製本 DO IT YOURSELF
(Simple Bookbinding)

2018年4月15日 (日) 加筆
2017年7月 くらい (初出)
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●概要 (Overview)

論文やテキストを印刷して,紙の本の形で読みたいときは,次の方法で製本することができます.
  1. ノリで背表紙の部分を接着する方法 (Bookbinding with Glue)

  2. ホッチキスで中綴じする方法 (Bookbinding with stapler)

  3. その他いろいろ (Etc.)
    1. おもちゃを買ってきた(タッカーを使った平綴じ)(with Tacker)
    2. 表紙について (about Cover)
    3. 製本した本の持ち歩き用グッズ
    4. 印刷のときの PDF の拡大と中央寄せ
    5. 印刷する紙について

また,本の表紙を少し工夫すれば,持ち歩くのも楽しくなります.これについては,

表紙について (About Cover)
に書きました.また,印刷する紙や製本した本の持ち運びなど,製本に絡む色々なノウハウを
製本に絡む色々なノウハウ (TIPS)
に書きました.

世の中には自分で製本する方法を紹介したWebサイトが沢山あります.私もそれらのサイトを 参考にさせていただきました.私は,論文やfreeで提供されている計算機科学のテキストなどを 持ち歩くために製本することが多いので,特に,手間やお金をかけずに,簡単に製本する方法や 持ち歩く本の内容を素早く把握できるような表紙,積読にならずに読みたいなと思うような装丁 に興味があります.ここでは,そんな私のニーズに合わせていろいろ試している製本方法を ご紹介します.

次の写真は上の2つの方法のうち,一番目の方法(ノリで背表紙の部分を接着する方法)で製本したものです. 100ページから300ページくらいの分量があるとき,この方法を使っています.

もう一つの方法(ホッチキスで中綴じする方法)で製本したものを次に示します.


●具体的な製本方法 (Concrete Descriptions)

以下に,製本の具体的な方法を説明します.

やはり毎回,改良を試みていますので,いくつかのバリエーションが生じてしまいます. 基本的な流れを書いたあと,細々とした改良も載せておきますので,まず, 基本的な流れを見て,必要に応じて他の項目も参照してみてください.

  1. ノリで背表紙の部分を接着する方法(平綴じ) (with Glue)

    1. 基本的な流れ (Fundamental procedure)

  2. ホッチキスで中綴じする方法 (with Stapler)

    1. 基本的な流れ (Fundamental procedure)

    2. 端をきれいに切る工夫1
  3. その他いろいろ(Etc.)

    思いついたものを色々試してみてみたり,ちょっとしたノウハウに気が付いたとき,メモとして書いておきます.

    1. おもちゃを買ってきた(タッカーを使った平綴じ)(with Tacker)

    2. 表紙について (about Cover)

      (製本した本の表紙については 「本の表紙を考える」 でも考察を始めました.)

      Image of the Cover of Awodey's Category Theory, Picture of Adjoint Functors drawn by Akihiko Koga
      製本すると,タイトルだけでは何となく寂しいので表紙を描きたくなります.右の絵は 私が適当ににつくった表紙のサンプルです.字だけでもデザインでずいぶん雰囲気が変わるのですが,私はなんとなく絵が欲しいです.でも,絵はすぐ安っぽくなることもあり,難しいですが.

      表紙としては,なんとなく象徴的に内容を表していて,かつ,楽しい,美しいなど何らかの感情を 引き起こすものと,内容を端的に表しているものと2種類があるかなと思います(実は,後者は 市販の本ではほとんどなく,単に私のニーズで言っているだけですが).

      私は,論文やレクチャーノートを製本することが多いので,内容を表してくれている 表紙が嬉しいのです.ということで,そのドキュメントのアブストラクトを読んで, なんとなく書いてあることを図っぽくして表紙にすることにしています.

      本文を読む前に表紙を作るので間違っていることもありますが,そのときは, どうしてもいやなら後で貼りなおすことにして,とりあえず,表紙は作るという 習慣をつけています.そうすれば,本文を読まなくなったとしても,少なくとも アブストラクトは読んで整理したということになりますから.

      1. 表示のサンプル (Samples of Covers)
        これらは私が勉強に持ち歩くために勝手につけた表紙です.その内容は間違いがあるかもしれませんが,それはそれぞれの著者でなくわたくしの責任です.
        (The followings are sample covers I made for the printed materials for my own purpose. The contents might include misunderstandings. If they include some, it's my responsibility.)

        1. A. J. Cain: Nine Chapters on the Semigroup Art, 2017

        2. M. ERNÉ : Beyond Topology : Closure, 2008

        3. John L. Bell: Development of Categorical Logic, 2005

        4. R. Willard, An overview of modern universal algebra, in Logic Colloquium, 2004

        5. Steve Awodey: Category Theory, 2005

    3. 印刷のときの PDF の拡大と中央寄せ
      (うまくいかないこともあるみたいです.実は,うまく行くときの条件がよく分かりません.)
      製本の時は小冊子印刷をすることになるのですが,世の中で公開されているPDFの テキストで小冊子印刷したときずいぶん小さくなってしまったり,左右どちらかに 寄っていて,中央の閉じる部分の余白が少ないものがある.

      内容の書いてある部分を中央寄せすると,多少拡大しても,次の図のように 小冊子印刷した時の中央部分の余白を広げることができる.

      今までは PDF の余白を調整するフリーソフトウェアを使って,余白部分を縮小することで 印刷される内容の大きさを調整していたのだが,左右に寄りがあるとき,それを中央に持っていく手段が見つからないで困っていた.今日,色々調べていて方法を一つ見つけたので書いておく(2018年4月15日 (日)).

      その方法は次のように,Adobe Acrobat Reader DC と Microsoft Print to PDF の合わせ技を使う.ちなみに,Adobe Acrobat Reader DC のバージョンは,

      Continuous Release バージョン 2018.011.20038
      となっている.Microsoft Print to PDF は,現在 Windows に標準的にインストール されているPDF へのプリンタドライバであり,これも 2018年4月15日 (日) 時点のものと 考えて欲しい.

      PDF を拡大かつ中央寄せで印刷する方法

      1. Adobe Acrobat Reader DC で印刷したい PDF を開いて, プリンタドライバを Microsoft Print to PDF にする.
      2. 印刷するとき,「ページサイズ処理」を「サイズ」,つまり,1枚に 1ページ印刷するモードにして,カスタム倍率を自分の好む大きさ,例えば, 元のままでは小さすぎるときは例えば,125% とか, 100% より大きい倍率を指定する.このように指定すると 自動的にプリントされる内容が中央に揃えられるみたいだ.
      3. この指定で印刷すると,選択しておいた Microsoft Print to PDF のプリンタドライバで PDF ファイルに変換されたファイルができる.
      4. できたPDF では内容が拡大され,かつ,中心に寄っているので, それを Adobe Acrobat Reader DC で小冊子印刷する.

      昔は,Adobe Acrobat Reader で,「自動回転と中央配置」という項目にチェックを 付けるところがあったらしいが,今は無いのでどうしたらよいのだろうと悩んで 上のようにやってみた.とりあえず,私のところでは,現時点ではうまく行ったという報告である (2018年4月15日 (日) 時点).

    4. 製本した本の持ち歩き用グッズ

      カバンやデイパックの中に製本した本を裸のまま沢山いれて持ち歩くと,結構, 本が傷みます.それを防ぐための袋について書きます.

    5. 印刷する紙について
      本を持ち運ぶという意味では紙は軽くて,薄いほど良いわけです. 一方,印刷の鮮明さ,紙の色,蛍光ペンでマークしたときの裏写りしにくさ,印刷でジャムらないという 観点からは少し厚い方が良い訳です.後者は,メーカーによって多少特徴があります.

      軽さからは 60g/m2 が,現在すぐ買える品の中では最も軽いものかなと思います. 私の家の近くで買えるものとして

      1. ホームセンター CAINZ 白色度 75%, 60g/m2
      2. ホームセンター コーナン 紙厚 85マイクロm, 白色度 75%, 60g/m2
      3. トップバリュー(イオン) FSC 60g/m2

      があります.仕様は包装紙に書いてあるものだけあげています. 2017年9月時点でどれもA4 500枚で250 円前後です.どれが良いかは,やはり メーカーや販売店に対して営業妨害になる可能性があるので言いません.ただ, 上のような選択肢があることだけ言っておきます.私は,自分の勉強用に製本する 用途としては当面この重さの紙を使うつもりです.



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