」,「Becken n. 洗面器,ボール,プール,くぼ地」なので, 「B+母音+gの仲間」で,くぼ地か水関係か何かありそうな気はしますが, 今のところ分かりませんね.
  42. be- 接頭語.bei- の弱形.
  43. befahl ← befehlen vt. 命令する. もとは「委ねる」の意味だったらしい.後ろの部分は「fehlen vi. 欠けている」と 同じ形だが,これと同語源なのかどうかは私は分からない.ちなみに, 「fehlen vi. 欠けている」は,「falsch a. 間違った.false (英)」と同語源.
  44. bei prep.(3格) ~の近くに,~の周りに.
    by (英語), ambi- (ラテン語) の前半は um と同語源,後半はこのbei と同語源.
  45. beide a. 両方の.pron. 両方.「both (英) a. 両方の. pron. 両方」.
    記憶のためには「bi- 二つ」を思い浮かべても良いかもしれません.
  46. Bein n. (人間,動物の)足.(家具などの)足.「bone (英) n. 骨」. 大きな大腿の部分を考えれば,これらのイメージはある程度合っているかと思います.
    j3 durch Mark und Bein gehen. (人)3 の骨身に沁みる.
  47. biß p. ← beißen vi. vt. 噛みつく.「bite (英) vt. vi. 噛みつく,噛む」.
  48. bellte p. ← bellen vi. (犬などが)吠える.vt. どなる.これの語源は 知りません.英語は「bark (英) vi. vt. 吠える」で,L と R でかなり違うので 別系統の語なんでしょうね.
  49. bequem a. 快適な. bekommen = be + kommen と同語源であり,もともと「適切な」という意味から 「快適な」という意味に使われるようになったとのことです.英語の 「become (英)」にも「似合う」という意味があります. 「~に適切である」=「~に似合っている」のでしょう (一義的には become は 「~になる」ではありますが).「become (英)」は「~に至る」から 「~になる」「似合う」の意味になったとドイツ語語源小辞典にはあります.

    ちなみに,ドイツ語の bekommen の第1の意味は「vt. 得る,受け取る, 手に入れる」ですが,この原義は「手元に来る」からです. 英語に「come by ~ ~を手に入れる」という熟語があるのは, bekommen のドイツ語の意味と呼応しているようで興味深いです.

  50. Bequemlichkeit f. 安楽,便利.bequem a. 快適な + -lich である + -keit こと.
  51. bespannt ← bespannen vt. 覆う,ひっぱる,馬などをつなぐ. 「spannen vt. 張る」.「span (英) vt. 張る,広がる」.
  52. besseres ← besser a. よりよい.「better (英) a. よりよい」.
  53. betrübt pp. ← betrüben vt. 悲しませる.
    「trüben vt. 濁らせる.曇らせる」.betrüben は, 「目を涙でかすませる」といった感じの語なんでしょうね.語源小辞典には この原義は「沈殿物をかき混ぜる」とありますが,音が似た語に, 「Tropfen m. 滴」,「triefen vi. したたる」などがあります.こちらは 「drop (英) vi. したたる」と同語源のようです.「水」とか「涙」, 「しずく」などに関連して,すこしイメージの似た語 なのでまとめて覚えると良いかもしれません.
  54. Bettlein 「Bett n. ベッド」 + 「-lein (縮小語)」
  55. bis prep. ~までに.conj. ~するまでに.古ド bi ze = bei + zu (~のそばに)だそうです.
  56. Bißlein 「Bissen m. 一口」 + -lein = 一口の食べ物(一口の縮小語).
  57. bitterböse a. 激怒している.「bitter a. 苦い」 + 「böse a. 邪悪な,怒っている」. 「bitter a. 苦い」は,「bißen vt. 噛みつく」と同語源.原義は「かじるような」. 「bite (英) かじる」とも同語源.
    「böse a. 邪悪な,怒っている」は,「bad (英) a. 悪い」と同語源.「膨らんだ,腫れた」が原義.
  58. blieb (命令法) ← 「bleiben vi. 留まる,残る」.-leib- の 部分が「くっつく」という意味を持っていて,この意味が生まれたとか. -leib- の部分は,「Leber f. 肝臓」,「leben vi. 生きる」と同語源とのこと. まあ,「くっつく」部分はほっといて,「生きる leben」のは この世に「とどまる bleiben」くらいを思い浮かべていれば,多少, 記憶のネットワークは強化できるかもしれません.
  59. Bockshorn n. ヤギの角.Bock m. ヤギなど動物の雄+ Horn. ~4格 ins Bockshorn jagen ~を委縮させる.「Bock m. ヤギなど動物の雄」の 語源はよく分かりませんが,英語に「buck (英) n. 雄鹿」,「buck vi. vt. 馬などが跳ね上げる」がありますね.英語の buck(s) は ドルという意味もあって,会話で誤解しやすい 単語ですね.
  60. bösen ← böse a. 邪悪な,怒っている.bitterbösen の説明の böse を参照.
  61. bräche 接続法 II ← brechen vt. 折る.「break (英) vt. 壊す」
  62. brannte p. ← brennen vi. 燃える.
  63. brechen vt. 壊す (break).
    unterbrechen = break down = 妨げる,遮る zerbrechen = break away = 壊してしまう
  64. Bremer a.[無変化] ブレーメン(Bremen)の
  65. brennen vi. 燃える.「burn (英) vi. 燃える」.
  66. bringst ← bringen vt. 持ってくる.「bring (英)」
  67. Brot n. パン.「bread (英) n. パン」. 印欧祖語「*breu- ふくらます」からとのこと.でも,br- で焦げた,茶色のという 意味の単語が多いので(brown, bear),その類と考えると記憶の助けになりそうな気がする. もっとも「bread (英)」があるからかなり覚えやすい単語ではあるのですが
  68. Brunnen m. 泉.原義は「沸き立つもの」で, 「brauen (独) 醸造する」と同語源だそうです.R の「とんでも言語学」は まだやりませんでした.そのうちやろうかと思いますが,「醸造する」の 英語が brew (英) なので,まずは,それと連想させて覚えたらよいかと思います.

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    C

  69. Christkindlein n. 幼いキリスト.Christ (人名) キリスト+ Kind n. 子供 + -lein 小さなものを表す中性名詞の語尾.

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    D

  70. Dach n. 屋根.覆われたものかな.英国の首相に Thatcher という方がいましたが, これは「屋根をふく人」という意味ですね. 本論 「Doch (独) は though (英)」 の巻 を参照
  71. Dache larr; Dach n. 屋根.イギリスのサッチャー首相の 名前 Thachter は屋根をふく人.「Doch (独) は though (英)」 の巻 を参照.
  72. dachte p. ← denken vi. vt. 考える.「think (英) vi. vt. 考える」.
  73. dann adv. それから.「then (英) adv, それから」と同語源.
  74. dauern vi. 続く,継続している. 語源小辞典には,「ラテン語 durare 続く」からとありますね. 「duration (英) n. 期間」がありますから,これと関連付けると良いのでしょう.
  75. darauf adv. その後.その上で(に).「auf + 人称(指示)代名詞」の融合形.auf + 3格,auf +4格, ともにこの形.da- は ü など母音で始まる前置詞と結びつくと,dar- になる.
  76. dauerte p. ← dauern vi. 続く,継続している.
  77. davor da + vor = adv. その前で.
  78. Decke f. 覆い.
  79. decken vt. 覆う.
    dick (英語 thick (厚い)) から連想して! ついでに前綴り ent- 離す を付けた entdecken vt 発見する(discover = dis(away)-cover) も覚えておきましょう.この ent- (離す) はどこかでやる と思います.とりあえず,英語の anti- (アンチ)と同根と 思っておいてください. 「Doch (独) は though (英)」 の巻で説明した単語.
  80. denn conj. なぜなら.もともと「dann adv. それから」と同義語. der, die, das と同系.
  81. dick a. thick (英).「Doch (独) は though (英)」 の巻で説明した単語.
  82. dicht a. 密な -t は過去分詞的な意味を加えます. thick されたというような感じでしょうか.また,-t はそれがつけられた 単語を名詞化する場合もあります.どちらにしても,その前の単語は t に つられて無声化したり,破裂が不完全になることがあります.
    「Doch (独) は though (英)」 の巻で説明した単語.
  83. dienen vi. 奉仕する.語源小辞典には,原義は「召使いであること」と ありますが,それだと余り覚える足しにならないので,語源的にはどうかは分かりませんが,英語の do と関連してイメージを形成しておくのが良いかなと思います.語の意味は serve が 近いみたいですが.
  84. Diener m. 召使,しもべ.「dienen vi. 奉仕する」.すみません.由来は分かりません.
  85. doch adv. though (英). 本論 「Doch (独) は though (英)」 の巻 を参照
  86. dran = daran = an + da.
    ein paar Knochen und etwas Fleisch [147] dran = 少しの骨と何か肉がその上(dran)についていれば.
  87. draußen adv. 戸外で,外で.dr + 「außen adv. 外で」. 「außen adv. 外で」← 「aus prep. ~の中から(外へ)」.
    draußen ↔ drinnen
  88. drei a. 3つの.「three (英) a. 3つの」
  89. dünn a. 薄い.thin(英).
    dick(厚い) とdünn(薄い) は語尾の関係が max(大きい) <->min(小さい) のような音の関係になっていますね.最後が n に変わって,その 直前の母音が少し変わるという意味で.「Doch (独) は though (英)」 の巻で説明した単語.
  90. dunklerdunkel a. 暗い.「dank (英) 湿った」と同語源.
  91. durch prep. ~を通って through(英). 英語では d の後の母音がありません.母音は変化しにくいという印象があるかもしれませんが, 結構変化しますし,弱くなると無くなることがあります. 本論 「Doch (独) は though (英)」 の巻 を参照.
  92. durchaus adv. 完全に.durch (through) + aus (out) = throughout.

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    E

  93. ein- ~の中へ (in, into)を表す接頭辞.なんでドイツ語で e がついて いるのか,あるいは英語で e がおちているのかは知りません.でも, 「e の違い だけ」 というのは記憶に残ると思います. 「ein|fahren = go in = (乗り物で) 入る,(乗り物に) 入る」, 「ein|drücken = press in = impress = 印象付ける」. 「aus は out 」 の巻を参照.
  94. ein Stück Wegs ある道のり
  95. Ecke f. 角(かど),隅.「edge (英) 刃,辺,角」.印欧祖語「*ak- 鋭い,尖った」
  96. Edelsteine m. 宝石.= edel(a. 高貴な) + Stein (stone (英) 石).
  97. ehe prep. ~する前に.「(古独) er (比較級)」 の弱形とのこと. 「eher adv. より早く,むしろ」は,ehe の比較級.15世紀までは,ehe と eher は 区別がなかったそうです.
    ちなみに,大文字で始めると「Ehe f. 結婚」です.こちらとは別語源.
  98. eilte p. ← 「eilen vi. 急いでいく」. 語源小辞典には,印欧祖語 *ei の強調形との説明がありますが,まあ, そのまま覚える方がはやそうですね.
  99. einfältige a. お人好しな.ein (one) + fältig (...倍の)」. -fältig は数詞の後について,「...倍の」,「...重の」といった形容詞を作る. ウムラウトの付かないものは「faltig a. 多くの折り目のある」. 動詞は 「falten vt. 紙などを折る」.ラテン語で,このような意味のある語根に 「pli- 折る」がある.「complicated 複雑な」.
  100. einmal adv. 一度.「-mal (数詞につけて)回,倍」
  101. ein|schlief p. ← ein|schlafen vi. 眠り込む. ein- (in) + schlafen vi. 眠る = sleep in.
  102. ein|schliefen p. ← ein|schlafen vi. 眠り込む.
  103. eisern a. 「鉄の」ですね.ドイツ語で鉄は Eisen n. なのに, なんで r が入っているか私にはよくわかりませんが,英語では iron で こっちに r が入っているので良いことにしましょうか.
  104. endlich adv. 遂に,「end (英) 終わり」
  105. ent- 分離を表す非分離の接頭辞 (anti-(against)/off). 後ろの音が f などで emp- の形になることもある.
    「entbinden = bind off = 解く,免除する」, 「Entbindung = f. 免除,解除」, 「Entshuldigen Sie! = ごめんなさい」(これは絵を描きましたのでそこで説明します). 「aus は out 」 の巻を参照.
  106. entdecken vt. 発見する, ent- および decken を参照.
  107. entsetzlichen a. 恐ろしい.「entsetzen vt. 驚愕させる」= ent- 離れて + setzen vt. 座らせる,置く = 座っている状態をはずす.16世紀から,驚かすという 意味で使われるようになったようです.
  108. er-/ur- 結果,終着を表す接頭辞.ur- がアクセントを失ってできた形.aus と同根.
    ちなみに,集合論で,集合で無い要素のことをアトムという.このアトムのドイツ語対応語はUrelement = Ur-Element.「∈ を繰り返し取っていき,もう要素が取れなくなった究極の要素」のことか.
  109. erbarmen vt. 同情の気持ちを起こさせる.(再帰動詞で)同情する.
    語源小辞典にはありませんでしたので,私の覚え方の工夫を書きます. 「arm a. 貧しい」です.er + b(e)- + arm + en で,「(究極の貧乏状態に よって)同情の気持ちを起こさせる」というのはどうでしょう? er- は終着の意味を表す接頭辞でしたので「究極の」と置いてみました. 一応,そこの文章を取って来て訳しておきます.
    daß sich ein Stein erbarmen möchte
    石だって気の毒に思うくらいに
  110. Erbarmen n. 哀れみ,同情.「barm-herzig (独) a. 慈悲深い」の barm- の部分に,er- 終着を表す前つづり(「究極の」くらいを当てておけばよいか).
  111. erblickte p. ← 「erblicken vt. 見つける,発見する.みなす.」
    「blicken vi. 目を向ける」.「bl- 輝く」系統の語はユーロッパに多数. 「blanc (英) 白い.空白」,「bleench (英) 漂白する」, 「blue (英) 青(白)い」,「blind (英) (眩しくて)見えない」, 「black (英) 黒い(燃え尽きて炭になっただそうな)」,他多数.
    ドイツ語でもblicken に関係のある語が多いので,覚えておくと良い語. 「Blick m. 視線」,「Einblick m. 見ること,洞察」, 「Augenblick m. 一瞬 = Augen (目) + Blick」.「Auge n. 目」は, 母音は大分変っているのと g ↔ y で,見て取りにくいかも しれませんが,「eye (英) 目」と対応します.

    間違って二つ書いてました.少し内容が違うのでもう一つのも載せておきます.

    erblickteerblicken vt. みつける,発見する.
    blicken vi. 目を向ける,見る.語源小辞典には,look (英) と 同根と書いてある.英語で,b- が抜けたと思えば,それほど腹は立たないと思う.そういう例は,lucky (英) grücklich など多いので.

  112. Erde f. 地球,大地.「earch (英) 地球」と同語源.
  113. erhalten vt. (返事,称賛,非難などを) もらう,受ける.
    er- (結果,終着を表す接頭語) + halten (hold).er-, ur- はどちらも 結果,終着を表す接頭語です.数学の例で申し訳ないですが, ある特殊な集合論(New Foundation)で,Urelement = ur- + Element という のがありますが,これは集合から要素を取ってみて,それが集合だったら, またその要素をとって,これを続けて,要素の取れないものに到達した時, それを Urelement と言います.まあ,集合でない要素のことです.
  114. erlösen vt. 解放する,救済する,救う.「er (aus)」 + 「lösen vt. 剥がす」.「lose a. 緩い」.「loose (英) a. 緩い」を思い浮かべればよいですね.er- は「結果・終着」を表す前綴りなのですが,aus と同語源で, out (中から外へ)くらいに とらえておけばよいと思います.

  115. erleuchtetes ← erleuchten vt. 明かりで照らす. er- 終着の前つづり + leuchten vi. 輝く.leuchten は, 「light (英) vi. 輝く,光る」から覚えやすいですね.ここらあたりは, 「wichtig は重さ (weight) があり,とても重要」の巻とその中のL の怪しげな意味のところを 参照.
  116. erlöst p. ← erlösenを参照.
  117. Erlösung f. 救出,救済.erlösenを参照.
  118. erreichen vt. 手が届く,連絡がとれる,到着する.er- 終着を表す 前綴り+ reichen vi. 達する.「reichen vi. 達する,vt. 差し出す」は 「reach (英) vt. 着く」と同語源.er-/ur-は,英語の to に置き換えてみるのも 良いのかもしれませんね.また,aus (out (英)) と同語源ということなので, out to / out に置き換えるのも,気持ちがこもっているかもしれません. どれかもっともふさわしそうなものと置き換えてみると良いのでしょう. 次にいくつかの単語で試してみます. まあ,前つづりの意味は,置き換えるとなんとなく意味の通じる英語の前置詞や副詞の 候補をいくつか持って置き,「動詞+前置詞(副詞)」の形にしてみると,覚えやすいかも しれません.

  119. ersäufen vt. 溺死させる.「saufen vt. 飲む」. saufen は,音の並びがスープ(soup)に似てますから,そこから連想できそうです. er-/ur- は終着を意味する前つづりですね.
  120. erschrack p. ← erschrecken vi. びっくりする.
  121. erschrecken vi. びっくりする.er- (out) + schreken vt. 驚かす.
  122. erst a. 最初の.adv. 最初に.「ehe conj. ~する前に」,「eher a. より早く」と同語源で,最上級.
  123. erzählt p. ← erzählen vt. 語って聞かせる.er- 終着の前綴り + zählen vt. 数える(=tell).
  124. erzählte p. ← erzählen vt. 語って聞かせる,物語る.
    er- は非分離前綴り.「中から外へ」の意味がある(aus と似た意味).
    「zählen vt. 数える」.「tell (英) vt. 告げる」は,「数を言う」→ 「告げる」.「Zahl f. 数」.数学で整数の集合は Z ですね.

  125. Esel m. ロバ.ラテン語 asellus からの借用だそうです.それで, ローマ人も現地の言葉を借用したとか.英語は donkey で別系統ですね. えーっと,どうやって覚えましょう.ドイツ語に 「edel a. 高貴な」という単語が あります.映画『サウンド・オブ・ミュージック』の歌でエーデルワイス(Edelweiss)とかありますから,こちらは 記憶に残りやすいですね(weiss (Weiß) は白.edelweiss は高貴な白い花).それで,
    Edelweiss.Eselweiss.
    d と s の一文字違いで高貴からロバへ(馬鹿者という意味も)
    というのは どうでしょう.余計に混乱しますね.きっと (^_^).

  126. Essen n. 食事,料理.「eat (英) vt. 食べる」.
  127. essen vt 食べる.「eat (英)」
  128. etwas pron. あるもの(こと).etta (古独) ある + was (何(か)).

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    F

  129. fahren vi (乗り物に乗って)行く. 本論 「『フェリー(Fähre f)』は進む」の巻 を参照.
  130. Fähre f フェリー.
    本論 「『フェリー(Fähre f)』は進む」の巻 を参照.
  131. fand p. ← finden vt. 見つける(find (英))
  132. fast adv. ほとんど.「fest a. 固い,固定した」に対する副詞. 「fasten (英) vt. 固定する」.
  133. Fenster n. 窓.ラテン語の「fenestra」から借用で, ギリシャ語の「phainein 見せる」と同根だそうです.フランス語は 「fênetre f. 窓」ですから,フランス語を知ってる人には 覚えやすい単語なのでしょう.
  134. fern a. 遠い. 本論 「『フェリー(Fähre f)』は進む」の巻 を参照.
  135. Ferne f. 遠方.「fern a. 遠い」.「far (英) a. 遠い」. 本論 「『フェリー(Fähre f)』は進む」の巻 を参照.
  136. fertig a. 準備ができた.終えた.古いドイツ語では「fartig ( 古独) a. 行く準備ができた」らしいです.関係する語,「fahren vi. 行く」は 「『フェリー(Fahre f)』は進む」の巻を参照してください.

  137. Feuer n. 火.「fire (英) n. 火」.
  138. feurigen ← feurig a. 燃えている.「fire (英) n. 火」.
  139. fiel p. ← fallen vi. 落ちる. 「fall (英) 落ちる」
  140. fieng = fingfangen vt 捕らえる,捕獲する. ラテン語 「pangere 掴む」と同語源.
  141. fiengen = fingen pp. fangen vt. 捕らえる. an|fangen のところを参照.
  142. Fingern ← Finger m. 指.「finger (英) n. 指」.
  143. Fingern pl. 「Finger m. 手の指」.「finger (英) n. 手の指」.
  144. Fleisch n. 肉, 肉体, 裸体.「flesh (英) n. 肉」.英語の flesh は Online Etymology Dictionary によると,「動物の(魂に対する)肉」を表していたと あり,ゲルマン系の言葉であるが,語源はよく分からないとのこと. 印欧祖語「*pleik- 割く,引きちぎる」からとの説もあるらしい.
  145. fliegen vi. 飛ぶ.「fly (英) vi. 飛ぶ.g (独) ↔ y (英)」.
  146. flog p. ← fliegen vi. 飛ぶ.
  147. flohen p. ← fliehen vi. 逃げる.「flee (英) vi. 逃げる」.
  148. folgtefolgen vi. ついて行く,従う.follow (英).
    nach|folgen = follow toward = 後を追ってついて行く.
  149. fort|kam p. ← fort|kommen vi. 立ち去る.「fort adv. 去って」+「kommen vi. 来る」.
  150. fort | ziehen vt. ひっぱっていく.vi. 移動する,移転する.
  151. Freude f. 喜び.「froh a. 嬉しい」の名詞形.-de は名詞を作る. froh の原義は,「元気な」みたいなので,「fr- 前へ」とイメージ的には 合ってると思います.

  152. fort a. 去って,なくなって. 本論 「『フェリー(Fähre f)』は進む」の巻 を参照.
  153. fortgegangen pp. ← fort|gehen vi. 立ち去る,出発する.
    「fort- a. 去って,なくなって,前へ,引き続き」(本論 「『フェリー(Fahre f)』は進む」の巻 を参照.)ですから go forward とか go on の ように思えば良いでしょう.
  154. fortgemacht pp. ← 「fort|machen vi. ずらかる」. 「fort adv. 去って,いなくなって」を「machen vt. 作る」ですから, 「ずらかる」ということになるのでしょうね.
  155. fragte p. ← fragen vt. 尋ねる.ラテン語「preces 頼み(後ろのeの上には飾り記号あり)」, 「forshen (独) vi. 研究する,調査する,探す」と同語源だそうです. あまり,記憶の足しにはなりませんね.とにかく,「前に向かって何かする」=「求める」というイメージでしょうか.
  156. Frau f. 女,妻,~夫人.「主人」の女形で,原義は前に立つ人とのこと. fr- の基本的な意味ということですね.
  157. freundlichen ← freundlich a. 友好的な,親しい,親切な. 「Freund m. 友人」は「愛する」の現在分詞とのこと.「friend (英) n. 友人」
  158. Frosch m. frog, 蛙. Fro- ですから,如何にも「前に跳びそうな」語の形をしていますね.
  159. Fretsche n. Frosch の方言.
  160. Frieden m. 平和,安らぎ.
  161. früh a. 早い. 本論 「『フェリー(Fähre f)』は進む」の巻 を参照.
  162. Frühling m. 春(早い季節の意味らしい). 本論 「『フェリー(Fähre f)』は進む」の巻 を参照.
  163. führen vt. 導く(fahren の使役形). 本論 「『フェリー(Fähre f)』は進む」の巻 を参照.
  164. Funke m. 火花,火の粉.語源は知りません.n が強めで入っているとすれば, 元の形は「pの仲間 + 母音列 + gの仲間」なんですが,意味と音の似た語としては 「focus (英) n. 焦点」が思い浮かびます.focus はもともとラテン語の囲炉裏とか 暖炉から来ているそうです.まあ,もしかしたらと思いながら,覚える助けにするの が良いのかなと思います.
  165. Fünkchen Funke m. 火花,火の粉. + -chen (小ささを表す縮小語)n.
  166. für prep. ~のために for(英). 本論 「『フェリー(Fähre f)』は進む」の巻 を参照.
  167. Furcht f. 恐れ,恐怖.「fright (英) n. 突然の恐怖」.
  168. fürchtest ← fürchten vt. 恐れる.vi. 心配する.
    「frighten (英) 怖がらせる」.
  169. fuhren p. ← fahren vi. 行く.
  170. Fuße ← Fuß m. 足.「foot (英) 足」.印欧祖語「*ped-」 「pedal (英) ペダル」など,足は,この語源のものがヨーロッパの言語で広く普及.
  171. Futter n. 餌(えさ). 「food (英) n. 食べ物」,「feed (英) vt. 食べ物を食べさせる」

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    G

  172. gähnen vi. あくびをする (yawn) .g (独) ↔ y (英) .
    これも ge- がついたものと思って,後ろの単語の姿を追うと, ahnen になりますが,これは「予感する」で,あまり,ge-が付いても 「あくび」とはつながりません.残念賞で,gähnen あくびをする, ahnen 予感する,を両方覚えてしまうというのもありかもしれません. 「wichtig は重さ (weight) があり,とても重要」の巻 を参照.
  173. ganz a. 全部の.adv. まったく.語源不詳とのこと.
    「ガンツ(と)して」くらいでダジャレで覚えますかね.
  174. gar adv. 全然.
    語源小辞典によると,古期ドイツ語で 「garo (料理が)できあがって」. 印欧祖語の語根「*gwher- 熱い」に由来する動詞「料理する」の 過去分詞とか.それが何で「全然」になるんだか.
  175. garstiger ← 「garstig a. 汚らしい」.
    語源はわかりません.「gar adv. 全然」が「料理が出来上がって」という 意味から来ているらしく,それは「*gwher- 熱い」に由来 する動詞「料理する」の過去分詞からだそうです.もしかしたら, 熱を加えすぎて焦がしたのかもしれません.(^_^)
  176. Gäste pl. ← Gast m. 客.「guest (英) n. 客」.印欧祖語 「*ghostis 見知らぬ人」.
  177. geblieben pp. ← bleiben vi. 留まる,~のままである.
  178. gedeckten pp. ← decken vt. 覆う.本論の 「Doch (独) は though (英)」 の巻に 出てきました.「d→th にして thick (厚い)から連想して!」と.
  179. gefahren pp. fahren vi. (乗って)行く.「『フェリー(Fähre f)』は進む」の巻を参照.
  180. gefallen vi. 気にいる.「fallen vi. 落ちる」ですから,fall in love みたいな感じですね.
  181. gefiels = gefiel's p. gefallen vi. 気に入る.
  182. gegen prep. ~4格 の方へ,~に(反)対して.
    「again (英) adv. 再び」,「against (英) prep. ~に対して」.でも, 「gehen vi. 行く」と音が似てますから,覚えるためには,そちらに行ってぶつかるくらいのイメージを 持っておけばよいのかもしれません.
  183. gegessen pp. ← 「essen vt. 食べる」.「eat (英) vt. 食べる」
  184. geh ← gehen vi. 行く.「go (英) vi. 行く」
  185. gehalten pp. ← halten vt. 持っている,掴んでいる.「hold (英)」と同語源.
  186. geholfenhelfen vt 助ける. vi. 役に立つ,有効である.これは help からすぐですね. 「役に立つ,有効である」という意味は押さえておく必要がありそうですが.
  187. gekrochen pp. ← kriechen vi. 這う,這って進む.
    「crawl (英) 這う」,「creep (英) 這う」.英語のは, どちらも後ろが ch と別系統なのが気になりますが,とりあえず, 同語源みたいです.原義は曲げるだそうです.

  188. gekommen pp. kommen vi. 来る.
  189. gelb a. 黄色い (yellow).g (独) ↔ y (英) .
    こじつけに聞こえるかもしれませんが,L の 光の意味ですね.lamp (英,ランプ)とかは -mp- は b と音は近いです. 後で,図を描きますが,m は b の「鼻音化」です.ge- の前綴りがついて いますので,「光った」という意味かもしれません. gold (英), Geld (独) も光るものですね. 「wichtig は重さ (weight) があり,とても重要」の巻 を参照.
  190. Gemahl m. ご主人.会話では,Herr を冠する.ここでは「夫」.
    でも,なんで「夫」なんでしょうね. 「mahlen vt. (穀物などを)ひく,すりつぶす」だから, はっ!,もしかして「穀潰し(ごくつぶし)」?
    いや,でも,Ge- が ついているんで,奥さんに使い潰される人という意味かも. 結婚は奥が深いですね.

  191. geradezu adv. まさしく.gerade + zu.「gerade (独) a. まっすぐな, adv. ちょうど(just).」は,rade- の部分は「数」(rational number)の意. 「rasch (独) 迅速な」,「rash (英) 性急な」,「rather (英) むしろ」と 同根とのこと.私的には 「radiate 放射する」が過去分詞になって,それに zu が付いたくらいの連想もあり得るかなと思います.まあ,gerade は just と 訳すとぴったりくるような.

  192. gerne 「gern[e] adv. 喜んで」.もともと「熱心な」という意味の語. 同語源の語に「Gier f. 激しい欲望,渇望 」,「begehren vt. 切願する」などがある.
  193. gerudert pp. ← rudern vt. (ボートを)漕ぐ.
    Ruder n. オール.舵を取る. 「rudder (英語) かい,オール」. 「Riemen2 m. かい,オール」.ただし,Riemen には, 「Riemen1 m. ひも,皮ひも,バンド」もある.
  194. geschehen vi. 起こる,生じる.過去分詞も同形.
  195. Geselle m. 職人.若い衆.友達.
    「同じ広間(Saal m. 広間,ホール)の者」から来ているらしい. 「Saal」 は 「salon (英)」を想像すれば覚えやすいでしょう.また, 「Gesellschaft f. 社会,利益社会」も一緒に覚えておくと記憶の ネットワークが出来てよいかもしれません.-schaft は,英語でいうと shaped で,つまり「形作られた」という接尾語です.

  196. Geschrei n. 叫び声.「schreien (独) vi., vt. 叫ぶ」=「cry (英) vi. vt. 叫ぶ」.sch ↔ c.

  197. Gesellen pl. ← Geselle m. 職人,仲間たち.
  198. gesetzt pp. ← setzen vt. 置く,座らせる.「set (英) 置く」
  199. Gesicht n. 顔,顔立ち,顔つき,表情.~ Gesicht machen ~な顔つきをする.
    「sehen vt. 見る」から.

    間違えて二回載せて,両方に絵を描いたのでそちらも載せておきます.

  200. Gespenst n. 幽霊.すみません.由来は分かりません.

  201. gestern adv. 昨日 (yesterday).g (独) ↔ y (英) .
    gestern の後ろの部分は Stern m 星 ですが,もともと恒星は「動かない」「固定した」とか いう意味の語から来ているので,ge- を付けて,昨日に確定した と言っているのかもしれません. 「wichtig は重さ (weight) があり,とても重要」の巻 を参照.
  202. gestochen pp. ← stechen vt. vi. 刺す,突く.
  203. getraute p. getrauen v (sich) あえて~する.「trauen vi. 信用する」は,「true (英) a 真実の」と同語源.
  204. Gewalt f. 権力,支配,暴力.← walten vi. (力などが)働いている,作用を及ぼしている,統治する,管理する.「wield (英) vt. (筆や剣など)をふるう」
  205. getrauten p. ← getrauen (再帰) あえて~する.
  206. gewaltig a. 激しい.巨大な.← 「Gewalt f. 暴力」. これは「walten vi. ちからなどが働いている,作用している」から. まあ,年寄りは「ゲバ ... 過激な学生の闘争」,「ゲバ棒」などから 「Gewalt f. 暴力」は連想しやすいですよね.
  207. gewaschen pp. ← waschen vt. 洗う.「wash (英) vt. 洗う」.
  208. geweckt pp. ← wecken vt. 起こす.「wake (英) vi, vt.. 起きる,起こす」.
  209. geworden pp. ← werden vi. ~になる.
  210. gibst ← geben.
  211. gieng = ging p. ← 「gehen vi. 行く」.
  212. giengen gingen p. ← gehen vi. 行く.
  213. glänzen a. なめらかな,平らな,つるつるした. 「wichtig は重さ (weight) があり,とても重要」の巻を参照.
  214. glatt a. なめらかな,平らな,つるつるした. 「wichtig は重さ (weight) があり,とても重要」の巻を参照.
  215. Gleichen pl. 同類 ← gleich a. 同じ.「like (英) 似ている. 英語で先頭の g の脱落.k ↔ ch」.
  216. Glück n. 幸運,幸福.「lucky (英) a. 幸運な」. 「wichtig は重さ (weight) があり,とても重要」の巻を参照.
  217. glücklich a. 幸運な,幸福な.「lucky (英) a. 幸運な」. 「glucklich ↔ lucky (英)」や「gleich ↔ like (英)」などのように 英語で先頭の g が落ちることはよくあります. 「wichtig は重さ (weight) があり,とても重要」の巻を参照.
  218. glühen vi. 燃える.「glow (英) vi. 白熱する,光を出す」.英語でもこの系列の単語は,glare, glitter, など沢山あります.
  219. glühenden ← glühend a. 燃えるような. ← glühen vi. 燃える.
  220. Gras n. 草.「grass (英) n. 草」
  221. Grauschimmel m. 葦(あし)毛の馬.grau a. グレーの + Schimmel m. カビ,白馬,灰色の馬.「schimmeln vi. カビが生える,かびる」.語源は知りません.「 schimmeln(湿るん)でカビに注意」とかでダメでしょうか.しかし,「schimmern vi. かすかに光る」と 「schimmeln vi. カビが生える」が同じ段落にでてきてしまいました.日本人には辛いですね.

  222. gräuliche = greuliche a. ぞっとする.辞書内の直ぐ側に, 「Greuel m. 残酷行為」があるので,英語の「cruel (英) a. 残酷な,悲惨な」を 思い浮かべれば良いですね.
  223. großen ← groß a. 大きい. 語源小辞典には明確に書いてありませんでしたが, 「gross (英) a. 全体の,大きい」,「grow (英) vi. 成長する」とも関係があるかも しれませんね.イメージ的には一致するんで方便として, 一緒に覚えておくとよいかもしれません.
  224. großergroß a. 大きい.英語の grow, great, grandと同語源.
  225. Grund m. 土地,地面,基礎,底.ground (英).ゲルマン語特有の語とか.

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    H

  226. Hahn m. 雄鶏(おんどり).「hen (英) n. 雄鶏」. 語源小辞典によると「canere 歌う」と同根とのこと.ちなみに,雌鶏(めんどり)は 「Henne f. 雌鶏」.
  227. Hahnenbalken = Hahnen 鶏 + Balken m. 角材 = 横梁.
  228. Hals m. 首.ラテン語「collum」と同根.「collar (英) n. カラー,襟」.印欧祖語「*kwel- 回す」.

  229. Halse ← Hals m. 首.「collar (英) 襟」 . 印欧祖語「*kwel- 回す」
  230. Händchen n. 小さい手.-chen 縮小語尾.小ささ,愛らしさ,親しみの意味を追加.
  231. hielt p. ← halten vt. 掴んでいる.
  232. hastig a. 急いだ.「haste (英) n. 急ぎ」.
  233. häßlichen a. 醜い.「Haß m 憎悪,敵意」=「hate (英) 憎悪」.動詞は「hassen vt. 憎む,嫌う」.ここらあたりは何か深いところでつながっている単語が多そうですね.
  234. Hauptmann m. (陸軍,空軍の)大尉.ここでは泥棒の親分. Haupt n. 頭 + Mann m. 男.
  235. Hausfrau = Haus n. 家 + Frau f. 夫人.
  236. Haushahn Haus n. 家 + Hahn m. 雄鶏(おんどり).
  237. heb「heben vt. 持ち上げる」
  238. heiß a. 熱い,暑い.母音が大分違いますが hot (英) と同語源です. 後ろの,ß と t の違いは第二次子音推移の t→ss と符合しますね.
  239. Hemd n シャツ,下着.ケルト語起源の語で,日本にはフランス語 chemise からシュミーズと して入ったそうです.私の子供の頃(1970年頃)は女性の下着をシュミーズと言っていたので, 「ああ,そうなんだ」と思うのですが,今もこの語は使われているのでしょうか.

  240. hell a. 明るい.印欧祖語「*kell- 叫ぶ」から「声が明るく響く」 → 「明るい」となったとのこと.ラテン語「clamare 叫ぶ」. 「call (英) vt. 呼ぶ」が同根かどうか確信はないですが,関連と思っておけば,記憶の 定着には役にたちますね.「Schall (独) m. 音,音響」も call と音と意味がよく似ています.Schall は hell と同根のようです.ちなみに,動詞「schallen vi. 鳴る,響く」もあります.

  241. heller 比較級 ← hell a. 明るい.
  242. Hemdchen n. 下着.Hemd n. シャツ + -chen 小ささ,かわいらしいものを表す中性語尾..
  243. herauf 向こうの(下方から)こちらの(上方)へ.her (to here) + auf (over)
  244. heraufgeholt pp. herauf|holen.「holen vt. 取りに行く,連れに行く(get)」
  245. heraufholen herauf|holen = herauf (up from there) + holen (行って取って来る)
    「holen (独) vt. 行って取って来る」は,「haler (仏) 船を岸に引く」, 「hale (英) vt. 引っ張る」に借用.
  246. Herd m. かまど,こんろ,炉,暖炉.「carbon (英) n. 石炭」と 同語源.印欧祖語「*ker- 燃える」からだそうです.「hearth (英) n. 暖炉」が 直接対応する英語の単語だと思います.

  247. Herr m. 主人,紳士.「hoar (英) a. (老いて)白い」と同語源で, 「神々しい,白髪の」とのことだそうで.
  248. Herberge f. 安宿.
  249. herum adv. まわりに.her こちらへ + um まわりに.
  250. Herz n. 心臓.「heart (英) 心臓」.
    印欧祖語 「*kerd- 心臓」.ヨーロッパでは広く共通している.
  251. heut heute.

  252. heute adv. 今日. 「hiu tagu この日に」から.hi- は,「hier (独) adv. ここに」と同根.

  253. Hexe f. 魔女.「hag (英) n. 鬼婆」.ある複合語の前半だけが残って Hexe や hag になったみたいですが,その前半部分は,「木で囲まれた」みたいな 意味で,「hedge (英) 生垣」とも同語源です.なんか,うっそうとした木々に囲まれた ところに住んでいる人なんでしょうか.
  254. hielt p. ← halten vi. 止まる.vt. 保つ.「hold (英) vt. 保つ」.
  255. hieß p. ← heißen vi. ~という名前である.~という意味である.vt. 命じる.古い英語に一応「hight pp. …と呼ばれた, 名づけられた」という単語が ある(「height n. 高さ」でなく発音はカタカナで書くと「ヒート」). heißen は Ich heiße Tom とか自己紹介の時使うので,ドイツ語を習い始めて すぐ覚える単語ですが,「命じる」という意味があるのは知らなかったりするので 勉強になりました.
  256. hinab adv. 下方へ.hinab- (分離前綴り)(あちらの)下方へ. hin(from here) + ab (off).
  257. hinauf adv. 上方へ.hin あちら + auf 上へ.
  258. hinaus adv. (中から)外へ.「hin- (話者から)あちらの方へ」. 「aus (独) = out (英)」.
  259. hinaus|jagen vt. 狩り出す.
  260. hinein adv. あちらの中へ.hin (there) + ein (in). 「hin (独) adv. あちらに,去って」は,「hier (独) ここに」, 「her (独) こちらに」と同根.
  261. hin|gehen vi. あちら(hin)へ行く(gehen),立ち去る.
  262. hinten adv. 後方に.「hind (英) a. 後ろの,後部の」.「behind (英) prep. 後ろに」のbe-の後ろの 部分も同語源.これの前置詞は「hinter prep. ~の後ろに」.
  263. hinter prep. ~の後ろで.「behind (英) prep. ~の後ろで」.
  264. Hinterfuß m. 後ろ足.hinter 後ろ + fuß 足.
  265. Hinterthüre = Hintertüre ← Hintertür f. 裏口.
  266. hinunter hin (from here) + unter (under)
  267. hob p. ← 「heben vt. 持ち上げる」.「heap (英) n. 積み重ね」.
  268. Hof m. 中庭,構内,宮殿.語源小辞典によると, 対応する現在の英語の単語は無いみたいです(古い英語では hof があった).ゲルマン語特有の単語だそうです. 「Bahnhof m. 駅」は,鉄道の宮殿という意味.「Bahn f. 軌道」.

  269. Hofleuten 「Hof m. 中庭,宮廷」 + 「Leute pl. 人々」 = 宮廷の人たち.」.
    「Hof m. 中庭,宮廷」の語源はよくわかりません.ゲルマン語特有の語だそうです.「Leute pl. 人々」は成長するという意味の語かららしいですが,記憶の核になるような語が ありませんから,「ルターの偉業に人々がおどロイテ,口々に賞賛した」くらいで覚えましょうか.(^_^).あと,ロイターというのはドイツ系のよくある姓のようです.ロイター通信社とか.
  270. Höhe f. 高さ.「hoch (独) 高い」 から.音から考えると, 「h 母音 g-」で持ち上げるというような単語が見つかりそうですね. 「Hügel m. 丘(hill)」,「huge (英語) 大きい」が見つかりますが, 語源的な関連がある語かどうかは分かりません.
  271. holen vt. 取りに行く,連れに行く(get)
    「hale (英)引き寄せる」
  272. Holzkeule = Holz n. 木材 + Keule f. こん棒.

  273. losgeschlagen pp. ← los|schlagen vi. 殴りかかる. los- は分離,解法,解き放つといった意味を持つ前つづり.

  274. hörte p. ← 「hören vt. 聞こえる,耳に入る」.
    「hear (英) 聞く」.
  275. hungern vi. 空腹である.「hungry (英) a. 空腹の」
  276. hüpfte p. füpfen vi. ぴょんぴょん跳ねる. 残念ながらこれの語源はしりません.

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    I

  277. immer adv. いつも.「immer adv. いつも変わらずに,常に」は, 意味的には je と mehr の古い形の語がくっついた形らしいです.

    je (つねに) + mehr (より多く)とか.

  278. insgesammt = insgesamt adv. 全部で,一緒にして.「sammeln vt. 集める」.

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    J

  279. Ja adv. yes.j (独) ↔ y (英) 「wichtig は重さ (weight) があり,とても重要」の巻を参照.
  280. Jagdhund = Jacked f. 狩猟 + Hund m. 犬.
  281. jage ← jagen vi. nach etw. ~を追う.Jagdhund が狩猟なので それと連想させれば良いと思います.
  282. Jahr n. year.j (独) ↔ y (英) 「wichtig は重さ (weight) があり,とても重要」の巻を参照.

    印欧の語根 「*ye- (e の上には横棒) 行く,進む」からとのこと. 「Uhr f. 時計,時」も同じ語根からとのこと.

  283. jappte p. ← jappen vi. 喘ぐ.すみません.語源は分かりません.
  284. jedes (男性および中性の2格)← 「jeder pron. 各々」. 語の成り立ちとしては,「je (常に) + weder (二つの中の1つ)」の 形とのこと.古い時代のドイツ語なので,それぞれの形は正確ではないが.
  285. jemand pron. (誰か)ある人.古ドイツ語 io(常に) + man (人).-d は後期になって付いた.
  286. Jung a. young.j (独) ↔ y (英) 「wichtig は重さ (weight) があり,とても重要」の巻を参照.
  287. jüngste (最上級) ← jüng a. 若い.「young (英) a. 若い」
  288. Jugend f. youth.(どちらも Ju-, you- の直後に n は ないことに注意).j (独) ↔ y (英) 「wichtig は重さ (weight) があり,とても重要」の巻を参照.

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    K

  289. kalten ← 「a. 寒い,冷たい」.「cold (英) a. 寒い,冷たい」
  290. Kämmerlein 「Kammer f. 小部屋」+ 「-lein (縮小語)」
  291. Katze f. 猫.「cat (英) n. 猫」.
  292. kaufen vt. 買う (buy).「買うふぇん」?.子音の並びは,capture を 思い起こさせる.
    ein|kaufen = buy in = 買い入れる. verkaufen = buy forward = 売る .
  293. kein pron. 一つもない.nih (否定) + ein.
  294. keines ← kein pron. 一つもない.nih (否定) + ein.
  295. Ketten pl. ← Kette f. 鎖,チェイン.ラテン語より.「chain (英) n. チェイン」も同語源らしいが後ろの部分がかなり違っている.
  296. Kind n. こども.「Kindergarten (独) 幼稚園」, 「Kinderbuch (独) 絵本」とかいうドイツ語が日本語化していますので 覚えやすいと思います.これは König のときに説明した *gene- と同語源です.
  297. klagteklagen vi. (苦痛,苦悩を) 嘆き訴える.
    「Klage f 嘆き,悲嘆[の声]」からだとか.で,語源小辞典によると Klage は擬音語起源と書いてあるが,これも私はあまり納得できない. 西洋の言葉はあまり擬音説に頼りたくないのだ. 私の とんでも語源学では L は,「光り輝く」の 聴覚的な拡張で,「音が響く」という意味もあるので,前に,ge- が ついてしっかり訴えている とか,あるいは,「置くの L」 で,置かれてしまって不満が出ている状態とか こじつけは結構ありそうな気がする.でも,なんとか強烈なイメージで この単語を覚えないと行けないとすれば,「クラーゲが悲嘆している」とか どうだろうか?

  298. Kleider pl. Kleid n. 婦人服,ドレス,衣服,制服. 「cloth (英) 服」に対応.子音の対応は最初の方に勉強した通りです. 原義は,服を粘土(Kley = clay (英))でなめしたものらしい.
  299. klettern vi. よじ登る.「climb (英) vt. vi. よじ登る」. 原義は「くっつく」からだそうです.「Klette f. ゴボウ(イガが服などに くっつくことから),うるさくつきまとう人」.
  300. klirrten p. ← klirren vi. がちゃがちゃ音を立てる. 三浦 晃氏の対訳集の中では「窓ガラスが音を立てて割れました」となっています. 擬音由来ですかね?それとも kli- で音を立てるのに関係があるんでしょうかね? 例えば,「clown (英) n. 道化」とか「clash (英) vi. vt. がちゃんがちゃんと音を立てる」など,近い音の並びで,音を立てる意味の語は沢山ありますからね.
  301. klopfte p. klopfen vi. ノックする.擬音らしい.
  302. Knochen m. 骨,骨格.語源小辞典には「擬音語起源の動詞で,knacken (ポキンと音を立てる)と同系」と書いてあります.「knock (英) vi. ノックする」もそうなんでしょうか? まあ,イメージ強化につながりますので,事実はどうあれ,関連付けて覚えておくのがよさそうです.
  303. Köchin f. (女性の)料理人.「Koch (独) m. コック」.
  304. Kohlen pl. Kohle f. 石炭.「coal (英) n. 石炭,炭」.
  305. König m. king とは,母音が大分違いますけど,同語源の語です. kin が同じ血族という意味です.印欧祖語の *gene- が「生を与える」という意味だとか. 数学が好きな人には ケーニッヒのレンマ(The lemma of König)とか Königberg の 橋とかでなじみが深い単語かもしれません.
  306. Königssohn Königs + 「Sohn m. 息子」 = 王子.「son (英) n. 息子」
  307. konnten ← können aux. ~できる.「can (英) aux. ~できる」.
  308. Kopf m 頭.「capital (英) 首都,大文字」, 「captain (英) 船長,指揮官」と同語源の語です. 英語は,頭は head を使っていますが,ヨーロッパでは cap- 系統の語を使っている国が多いです.

    もともと,「cup (英) 盃」と同語源の語だが,16世紀に 元の語(で,今も)の 「Haupt n 頭」の代わりに用いられるようになったとのこと. んー? 字面を見ると,どちらも同語源の語じゃないかな? ちなみに, いま,辞書を引いている最中に「Haube f (婦人用の)ずきん」を見つけました. これも同語源の語ですね(きっと).グリム童話の赤ずきんちゃんは Rotkäppchen で,Haube ではありませんが,käppchen も同語源の語ですね.英語の capture (捕まえる)も同語源です.

  309. krachte p. &learr; krachen vi. すさまじい音を立てて割れる,崩れる. 「crack (英) n. 裂け目、割れ目,ひび」
  310. Kräfte pl. ← Kraft f. 力.「craft (英) n. 技巧」. 私の怪しげな語源学では,
    子音 + r + 母音 + b/p/f/v
    は,
    r + 母音 + b/p/f/v
    に接頭語 ge-, de-, ... が付いた合成語の接頭語の発音が弱くなっているものと 思ってますので,-rap- などの語を考えて,「何か力を加えている」という 意味のバリエーションを思い浮かべます.例えば, 「drive (英) vt. 駆動する」,「corrupt (英) = con- + rupt(break) = break throughout」etc. etc. まあ,特に語源的な根拠がある訳でなく,多くの 語を似たイメージで括るための方便です.
  311. Kräften pl. ← Kraft f. 力.「craft (英)n 技巧」と同語源.
  312. Kragen m. 襟(えり),カラー.(比ゆ的に)首,命. 「Es geht mir an den Kragen. これは私の命が掛かっている」.
    なんで,襟,カラーなんでしょうね.英語で襟は collar なので,L と R で 一致しません.辞書で,Kragen の近くの語を見てみると「Krähe f. カラス, crow」,「krähen vi. (鶏が)ときをつくる」があります. そう言えば,「cry (英) vi. 泣く」も,Krähe や krähen と音と意味は近いです.Kragen は,鶏がときをつくるのに 首を伸ばしているのでしょうか.

    なお,カエルの王様のページでやった 「Klage f. 悲嘆」 とは L と R で全然違いますので気を付けてください. 私は最初間違えました.日本人ですね.

    「Kragen m. 襟(えり)」と「Klage f. 悲嘆」を間違えないように!

  313. krähte p. ← krähen vi. (鶏が) ときをつくる. 「Kragen m. 襟(えり),カラー」のところで,もしかしたら,これや, 「Krähe f. カラス, crow」も関係があるのかもと書きました.どうかは わかりませんが,首を長くしながら時を作っている様子を思い浮かべながら, 関連付けて覚えておくと記憶の定着が良いと思います.ということで, もう一度,ここにも絵を貼り付けておきます.こういうところは web の 文章は手抜きができて良いですね.でも,こちらのページのアルファベット順に 並べたものに張り付けると,すぐ近くに同じ絵が出てきてみっともないですが.

  314. kratzte p. ← kratzen vt. ひっかく. 英語に似た単語を探しましたが「grave vi. 刻む」ぐらいですかね.最後が -ve で系統の 違う音ですが.
  315. Krone f. 冠,王冠. 「crown(英)」
  316. Küche f. 台所.「kitchen (英) n. 台所」.
  317. Kugel f. まり,球.語源は「*geu- 曲げる」からだそうだが, 連想に必要な関連語の数が少ないのであまり役にたたない.これは このまま覚えた方がよさそうです.
  318. kühl a. 涼しい,冷たい.kool (英).印欧祖語の語根 「*gel- 凍る,寒い」.「kalt (独) a. 冷たい」も同根.

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    L

  319. lagliegen vi 横たわる.legen の自動詞の対応語ですね. 以前, L で始まる語の大きな意味として「置く」があるという 怪しげな説を「wichtig は重さ (weight) があり,とても重要」の巻で上げました.
  320. Landesflüchtigen ← Landes 国の + flüchtig a. 逃走中の + en = 国外逃亡者 = 亡命者.flüchtig の音の並びは flight (英) と似てますね.
  321. lang a. long (英)
  322. Langeweile f. 退屈.= lange (英 long) + weile (英 while)
  323. Lärmen ← Lärm m. 騒音.「lärmen vi. 騒ぐ,騒ぎ立てる」. フランス語の「a l'arme」.英語の「alarm n. 警告」は先頭の a を保存している.
  324. lassen aux. させる.vt. 放置する.「let (英) vt. させる」
  325. laß ← lassen vt. ~させる.「let (英) vt. ~させる」
  326. laufen vi. 走る.「leap (英) vi. 跳ねる」.
  327. laut a. 音の大きな,うるさい.「loud (英) a. 音の大きな」.
  328. Laute f. リュート.ギターに似た弦楽器. 「laut a. 音の大きな」ですが,大きな音が出るんでしょうか?
  329. lauterlaut a. 声(音)の大きい.loud (英).
    「wichtig は重さ (weight) があり,とても重要」の巻で,L の主要な意味は, 「置く」,「流れる」,「光る,輝く」といいましたが,「(音が)響く」も 結構あるんですよね.一応,自分の中では「輝く」からの派生として 位置付けていますが.
  330. lebendige ← lebendig a. 生きている,生命のある.
  331. lebteleben vi. live
  332. legen vt. 置く.g (独) ↔ y (英).
    「wichtig は重さ (weight) があり,とても重要」の巻を参照.
  333. Leib m. 肉体.「life (英) n. 命」.
  334. Leibeskräften ← Leibeskräfte = Leib m. 体 + Kraft m. 力. 「aus (nach) Leibeskräften 力の限り」の成句で使われる.
  335. leicht a. 軽い (light (英)) .ch (独) ↔ gh (英). 「wichtig は重さ (weight) があり,とても重要」の巻を参照.
  336. leuchten vi. 光り輝く.ch (独) ↔ gh (英). 「wichtig は重さ (weight) があり,とても重要」の巻を参照.
  337. Licht n. 光.「light (英) n. 光」.印欧祖語「*leuk- 光る」.
  338. licht a. 明るい (light (英)).ch (独) ↔ gh (英). 「wichtig は重さ (weight) があり,とても重要」の巻を参照.
  339. liegen vi. 横たわっている.「lie (英) vi. 横たわる」.本論の L の怪しげな意味のところを参照.
  340. lieber 「lieb a. 愛する,好きな」の比較級.adv. どちらかといえば,[よりも]むしろ~したい.「lief (英) 喜んで」「love (英) 愛」.
  341. lief p. laufen vi. 走る.
  342. Linde f. 菩提樹.一応,「lind (独) a. しなやかな」と同語源だそうです.
  343. löschten p. ← löschen vt. (火,スイッチなどを)消す.鎮める.抹消する.「liegen vi. 横たわっている」と同源で,「火がおさまる」が原義だそうです. でも,辞書のこの語の周りには,「los a. 取れた,外れた」,「lösen vt. はがす,離す」などがあり,なんとなく,離れる,静まるみたいな意味を持つ語群がありそうな気がしますね.
  344. Lust f. 喜び,~したい気分.「lust (英) n. 欲望」.
  345. lustig a. 愉快な.「lust (英) n. 欲望」.

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    M

  346. machen machen vt. 作る.「make (英) vt. 作る」.
  347. machte ich 「グリム童話 (独和対訳叢書)」によると,「逃げてきました」という俗語らしいです.
  348. machen sich ~に向かう.
  349. machte p. ← 「machen vt. 作る」.
  350. mag 「mögen」の一人称. 「may (英)」.g ↔ y
  351. Mark n. 髄(ずい),木髄.(比ゆ)真髄,核心.
    j3 durch Mark und Bein gehen. (人)3 の骨身に沁みる.
  352. Marmortreppe = 「Marmor m. 大理石」+ 「Treppe f. 階段」.
    tr- は歩くこと,進むことに関係する語が多いですよね.
  353. Maul n. 口(くち).
    私には語源ははっきり分かりませんが,「mouth (英) くち」と関連して覚えるのが良いでしょうね.
  354. Mäusen ← Mäuse pl. ← Maus f. (はつか)ねずみ.「mouse (英) n. ねずみ」
  355. meinte p. ← meinen vt. ~という意見である.vt. ...と考える.「mean (英) vt. 意味する」
  356. Menschen ← Mensch m. 人間.「man (英)」
  357. merkte ← merken vi. 気付く.「mark (英) vt. 印をつける」
  358. miaute p. ← miauen vi. (猫が)にゃあと鳴く.これはさすがに 擬音語でしょう.

  359. Messer n. ナイフ.「食べ物を切るナイフもの」という ところから来ているらしく,その食べ物の部分は「meat (英) n. 肉」と 同語源とのこと.
  360. Mist m. 家畜の糞,堆肥.うーん,英語の「mist (英) n. 霧」とは 随分違いますね.語源はよく分かりません.
  361. mit prep. ~と,~を使って (with)
    ちょっと苦しいかもしれませんが,「中間にあるもの = media, middle」の m と d(t) から連想しましょうか. ギリシャ語の 「meta 間に,一緒に」と同語源だそうです. 「Mitte (独) f. 中央」,「Mittel (独) n. 手段(-el は接尾語)」,ですから そう遠くないかもしれません.
    「mit|bringen = bring with = 持ってくる」, 「mit|nehmen = take with = 連れて行く」 nehmen= take は次の nach = toward と音が近いですね. 意味も何かへの接近を表しているので連想が利く範囲のところに ありそうです. 「aus は out 」 の巻を参照.
  362. Mittel n. 手段.「mittel a. 中央の」の名詞化.「目的到達のための途中の道 → 手段」だそうです.前置詞 mit ~ もたぶん,この仲間ですね.

  363. Mitternacht f. 真夜中.mitter mittel の比較級 + Nacht f. 夜.
  364. möchte p. ← mögen aux. may (英).
    m-g は「力」を表す一連の語根がありますね.いつか整理しましょう. とりあえず,magic (英), max (英), mighty (英) などを挙げて おけば十分でしょうか.
  365. morgen adv. 明日.「Morgen m. 朝」の第3格.「morning (英) n. 朝」
  366. Morgen m. 朝.「morning (英) n. 朝」.
  367. müde a. 疲れた.「mühen vt. 疲れさせる(再帰で「苦心する」)」の過去分詞. 「Mühe f. 骨折り」とも同語源.

    勝手なイメージですが,m... は動く/動かすというイメージの 語が多いので(move (英), mühlen (独) vi. 粉を挽く ),多少は,それと関連して,「動いて疲れる」的なイメージを持ったら 少しは記憶がの助けになるのかなと思います.

  368. Mühle f. 製粉所,水車,風車.「ラテン語 molere 粉を引く」から.
  369. Mund m. 口.「mouth (英) n. 口」.
  370. munter a. 目が覚めている,快活な.原義は「注意深い」だそうです. 印欧祖語「*men- 考える」からですから,英語の「mean (英) vt. 意味する」とかと 同語源です. 「mahlen vt. 粉を引く」,「mill (英) vt. 粉を引く」
  371. musicieren musizieren vi. (複数の人間で)演奏する.
  372. Musik f. 音楽.楽団.ここでは楽団.
  373. muß ← müssen aux. must (英).
  374. mußt ← müssen aux. ~ねばならない.「must (英) aux. ねばならない」

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    N

  375. nach prep. ~へ,~の後から(to, toward, after).
    next, neighbor と n + 母音 + gの類の音 という並びは同じですね. 「aus は out 」 の巻を参照.
  376. Nachtmusik f. セレナーデ,小夜曲.nacht a. 夜の + Musik f. 音楽
  377. nachschrie p. ← nach (to) + schreien. 「schreien vi. 叫ぶ. cry (英) 叫ぶ」
  378. nahe a. 近い. prep. ... の近くへ. near (英).「nehmen 取る」とか 「nechst 次の」とか,「n + 母音 + gの仲間 は,なんとなく, 対象物への接近の感じがあります.neg- は否定なんですが,これも正面からの 接近と考えれば....まあ,こじつけですね.
  379. näherte p. ← nähern (再帰) 近づく,接近する. 実は,ひそかに私の考えているものの中に, 「n の怪しげな意味」と いうのもあって,その中に「接近」というのがあります. 英語の next, near ,ドイツ語の「nehmen vt. 取る」などがそれに あたります.「nahe a. 近い」,「Nahe f. 近く,付近」, 「nahen vt. 近づく」などあります.
  380. nahmnehmen
  381. näher (比較級) ← 「nah[e] a. 近い」.「nach prep. ~へ」と同語源.
  382. Natur f. 自然,本性.na- は「*gna- 生まれる」より.語尾-tur は 抽象名詞を作る語尾.
  383. neben prep. ~の隣に.
    もともと,(i)neben ← in ebani 同じように,一緒に. ebani は 「eben 平らな,ちょうど,even (英)」と同語源.
    という語源なんですが,覚え方はどうしましょう.in eben とかを ぼんやり思い浮かべるくらいですかね.
  384. nehmen vt. 取る(take),古い英語には nimman (取る) があったらしいけど, take に追い出されたとか. 「よく使われる動詞(1)」の巻を参照.
    ab|nehmen = take off = 取り去る,脱ぐ an|nehmen = take to ~ = ~を受け取る auf|nehmen = take ip = 取り上げる,受け入れる teil|nehmen = take part = 参加する unter|nehmen = take under = 企てる zu|nehmen = take to = 増加する
  385. nicht adv. 否定を作る副詞.~でない.
    語源小辞典には「ni- は否定」と書いてあります.語の形を見ると, -cht ですから,neg- で始まる動詞の過去分詞っぽい形をしています. 「negate (英) 否定する」などとも関連させて,あれこれと情報をリンクして覚えるのが良いと思います. もっともこの単語を覚えていない人はあまりいないでしょう.
  386. niemand pron. 誰も~ない.ni + je + man からだそうで. 「noman (英) 誰も~ない」と同じような作りですね.

  387. nimmermehr adv. 決して~しない.「nimmer adv. 決して~ない」 + 「mehr a. より多くの. adv. より以上の」.
    nimmer ← 「immer adv. いつも変わらずに,常に」は,je と mehr (の関連語)がくっついた形とか.ということは,nimmermehr の 後ろは,mehr mehr ですね.
    mehr は 「more (英) もっと沢山」を思い浮かべれば覚えやすいですね.
  388. noch adv. まだ.語源小辞典には 「nun (今) + h」 だとか書いてある. で,nun には13世紀から -n が付くようになったのでそれ以前は nu だとか.
  389. Noth Not f. 困窮,必要.「need (英) 必要」.Not と need は 母音が変わっているので,なかなか 同語源と見抜けませんね.Not が英語の not と 同じ綴りなのも対比を難しくしている原因でしょう.
  390. nun adv. 今(now (英)).さきに,noch のところで,nu に形成素の -n が付いたと言いました.印欧祖語で「*nu- 新しい」
  391. nur adv. ただ~だけ.古独 niwäre = ni + wäre = ...が無ければ

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    O

  392. oben adv. 上に.「ob prep. ~の上のほうに」,「offen a. 開いた」, 「über prep. ~の上方で」なども同語源.
  393. oder conj. または.or (英).古ドでは odo. これに他の似た ような種類の単語との類似で -r がついたとのこと.
  394. Ofen m. ストーブ.オーブン.「oven (英) n. オーブン」
  395. öffnete p. ← 「öffnen vt. 開ける」. 「open (英) vt. 開ける」
  396. oft adv. often (英).英語も oft という形があったみたい.英語の オンライン英語語源辞典には語源不詳と書いてある.

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    P

  397. paar pron. 若干の,僅かの.「pair (英) n. 一対,一組」. ドイツ語にも名詞としては「Pair n. 一対,一組」があります.
  398. Packan グリム童話 (独和対訳叢書) によると 「an | packen vt. ひっつかむ」をもじった猫のあだ名だそうです.でも, ここで最初に会っているのは猟犬なので,「猫」でなく 「犬」かな.どちらにしても,あだ名的な言い方なんですね.こういうところは 中々辞書だけでは分からないところですよね.
  399. packte p. ← 「packen vt. 詰める,しまう,くるむ」. 「pack (英)」
  400. Pauken ← Pauke f. ティンパニー.
  401. Perlen pl. Perle f. 真珠.「pearl (英)」
  402. Pferden ← Pferd n. 馬.ラテン語からだが,ちょっと 記憶の助けになりそうな話題を思いつかない.
  403. plitsch platsch ピチパチャ.擬音でしょうね.
  404. prophezeit pp. ← prophezeien vt. 予言する. 「prophesy (英) vt. 予言する」.「prophecy (英) n. 予言」, 「prophet (英) n. 予言者)から.pro- 前に + phet (*bha-) 言う.
  405. putzen vt. こすってきれいにする,毛づくろいをする.掃除をする. 語源小辞典には,「原義:よごれをとる」と書いてありますが,どうやって 覚えれば良いでしょう.方言の「Butzen 泥,よごれ」と関係ありとも書いてあります. よく分かりません.「払zen」とか,「払膳」とか.

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    Q

  406. quackt ← quaken vi. (カエルが)クワクワと鳴く.これは擬音からだと思います.
  407. quer adv. 横切って,斜めに
    中高ドイツ語で twerch ,これはラテン語の「torquere ねじる,まわす」と 同根だそうです.「トルク(英) torque」は理系の人だとある程度馴染みの深い単語 だと思いますが,その前の部分が落ちてるんですね.結果としてquer と torque とは que の部分しか 似た音がありませんが,これで我慢してください.

  408. Quere f. 横,斜め.
    J3 in die Quere kommen 人3のじゃまをする. quer を参照.

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    R

  409. Rand m. へり,ふち,周辺部.「Rahmen (独) m 枠」と同じ語根 *rem- からとのこと.
  410. rannte p. ← rennen vi. 走る. 「(英) run vi. 走る」と同根です.
  411. Rath Rat m. 助言.「動詞 raten (独) vt. 忠告する」から. 「read (英)」. 原義は「配慮する」.英語にも「rede vt. 忠告する」が あるみたい.語源小辞典には,明確に書いては無かったけど, 「rationale (英) n. 合理性」とかと関係あるみたい.オンライン 英語語源辞典にはどちらも印欧祖語の語根「*re- "to reason, count")」から と書いてあるので.
  412. rathschlagten = ratschlagten p. ← ratschlagen vt. 協議する.「Rat m. 助言,忠告」+「schlagen vt. 打つ,たたく.「slay (英) vt. 殺める,圧倒する」 」.
  413. Räuberhaus Räuber m. 盗賊,強盗 + Haus n. 家.Räuber は「robber (英) n. 盗賊,強盗」があるので覚えやすいでしょう.実は,私は,L の怪しげな意味と 同様に「R の怪しげな意味」というのを考えていて,そのうち整理したいと 思っているのですが,その中の基本的な意味に「奪う」,「かっさらう」, 「引っ張るように駆動する」といった イメージの一群があります.とくに
    「R + (母音列) + b/p/f/v」
    の形のそのような語が 結構ありますので,一応気にしておくと単語の記憶の助けになると思います. 「drive (英) vt. 駆動する」,「trap (英) n. 罠」, 「harvest (英) n. 収穫」などです.d- や t- は de- の前つづりの なれのはて,ha- は ge- のなれのはてと思えば,意味的にはそれぞれの単語の 意味と繋がります.「rauben vt. 奪う」は,前つづりや その成れの果てなどがくっついてない純粋な形の「奪う」です.まあ,ここらあたりは, まだ,内容も未整理な私の怪しげな語源学のお話なので,そんな感じの単語群を まとめてとらえる便法ととらえておけば良いかなと思います.
  414. recht a. 右の,正しい,ちょうど.right (英).
    これは英語の単語を覚えるときさんざんやる reg- の語根と同じですね. reg- は印欧語の全般に現れる「統治する」とか「征服する」とか 「平定する」という意味の語根です.結構,荒々しいイメージです. 「rich (英) 豊か」は征服者の富の状態ですね. ものすごく沢山関連語がありますので,もし,ご存知なければ, 英語の語源関係の本を調べるか, オンライン英語語源辞典で right を調べて,そこから関連語を探して見ると 良いと思います.ここでも項目を起こしてやるかもしれません.
  415. Regen m. 雨.「rain (英) n. 雨」.語源小辞典によるとゲルマン語特有の 語だそうです.
  416. Regenwetter n. 雨天.Regen m. 雨 + Wetter n. 天気.
  417. Reich n. 帝国,領域.「reich a. 裕福な」も同語源. 語根「reg- 支配する」から.これと同語源のものは, 英語にも,region, rich, regulation, right など多数.
  418. reinen ← 「rein a. 清らかな,純粋な」.原義は「ふるいにかけられた」.
  419. Reißaus m. 「nehmen Reißaus」 で「逃げる,トンズラする」. 「reißen vt. 破る,引き裂く」を参照.
  420. reißen vt. 破る,引き裂く.語源小辞典には「古代ゲルマン人は木片・石にルーン文字を 刻み込んで書いたので,原義が英語の write に残っている」と書いてありますが, ちょっと意味が離れてしまい,記憶の助けにはあまりならないように思います. 「reizen vt. 刺激する,魅了する」も同語源みたいなので,意味が近くて r から 始まっている語としては「rip (英) vt. 引き裂く」がありますが,こちらは --p なので あまりふさわしくないですね.何か記憶に役に立ちそうな語があれば書くかもしれませんが, とりあえず,もともとの r は荒々しい音だということ位をイメージの足しにしておきます.
  421. rennen vi. 走る. 「(英) run vi. 走る」と同根です.
  422. Richter m. 裁判官.「right (英) a. 正しい」人.
  423. rief p. ← rufen vi. vt. 叫ぶ,呼ぶ.
    語源小辞典では「Ruhm m. 名声」と同根とのこと.擬音語起源か?と 書いてあります.まあ,記憶のためには, 語源的なつながりがあるかどうかは別として, 「rumor (英) うわさ」から連想すればよいでしょうか.また, 「Beruf m. 職業」というドイツ語の名前をつけたリクルート社の 就職情報の雑誌がありましたから,そこから覚えてもよいですね. この単語は神から人間への呼びかけの意味でルターにより,ラテン語からの 翻訳の時に作られた造語みたいです.

    また,これは,某就職情報雑誌の名前 「Beruf m. 職業」の ruf で,これが「berufen vt. 招へいする,任命する」=「be- + rufen vi. 呼ぶ」 から作られたことを知っていれば,比較的記憶に残りやすいと思います.

  424. Riese m. 巨人,大男.
    語源はよくわかりませんが,「rise (英) 立つ」くらいから連想させると 覚えやすいかもしれません.
  425. rollte p. ← rollen vi. 転がる,回転しながら進む.roll (英).
  426. rot a. 赤い.「red (英) a. 赤い」.
  427. Rothkopf = Rotkopf= rot a. 赤い + Kopf m. 頭.
  428. Rücken m. 背,背中.「Rucksack m. リュックサック.あれ,ü でなく u なんだ」.ついでに,「rück- (前つづり) もとにもどって」を覚えて おくとよいですね.英語の re- みたいなものでしょうか.
  429. Ruhe f. 休息.「Rast f. 休息」とも同根.「rest (英) n. 休息」.
  430. ruhig a. 静かな.「Ruhe f. 休息,静止」から. 動詞は「ruhen vi. 休む」.「rest (英) vi. 休む」と似ているので, 関連させて覚えると良いと思います.語源的には同根かどうか私は知りません. あるいは,「だるーいっ日(ruhig)は少し静かに休みましょう」とかどうでしょう.ただし,意味を「だるい」と間違えないようにしてください.「静かな」ですからね.

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    S

  431. Sache f. 物,事柄.(英 sake (for the sake of ...)). もともと訴訟という意味だったみたいで,裁判所で争われる「事柄」から,一般的な 「事柄」,そして「物」という意味で使われるようになったとのこと.語源小辞典には 「suchen vt. 探す」と関連があると書かれています.でも,語源的には分かりませんが 音的には「sagen vt. 言う」も記憶の助けになりそうですね.
  432. Säcke pl. ← Sack m. 袋.「sack (英) n. 袋.」.
    実は,最初,間違えて「Sache f. 事柄,物」を調べてしまったので,せっかくなので そちらも載せておきます.
  433. sagen vi. 言う.「say (英)」.g (独) ↔ y (英).
    「wichtig は重さ (weight) があり,とても重要」の巻を参照.
  434. sagte p. ← sagen vi. 言う.「say (英)」.
  435. sah p. ← sehen vt. 見る.see (英).ゲルマン語特有. オンライン英語語源辞典で see を調べると,*sekw- (1) "to follow" と 書いてあります.sequel 参照だそうです.ということは,se-の後ろに g の 仲間があった形の可能性があるということですね(sehen の h が単に長音の 記号なのかどうか).
  436. sank p. ← sinken vi. 沈む.使役形は senken.
    「sink (英) vi. 沈む」.
  437. saß p. ← 「siztzen vi. 座っている」.
  438. satt a. 満腹の.「satisfy (英) vt. 満足させる」と同語源.
  439. schaffen vt. 創造する,生み出す,創作する. 「shape (英) 形, 形作る」.ラテン語の 「scabere 削る」と同根. 「landscape (英) 風景」の -scape は,-ship の 意味で,shape を表します.

    vt. 成し遂げる.作る.創作する.「shape (英) n. 形」. aus dem Futter zu schaffen = 餌を与えないようにする → 殺す

  440. schaute p. ← schauen vi. 見る,眺める. schimmern のところで言った,sch- で始まる 「光る,見る」に関連する単語の一つでしょうか.
  441. Scheiben f. 円形の板.窓ガラス.
  442. scheine ← scheinen vi. 輝く,~のように見える.「shine (英) vi. 輝く」.
  443. Schelm m. いたずら好きな人,ひょうきんもの.
  444. schicken vt. 送る.原義は「合わせる,整える」で, 「geschehen vi. 起こる」と同根だそうです.知ってたからと言ってあまり記憶には 役に立たないかもしれませんが.
  445. schieb (命令法) ← 「schieben vt. 押す」.「shove (英) vi. 押しのける」.

  446. schienscheinen vi. 輝く.shine (英)
  447. schimmern vi. かすかに光る, かすかに見える.うーん, 語源は分かりません.「新芽がかすかに光るん」とかダメでしょうか.sch- で 始まる語にも schein とか光る関係の語があるので,何かそれらでつながりが あるのかもしれませんが,とりあえず覚えるという目的のためには,これで.

  448. Schlaf m. 睡眠.「schlafen vi. 眠る」.「sleep (英) vi. 眠る」.
  449. schlafen vi. 眠る.sleep (英) .
  450. Schlafstätte = Schlaf m. 眠り + Stätte f. 場所. 「Stätte f. 場所」は,「statt prep. ~の代わりに」と同語源.英語の 「stead n. 代わり」も同語源.

  451. Schlag m. 一撃.「schlagen vt. たたく」.これは「slay (英) vt. 殺める」を思い浮かべれば覚えやすいですね.Dragon slayer の slay です.

  452. schlagen vt. 打つ,たたく,殴る.slay (英) .g (独) ↔ y (英). 「wichtig は重さ (weight) があり,とても重要」の巻を参照.
  453. schlägst ← 「schlagen vt. 叩く」.
  454. schlecht a. 悪い.「slight (英) a. わずかな」.語源小辞典によると, 「平らな」が原義で,「平らな→単純な→価値の低い→悪い」と意味変化したと書いてある.私の怪しげな語源学では,「schlagen (独) vt. 打つ」, 「slay (英) vt. 殺す」の過去分詞と思うことで,「平らな」も「悪い」も比較的容易に連想できるような気がします.ここらあたりは,L の怪しげな意味のところに書きました.
  455. schließen vt. 閉じる.close (英). 本論 「Schließen」の巻 を参照.
  456. Schließlich adv 最後に.-lich は英語だと like です.「Algol-like な言語」などは計算機屋さんにはおなじみの用語ですね. ドイツ語の ch は k とかなり関係の深い音です.
  457. Schlosse 3格 ← Schloß n 錠,城.おー! でてきましたね. 本論で 一番最初に勉強した城ですね.close と同根ですが, 城(なまって,しゅろ)と覚えても良いかもしれません.

    追記:2020.11.07 (土)
    これが Schloß からSchlosse と,語尾に -e が付いているのは, 名詞の古い格変化みたいです.単数の男性・中性名詞で3格に -e の語尾を つけることがあるらしいのですが,現在は殆ど省略されるみたいです. これは日本のコンパイラの草分けみたいな I. NKT 先生に,このサイトを 紹介したときに聞かれて,今日,調べました.私も気になっていたのですが 放っておいたものです.それまで, ここの見出しは Schlosse ← Schloß となっていて,「3格」は 入っていませんでした.

    「基礎ドイツ語文法ハンドブック,岡田公夫 清野智昭, 2004」によると このような男性・中性名詞の3格の -e は,20世紀前半の小説などには普通に見られて,今でも, nach Hause 「家へ」などに残っているとのことです.

  458. schlug p. ← schlagen vt. 打つ,殴る,打ち負かす.
    前にやった L の怪しげな意味のところに出ましたね.
  459. Schluß m 終わり(close です). 本論 「Schliesen」の巻 を参照.
  460. Schlüssel m 鍵 (-el は道具の接尾語)
    本論 「Schliesen」の巻 を参照.
  461. Schmerzen pl. ← Schmerz m. 痛み.「smart (英) a. 気の利いた」 と同語源.smart の原義は,「苦しい,厳しい,鋭い痛みを生じる」といったものだったようです.印欧祖語「*mer- 傷つける」が想定されています.
  462. schneiden vt. (刃物で)切る.参考「Schneider (独) m. 仕立て屋さん」
  463. schon adv. すでに.schön の副詞形から,らしい. 「美しい → 完全に → すでに」と変化していったらしい.ちなみに, schön は英語の 「shine (英) vi. 輝く」と同語源です.
  464. schön a. 美しい.shine (英語)
  465. schrecken vt. 驚かす.原義は「飛び上がらせる」とのこと. どうやって覚えたらよいでしょう? 「手裏剣(schrecken) を投げて驚かす」かなぁ.でも,原義が 「飛び上がらせる」ということはドイツ人も驚いたら,飛び上がるのね.

  466. schreistschreien vi. vt. 叫ぶ.うん,なんか「叫ぶ」が 続いているような.これが我々に一番なじみのある「叫ぶ」ですね. 「scream (英) 叫ぶ」,最初の s- が取れて,「cry (英) 叫ぶ」.s- は 要らないなら,「叫ぶ」の意味を支えている部分は,「-cr-」の部分で しょうかね.それで,-c- も接頭辞だったりすると,-r- の部分という ことになります.そうすると上の rufen に関係があるのかなという 勘ぐりが始まります.でも,-r- が「叫ぶ」だと 「rennen vi 走る」, 「run (英) 走る」はどうなるのだということになります.以上,とんでも 語源学の妄想でした.とにかく,ここは,scream (英)cry (英) としっかり結び付けて覚えましょう.

  467. schwächer ← schwach a. 弱い.「schwingen (独) vi. 揺れる」, 「swing (英) vi. 揺れる」と同語源で,「よろめく」から来ているとのこと.
  468. schwarzes ← schwarz a. 黒い.「swarthy (英) a. 皮膚が浅黒い」と同語源で,ラテン語「sordes 汚れ」と同語源らしい.古い英語に一応,「swart (古英) a. 浅黒い」があります.
  469. schwätzt ← schätzen (南部)= schwatzen vi 楽しくお喋りをする.
    すみません.私には語源は分かりません.
  470. Schwefelhölzchen ← Schwefelhölz n. 硫黄マッチ. 「Schwefel m. 硫黄」.「Holz n. 木材,まき」.一応,古い英語に 「holt (英) n. 森,林」がある.英語の語源辞典では, 印欧祖語「*kel- 打つ,切る」からと説明されています.
  471. seiden a. 絹の.「Seide f. 絹」.8世紀ころのラテン語から らしい.「silk (英) 絹」とは別系統.
  472. selber pron. 自分(自身).self (英).selp (中期ドイツ語) の 強変化男性1格が固定化したものとのこと.
  473. setztesetzen vt. 座らせる.set (英).
  474. sicher a. 安全な, adv. きっと.「secure a. 安全な」.ちなみに, secure = se- (free from) + cure (care).つまり,「心配から離れて」.
  475. sichersten (形容詞の最上級) ← sicher a. 安全な. 直前の am は,形容詞の最上級を述語的に使うときにはつけないといけないらしい.
  476. sies sie's = sie es
    "aber man sah wohl daß sies nicht gerne that"
    = "aber man sah wohl daß sie es nicht gerne tat"
    英語に逐語置き換えすると
    "but, man saw well that she it not willingly did"
  477. sitzen vi. 座っている.「sit (英) vi. 座る」. s-t という並びの語(- は母音があることもあるしないこともある)は,座るとか 立つとか,そこに居るという意味の語が多いです.
  478. sitze ← sitzen vi. 座る.「sit (英) vi. 座る」.
  479. so adv. そのように.「so (英) adv. そのように」
  480. soll ← sollen aux. shall, should, ought to.
  481. sollte p. ← 「sollen aux. ~しなければならない」. 「shall (英)」.
  482. Sonne f 太陽 son (英) 語源小辞典には印欧祖語語根 *su に形成素 -n が ついたものとか書いてある.これと並んで -l という形成もあるとか. フランス語の Le soleil とかですかね.
  483. sondern conj. ~ではなくて.語源はよくわかりませんが, なんとなく,「ander a. もう一方の」に意味と音が似ているので, それに何かの s が付いたくらいの連想をしておくと良いかもしれません.

  484. Sonntag m. 日曜日.「sunday n. 日曜日」.
  485. Spaß m. 冗談.17世紀にイタリア語の「spasso 気晴らし」から 来たらしいです.spasso はラテン語の「expandere 伸びる」からとのことですから, 英語の「expand vi. vt. 広がる」の先頭の音が少し無くなったと思ったらよいですね.

  486. spielespielen vt. 遊ぶ,演奏する. 「play (英) vt. 遊ぶ,演奏する」.語源不詳らしいので,play と同語源か どうかは分かりませんが,ヨーロッパの言語ではしばしば, 先頭の s が落ちている意味の似た語の対が見つかります.
  487. Spielkamerad m. 遊び友達(の男の子)
    「Spiel n. 遊び」 + 「Kamerad m. 仲間」.「Kamera f. カメラ」が もともと「部屋」から来ているのですぐ上の 「Saal (広間)」→ 「Geselle (職人,友達)」と同じような作りの 語ですね.こちらはフランス語経由みたいです.

  488. Spielleute n. Spiel n. 演技,演奏,遊戯 + Leute pl. 人々. Spiel はspielen vt. 遊ぶ,演奏する を参照.
    「Leute pl. 人々」は,印欧祖語「*leudh- 成長する」が語源で, 原義は「成長,子孫」らしいです.「lang a. 長い」とかもしかしたら 大きくなるというような意味を含んでいるかもしれませんし,「alt a. 古い,老いた」の原義は「成長する」ですが,ここの-l-の部分なのかもしれません.

  489. Spielwerk = Spiel(play (英)) + Werk (work(英)) 遊び. 「Spiel n. 遊び(play) ← spielen vi」は,語源小辞典によると 語源不詳らしい.ゲルマン語でも,splielen は,play (英),lege (デンマーク), leke (ノルウェイ)と異なっていると書いてあるが,play の y を g と とると,l-g の部分は共通項のような((独)にはないが).
  490. spien p. speien vi. 唾を吐く.英語の「spit (英) n. 唾」は t が無いのですが,まあ似てると言えば似てますね.また,「spew (英) vi. 吐く,反吐を吐く」という単語もあります.
  491. spinne ← spinnen vt. (糸を)つむぐ.vi. 糸をつむぐ. (方言)猫がゴロゴロ喉をならす.つむぎ車の音からなんでしょうか. 「spin (英) vi. 紡ぐ」.
  492. Spitze f. とがった先,先端.「spitz a. とがった」. ラテン語「spina とげ」と同根らしいのですが,英語に入っているものとしては「spine (英) n. 背骨,とげ」,「spike n. vt. 大釘(を打つ)」が同根のようです.

  493. sprang p. ← 「springen vi. 跳ぶ,跳躍する」.「spring (英) vi. 跳ぶ,跳ねる」.
  494. sprechen vi. 話す,しゃべる.「speak (英) vi. 話す,しゃべる」と 形も意味も似ているので覚えやすいと思います.speak で r が落ちているのが 気になって,英語の語源辞典の speak を調べて見ると, 英語では 12C 位から r が落ち始めたらしいです.記録が残っているならそうなんでしょう.
  495. Stadtmusikanten Stadt f. 都市 + Musikant m. 楽士, 音楽家
    -ant は男性弱変化名詞を作る語尾.
  496. stand p. ← stehen vi. 立っている.「stand (英) vi. 立つ」
  497. stechen vt. vi. 刺す,突く.「stick (英) vt. 突く」.
  498. steigen vi. 登る.「stay (英) g ↔ y」
    hinunter steigen で「潜る」でしょうね. 「よく使われる動詞(1)」の巻を参照.
  499. stellen vt. 立てる.印欧祖語「*stel- 立てる」.
    her|stellen = 製造する.vor|stellen = 紹介する.
  500. stellte p. stellen vt. 立てる.印欧祖語「*stel- 立てる」.
  501. still a. 静かな.「stellen (独) vt. 置く」,「Stall (独) m. うまや,家畜小屋」と同根とのこと.
  502. Stimme f. 声,意見.なんで「声」なんだか良く分かりません. 英語で綴りの似た単語としては「stimulate (英) vt. 刺激する,促す」がありますので, 促す「声」なのかなぁ? なんにしても,これを 覚えるときの関連語として次の二つは覚えておいた方が良いと思います.
    1. stimmen vt. 調子を合わせる.vi. 一致する.もともと「叫ぶ」だったが, 16世紀から「一致する」になった.

    2. Stimmung f. 気分.「Stimme f. 声」より,「stimmen vt. 調子を合わせる」に近いですね.

  503. Straußfedern 「Strauß m. ダチョウ」+ 「Feder f. 羽,羽毛 「fether (英) 羽」」. Strauß は,「ostrich (英) n. ダチョウ」と同語源らしい.
  504. streckte p. ← strecken vi. (体あるいは体の一部分を)まっすぐ伸ばす.
  505. Stube f. 部屋.
  506. stürzten p. ← stürzen vi. 落下する,突進する. vt. 突き倒す.「starr a. 硬直して」と同語源とのこと.こちらは, 「star (英) n. 恒星」が動かないものなので,なんとなく分かりますが, こちらの「突き倒す」とは繋がりにくいですね.「stir (英) vt. vi. 動かす,動く」の方がまだイメージが近いような.
  507. suchen vt. 探す (seek, search).
    auf|suchen = search up = 訪れる untersuchen = search under = 調査する versuchen = search forward = 試す,やってみる
  508. Stück n. 断片,一部分.「stock (英) n. 在庫品、」
  509. Stuhl m. 椅子.「stool (英) 椅子,足台」. 印欧祖語で,「*sta- 立っている.(正確には a は上に飾りがついている)」だそうです.
  510. stumpf a. にぶい,切れ味のなまった.表面がざらざらした.光沢のない. すみません.これは語源も覚え方も思いつきません.
  511. Suppe f. スープ.「soup (英) n. スープ」.

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    T

  512. Tafel f. 板,表,食卓,テーブル.「table (英) テーブル」.
  513. Tal n. dale(英) 谷
    dale があまり馴染みのない単語だったりするので,これは独英両方 一度に覚えるのが良いのでしょう. 本論 「Doch (独) は though (英)」 の巻 を参照.
  514. taub a. 耳の聞こえない deaf(英).
    b と f が仲間であることも思い出しながら覚えます.
  515. tauchen vi. 潜る. duck(英).
    でもアヒル(duck)はドイツ語で Ente f. なんですよね. これはラテン語の anas (duck) と 同根らしいです.. 本論 「Doch (独) は though (英)」 の巻 を参照.
  516. tauchte ← tauchen vi. 潜る. 「Doch (独) は though (英)」 の巻のところで やりましたね.「duck (英) あひる」と同語源の語です.
  517. Teil m. 部分 deal(英), deal of たくさん.
    本論 「Doch (独) は though (英)」 の巻 を参照.
  518. Tellerlein Teller + -lein.「Teller m. 皿」はロマス語かららしい. 原義は肉を切り分けるための板とのこと.「切る」なんだけど,これは身近なところに うまい同語源の単語を見つけられないので,とりあえず,このまま覚えるしかないかな.
  519. that tat p. ← 「tun vt. する」.「do (英) vt. する」. 一瞬,英語の that と見間違えますね.
  520. thäten = täten ← tat p. ← tun vt. する, 行う (do (英)).
  521. theuer teuer a. 高価な.「dear (英) a. 高価な.t (独) ↔ d (英)」.
  522. Thiere = Tiere pl. ← Tier n. 動物. 「Doch (独) は though (英)」 の巻 を参照.「dear (英) n. しか」.
  523. Thor = Tor n. 門.「door (英) n. 門. t ↔ d」
  524. Thür Tür. 本論 「Doch (独) は though (英)」 の巻 を参照.
  525. Thüre =Türe ← Tür f. ドア.「door (英) n. ドア」.
  526. tief a. 深い. 本論 「Doch (独) は though (英)」 の巻 を参照.
  527. Tier n. 動物. dear(英語)しか. 本論 「Doch (独) は though (英)」 の巻 を参照.
  528. Tisch m. 机 desk(英).dish, disc (sch (ドイツ語)-sc(英語)の例). 本論 「Doch (独) は though (英)」 の巻 を参照.
  529. Tischlein n. 小型のテーブル.-lein は小さいものを表す接尾語.「Tisch m. 机」は Desk や Disc をイメージ.
  530. Töchter pl. ← Tochter f. daughter
  531. Tod m. 死. death(英).
    本論 「Doch (独) は though (英)」 の巻 を参照.
  532. todt schlagen グリム童話 (独和対訳叢書) には, 「tot|shlagen vt. 打ち殺す」 と書いてあります.あと,wollen todt schlagen の wollen の位置は,ここではなく文末に置くのが正規の文法で,ここは 口語的な言い方になっているそうです.これは 使えるものを総動員してドイツ語単語を覚える (2) の中の読みものの話です.
  533. Tor n. 門.「door (英) n. 門. t ↔ d」

  534. tot a. 死んだ. death(英.
    本論 「Doch (独) は though (英)」 の巻 を参照.
  535. Tor n. 門 door(英).
    through と作りと意味が似てますね.もっとも, 最後の-gh に対応する部分は Tor にも door にも ありませんので,似ているのは最初の2つの子音だけですけど. 本論 「Doch (独) は though (英)」 の巻 を参照.
  536. tun vt. する, 行う (do (英)).
  537. Tür f. 戸 door(英)
    through もこの類の語のような気がしますね(^_^). 本論 「Doch (独) は though (英)」 の巻 を参照.
  538. trage tragen vt. 持ち運ぶ.あれ,これは, zu|tragen ですでにやったのかな.もう一回やりますか.少し情報を加えて.

    同語源の単語に「draw (英) 引っ張る」があります.ちなみに,英語で,「d の仲間 r」の形でこのような 意味のある単語は数多く存在します.「腕をくいっとねじる様な動作」を伴う 行為を表す言葉が多いです.「throw (英) 投げる」,「drive (英) 駆動する」, 「drift (英) 漂流する」これは drive の過去分詞の形をしているので, 「強引に嵐などにdrive されたと」いう感じですかね.「trap (英) 罠にかけて 捕まえる」なんかも,「捕まえる」部分は draw のイメージがあります. 実は,先頭は 「d の仲間」にかぎりません.「scribe (英) 書く」も,もとは 引っかくという意味ですから,これも腕をくいっとねじる様な動作です. 実は「write (英) 書く」もそういう子音構成になっています.「grip (英) 握る」も そうですか.ここらあたりは, 私的には L の怪しげな意味のとんでも語源学に 続いて, R の怪しげな意味のとんでも語源 があるのですが, これはここに書くかどうかはまだ決めていません.こういうのはとにかく怪しいので 信頼性を低下する上にノウハウの公開にもなってしまうので,実は踏んだり蹴ったり の状況を招きかねないのです.でも,ドイツ語でも,d の仲間の次に r が来る 語,つまり, dr-, tr- ,あるいはd や t の後に多少母音が入ったものも含めて, このような意味を持つ単語は多いですから,辞書をずっと追って行くと ドイツ語単語の習得には役立つと思います.

    (補足)tragen の覚え方

  539. Traurigkeit f. 悲しみ.「traurig a. 悲しい」 + 「-keit 名詞を作る語尾」.traurig は「dreary (英) a. わびしい,もの寂しい,退屈な」と同語源.dready は 英語のオンライン語源辞典を引くと,もともと「cruel, bloody, blood-stained」と 書いてあります.「血の滴り」だったみたいで,drip とも関係するとのこと.怖いですね.
  540. treue treu a. 忠実な.原義は「しっかりした,信頼のおける」. 「true (英) n. 真実」も同語源.
  541. Trinken n. 飲み物.← trinken vt. 飲む.「drink (英) vt. 飲む」.
  542. trinken vt. 飲む.「drink (英) t ↔ d」
  543. trocken a. 乾いた.「dry (英) a. 乾いた.vi. vt. 乾く.」. g, k, ch (独) ↔ y (英) を考えると音もあってますね.
  544. trocknen vi. 乾く.「dry (英) a. 乾いた.vi. vt. 乾く.」. 「trocken (独) a. 乾いた(dry)」. g, k, ch (独) ↔ y (英) を考えると音もあってますね.
  545. trösten vi. 慰める,元気づける.
    「Trost m. 慰め,慰安」から.「trust (英) 信頼」.うん, これは連想しやすい英単語ですね.

    少しシチュエーションが分かりにくいですね.

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    U

  546. über prep. adv. ~の上に,上に.up (英), over (英).
  547. überall adv. いたるところ.über (over) + all (all).
  548. übernachten vi. 夜を過ごす.night over.
  549. übrig a. 残りの,余りの.「über (überall adv. いたるところ)」で「ありふれた」という意味から.

  550. um prep. (4格) まわりに; 時に; [ラ] ambi-, [ギ] amphi と同根.後ろの部分は bei, beide と同根とのことですが,ドイツ語の方にその後ろの部分が見えないので この説明は何だという気がします.

  551. um|drehte p. ← um|drehen vt. 回転させる.「um- 周りに」 + 「drehen vt. 回す」.印欧祖語「*ter- 刺し通す,こする(火を起こすために)」だそうです.「turn (英) vt. 回す」.
  552. Ungethüm = Ungetüm n. 化け物.
  553. um | sah p. ← um|sehen (再帰4) 見回す.um (周り around) + sehen (see) = see around.
  554. untauglicher ← 「untauglich a. 役に立たない」. 「tauglich a. 役に立つ」.「taugen vi. 役に立つ」.私は これの語源はよく分かりません.音の並びは,英語の 「tough a. 強い」に 似てますからこれで我慢しておこうかなと思います.
  555. untersuchen vt. 調べる.unter (under) + suchen (seek).
  556. unverdrossen a. 熱心な,くじけない., adv. の用法もある.
    verdrossen pp. ← verdrießen vt. 不機嫌にする,怒らせる. ver- は「過ぎ去って,代わりに」ですが,まあ,「行った,過ぎた」という意味です. dießen という単語は見つかりませんでしたが,「drohen vi 脅かす」, 「dreschen vt. 脱穀する,叩く」など,他人に対する何らかの強制の意味を持つ 単語がいくつか見つかります. 「drive (英) vt. 駆動する」,「drift (英) vi. 漂流する,運ばれる」で,dr- で 「何か力をかけて動かす」という意味がありそうです.私独自の怪しげな語源学ですが.
  557. unter prep. adv. ~の下へ(under, down)
    「unter|brechen = break down = 妨げる,遮る,中断する」. -ch- と -k- の対応に注意
  558. ur-/er- 結果,終着を表す接頭辞.ur- がアクセントを失ってできた形.aus と同根. ちなみに,集合論で,集合で無い要素のことをアトムという.このアトムのドイツ語対応語はUrelement = Ur-Element.「∈ を繰り返し取っていき,もう要素が取れなくなった究極の要素」のことか.

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    V

  559. ver- 過ぎ去って,代わりに(前つづり). 本論 「『フェリー(Fähre f)』は進む」の巻 を参照.
  560. verachten vt. 軽蔑する.「achten vt. 尊敬する」の 「ver- (過ぎ去って)」で,その対の「軽蔑する」.
  561. verdienen vt. 稼ぐ.(報酬を)得る.ver-(帰結を表す前つづり) + dienen (奉仕する) = 奉仕した結果得る.
  562. vergessen vt. 忘れる.「forget (英) vt. 忘れる」
  563. verlangte p. ← 「verlangen vt. 要求する」.
    「long for」という感じでしょうか.
  564. verschwand p. ← verschwinden vi. 見えなくなる,消える.
    ver + schwinden.「schwinden vi. 減少する,色があせる」.関係があるか どうかは分かりませんが,「(1)winden vi. 風が吹く」, 「(2)winden vi. 身をくねらせる,曲がりくねる, 巻き付ける(bind (英))」もあげておきましょう.
  565. versprichst ← 「versprechen vt. 約束する」.
    versprechen = ver-(forward) + sprechen (speak)
    = speak forward 約束する.
    私は,sprechen (独) と speak (英) は r の有無がとても気になるのですが, 語の形は記憶に残る位に似てますので覚えるという意味では良しとしましょうか.
  566. verstand p. ← verstehen vt. 理解する.「understand (英) vt. 理解する」と対応なんですが,「vor 前 ↔ under 下」は妙な対応ですね.
  567. verstehst ← verstehen vt. 理解する.ver- 前に + stehen 立つ = 理解する.
  568. verstehst ← verstehen vt. 理解する.ver- 前に + stehen 立つ = 理解する.
  569. verwandelt pp. verwandeln vt. 変える,変化させる. 「wandeln vt. 変える」なので,ver-は単に強調の意味ですね. 「Wandel m. 変化」です.私はこれの語源は分かりません.
  570. verwunderteverwundern vt. 驚かせる.
    ver + wundern .Wunder n. 奇跡,不思議. wonder (英).ということは, verwundern = ver + wundern = make (someone) wonder forward(ver much?) のように考えたら,連想が利く記憶になるかなと思います.
  571. verwünscht ← verwünschen vt. 呪う. 「wünschen vt. 望む,願う」.「」Wunsch m. 望み」. 「verachten vt. 軽蔑する」↔「achten vt. 尊敬する」など, ver- がつくと反対の意味になるのが多いですね.
  572. vielesfiel a. 多くの.
    ラテン語系の pol- と同根.voll も同根. おっ! voll や pol- とつながるのはこれは耳寄りな情報ですね. 意味と音で近いし,沢山,関連する単語がありますし.
  573. voll a. いっぱいの.「viel a. 多数の」,「pol- ラテン語の語根,多数を表す」と同語源ですね.
  574. vollem ← voll a. いっぱいの,満杯の.「full (英) a. いっぱいの,満杯の」.「viel (独) a. 沢山の」.
  575. von prep. ~から,~の.語源不詳だそうですが,vor とか für の 逆方向っぽい感じがしますから,それで覚えておくと良いのではないかと思います.
  576. von weitem 遠くから.von (from) + weitem (wide).
  577. vor- 前に(前つづり). 本論 「『フェリー(Fähre f)』は進む」の巻 を参照.
  578. vor prep. ~の前に.adv. 前に. 本論 「『フェリー(Fähre f)』は進む」の巻 を参照.
  579. vorbei adv. そばを通って.vor adv. 前を + bei そばを.
  580. Vorderfüßen pl. Vorderfuß m. 前足.「vorder a. 前の(vor)」+「Fuß m. 足(foot (英))」
  581. vor|haben vi. 計画する,企てる,予定する. 「vor adv. 前に」 に「haben vt. 持つ」 ですから,将来の何かを持つということで計画するんでしょうね.
  582. vor | legen vt 提示する.
    lay(legen) forward(vor) 少し先走ると,g と y はヨーロッパの中の言語間,言語内で 置き換わっているように見える場合が多いです.これは次の次に やる予定です. <-> vor | liegen vi 手元にある,提示されている.
    本論 「『フェリー(Fähre f)』は進む」の巻 を参照.
  583. vorlieb|nehmen vi. ~で我慢する.「Vorliebe f. 偏愛」. vor- 前に, 優先して + lieb a. 愛する.
  584. Vormittag m 午前.before(vor) noon(Mittag) .
    本論 「『フェリー(Fähre f)』は進む」の巻 を参照.
  585. vor | nehmen vi もくろむ,決心する, vt 取り組む.take(nehmen) for(vor).
    本論 「『フェリー(Fähre f)』は進む」の巻 を参照.
  586. Vorschlag m. 提案.「vor- 前に + schlagen vt. 打つ,殴る,たたく.」だが,schlagen をもう少し穏やかに「置く」くらいの意味にとると,「提案」の意味が見えてくるように思います.
  587. vor | sehen vt. もくろむ,予定する.see(sehen) forward(vor).
    本論 「『フェリー(Fähre f)』は進む」の巻 を参照.
  588. vor | ziehen vt. より好む,選ぶ.draw(ziehen) forward(vor) .
    本論 「『フェリー(Fähre f)』は進む」の巻 を参照.

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    W

  589. Wagen m. 車.「Weg m. 道」,「wagon (英) n. 荷馬車」も同語源.
  590. Wald m. 森.
    「wold (英語) 有れた土地」と同語源と語源小辞典に書いてありますが, wold はあまりなじみがない単語ですので,wild (英) と連想しておきましょうか.オンライン英語語源辞典には,wild の方は語源不詳だが,たぶん,wold と関係あるんじゃないかと書かれているので.

  591. Wand f. (室内の)壁.「wand (英) 魔法の杖」とも同根.また, 「winden vt. 巻く,編む」とも同根で,「編んだもの」という意味.ドイツの室内の 壁は編んで作ってあるのでしょうか.
  592. ward p. ← 「werden vi. ~になる.aux. ~だろう.受け身を作る」. 印欧祖語「*wer- 回す」.
  593. warfwerfen vt. 投げる.「warp (英) ゆがめる」が同語源. 印欧祖語「*wer- まわす」
  594. warme ← warm a. 暖かい.「warm (英) a. 暖かい」.
  595. warst ← ware p. ← sein vi. 存在する,ある.
  596. Warte ← 「warten vi. 待つ」.r が気になりますが, 英語の「wait vi 待つ」を十分連想できますので,これから連想することにしましょうか.
  597. waschen waschen vt. 洗う.「wash (英) vt. 洗う」.「Wasser n. 水」と同根.
  598. Wasser n. 水.water (英).印欧語根 *wed-, *wod-, *ud-.
  599. Wasserpatscher Wasser + patscher.「かえる」のことを 言っている.patschen vi. ぱちゃぱchと音を立てる.うん,これは 擬音語で良いと思います.
  600. Weg m. 道.「wichtig は重さ (weight) があり,とても重要」の巻の中の説明を参照.
  601. Weh n. 悲しみ,苦しみ.weinen を参照.
  602. wehte → wehen vi. (風が)吹く.この現在分詞が「Wind m. 風」.
  603. weil conj. なので.「while (英) conj. ~している間に」
  604. Weilchen n. 少しの間.← 「Weile f. しばらくの間.while (英)」+ -chen (小さいものを表す接尾語)
  605. weinen vi. 泣く.語源小辞典によると 「weh (独) 痛い,悲しい(感嘆子,自然の発声から)」から,「wenig (独) a. 少ない(悲しいほど少ない)」も 同語源と書いてあるが,本当にそうなんだろうか.心なしか,西洋の言葉で オノマトペが直接感じられる単語が少ないような気がするので,私は,若干,本当かな という疑問が浮かびます.でも,単語記憶のために使うことにしましょう. 信じているかどうかと,使う使わないは別です. ちなみに,英語にも 「whine (英) vi 泣く」と いう単語があるんですよね.

    実は私,定年の5年前に自己都合退職したので,退職金が 泣くほど少なかったんですよ.まさに,wehnig ですよ.これは本当の話.

  606. weißt ← 「wissen vt. ~を知っている」. これは,印欧祖語「*wid- 見る」から. 英語では,view とか vision とかがこのような単語です. 他に,「weisen vt. 指し示す」も同根.
    「Weißt du was」は,グリム童話 (独和対訳叢書) によると「ところでね」くらいの意味だそうです.
  607. weiter adv. さらに ← 「weit a. 広い,遠い.」.「wide (英) a. 広い」.
    印欧祖語「*wi- 別々に,分かれて」+ 「*i-to- (i- 行く)」.
    sie giengen weiter. 「さらに進んだ」.

  608. wenn conj. when.
  609. wenns = wenn's = wenn es
  610. Wer prop. だれ.「who (英) だれ」.
  611. werden vi. ...になる.受け身を作る動詞.語源小辞典に 印欧祖語「*wer- 回す」からとあるので,英語の「warp (英) vt. 歪める」などと 同語源.あまり覚えるヒントにはなってないけど,重要な単語なのですぐ覚えますよね.
  612. weißen ← weiß a. 白い.「white (英) a. 白い」.
  613. weißt ← 「wissen vt. 知っている」.「wit (英) n. 知恵」.
    印欧祖語「*wed- 見る」から.そういえば,「witness」は目撃者ですね.
  614. Wetter n. 天気.印欧祖語「*we- 風が吹く」.「wehen (独) vi. 風が吹く」. 「Wind (独) m. 風」
  615. wichtig a. 重要な (weight (英)).ch (独) ↔ gh (英). 「wichtig は重さ (weight) があり,とても重要」の巻を参照.
  616. wider prep. ~に逆らって,~に向かって.印欧祖語「*wi- 別々の,離れた」.案外,「bi- 2つの」とも関係あるかもしれませんね.
  617. wie adv. どのように,どうして.「how (英) adv. どのように」.
  618. wieder adv. 再び.「wider (独)」と同じ語だったが,17世紀に wider は「反」,wieder は「返る」(元に戻って再び)に意味が 固定されたとのこと(語源小辞典).「*wi-」 は「別々に」という意味.

  619. wieder adv. 再び.「weit a. 離れた」の比較級が,17世紀に,「wider prep. ~に逆らって」と「wieder adv. 再び」に分かれて意味が固定されたとのこと.
  620. Willen ← Wille m. 意思.「will (英) n. 意思」
  621. Wind m. 風.「wind (英) n. 風」.
  622. wollte p. ← wollen aux. するつもりだ.(不定詞句を伴わず)欲する.「will (英) aux. するつもりだ」.
  623. Wochen pl. ← Woche f. 週,一週間.「week (英) n. 週」.
  624. woher adv. どこから.wo (どこ) + her (こちらへ).
  625. wohl a. (気分,健康が)良い. adv. おそらく.
    「well (英) 良い」.*wel- は願望とのこと.「will (英) 未来の助動詞,意思」
  626. wollte p. wollen aux. 未来や意思の助動詞.「will (英) aux. 」.
  627. womit adv. 何によって(mit + was).
  628. worden pp. ← 「werden vi. ~になる.aux. ~だろう.受け身を作る」
  629. Wünsch m. 希望. wish (英) と連想して覚えやすいですよね.

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    X

    まだない

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    Y

    まだない

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    Z

  630. Zähne pl. ← Zahn m. 歯.「dental (英) a. 歯の」.Z ↔ D.

  631. zauderte p. ← zaudern vi. ためらう.すみません,語源は分かりません.
  632. Zeichen n. 記号,合図,目印,マーク. 「token (英) n. しるし.Z (独) ↔ t (英)」.「zeigen vt. 見せる,示す」.
  633. Zeit f. 時(time). PIE で *dei- *di- が分けるという意味 と語源小辞典には書いてあります.*di- が「分ける」というのは, 「ジクロロベンジン」のように, di- に 2 という意味がありますし,ラテン語の前綴りの de- は away の意味なので, うなずけるのですが,そこから Zeit への 長い旅立ちがわかりません.というか,記憶の助けになりません. t (英) - z (独) ですから,もとの形は t--t/d の ような形のはずです.英語で対応するのは 「tide 潮」だそうです. これだったら少しは記憶の助けになるかもしれません.

  634. zer- 分解を表す接頭辞.
  635. zerbrechen vt. 粉々にする.「zer- 破壊」 + 「brechen vt. 壊す」.「break (英) vt. 壊す」
  636. zerbrochen pp. ← zerbrechen
  637. zerkratzt p. ← zerkratzen vt. ひっかき傷をつける.「zer- 分解,細かくなどを表す接頭語」 + 「kratzen vt. ひっかく」.kr- で,「Kraft f. 力」,「Krebs m. カニ」とかなにか力を加える単語が沢山あるので,そんなものの一つと思えば腹も立たないのではないかと思います.

  638. zerspränge ← zerspringen vi. 割れて粉々になる, 裂ける,ぷつんと切れる.「zer- 分離,破壊」 + 「springen vi. 跳ぶ,跳躍する」.「spring (英) vi. 跳ぶ,跳ねる」

  639. zieh ← ziehen vt. 引く.vi. 進む.
  640. ziehen vt. 引く (draw).Zug (列車) から連想して覚えたらよい. 「よく使われる動詞(1)」の巻を参照.
    an|ziehen = draw to = 着物を着る,引き付ける aus|ziehen = draw out = 着物を脱ぐ erziehen = draw out = 教育する (c.f. educate は lead out の意) vor|ziehen = draw forward = 好む,優先する
  641. zornig a. 怒って. 「Zorn m. 怒り」.「zürnen vi. 怒る」. 語源は分かりません.あれっ? 数学で 「Zorn の補題」 ってあるんだけど, この補題を証明した Max August Zorn さん (1906-1993) の Zorn は「怒り」という意味の名前でしたか. ご本人は優しそうな顔をしているのですが.

  642. zufrieden a. 満足している,満ち足りた. 「Frieden m. 平和,安らぎ」に zu なのかな.
  643. Zug m. 列車.「ziehen vt. 引く (draw)」と連想させて覚えると良い. ziehen 側には Zug から連想しろと書いたが.
  644. zuletzt adv. 最後に,結局.zu + 「letzt a. last(英)」.
  645. zünden vi. 発火する.感動を呼ぶ.
  646. zurecht|machen vt. 取り繕う.「zurecht- 「しかるべき形に」を 表す前綴り」は,zu (to) + recht (right (英)) .right (英) は, 「reg- 統治する,支配する」から.
  647. zurück adv. 元の場所へ,戻して,返して,後方に. zu + Rück(en) m. 背,背中.リュックサックを思い浮かべれば良いですね.

  648. Zusage f. 約束.zu- (to) + Sage (say).
  649. zusammen adv. 一緒に.「zu + 古ド saman」.印欧祖語「*sem- 一つ,一緒に」.「same (英) a. 同じ」も同語源.

  650. zutrugzu|tragen vt. 運んでくる.
    tragen vt. 持ち運ぶ.「draw (英) 運ぶ」
  651. zwar adv. なるほど,~ではあるが.「古ド zi ware」.war の 部分は「wahr a. 真実の」,「Wahrheit f. 真実」という意味のようです.
  652. zweitenmal 「zweit a.二番目の」.「-mal 数詞について副詞を作る接尾語」

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参考文献

こちらでもオンライン語源辞書へのリンクは載せておきます.

使えるものを総動員してドイツ語単語を覚える (2) へ
いろいろな実験のページ へ

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半群論を勉強しよう へ
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