英語の発音についての考察
L と R の聞き分けを中心に
2024年10月9日(水)更新
2024年8月17日(土)初出
私は英語,特に,ヒアリングが苦手で,例えば,L と R の聞き分けができないので,
どうすればできるかを考えたり,思いついた方法を練習してみたりを
ずっとやってきています.きちんとした成果が出ていると明言できる
訳ではありませんが,考えたことを書き留めておこうと思って,
このページを作りました.ここでは,基本的には
- なぜ,日本人は英語の L と R の聞き分けができないのか?(苦手なのか?)
- どうしたら聞き分けができるようになるのか?
を書いていこうと思います.
なお,必要と気分によって,その他の発音に関連することも書くと思います.
話題が多義に渡り,また,長くなってしまいましたので,ここで書くことのエッセンスをA4の1/3 程度にまとめた絵を示しておきます.ピックすれば拡大できます.
目次
主内容
2024.10.9 (水)
私は英語が苦手で,特に聞き取りができません.当然,大部分の日本人と同様に,L と R の聞き分けも殆どできませんでした.
で,「何とか聞き分けられるようにならないかな?」と思って,3年間,毎朝,10分~20分,発音の練習と,Youtube の動画を使った聞き分けの練習をしました.それで,単語のミニマルペアをネイティブが丁寧に発音した場合は,
およそは聞き分けられるようになりました(たぶん,9割くらい).でも,文中などは,頭が意味をとる方に回って,聞き分けの精度はかなり落ちると思います.
現在の聞き分けの能力はその程度なんですが,理屈としては,
なぜ,日本人は英語の L と R の聞き分けができないのか?(苦手なのか?)
分かったような気がして,また,
どうすれば日本人でも聞き分けられるようになるかを考え始める
ことができる段階に来たのじゃないかと思っています(幻想かもしれませんけど).
それをここに書こうと思います.自分自身で抱えているよりは,より広く共有して
だれか頭の良い人,また,ネイティブの知り合いがいて,色々実験できる人が考える
材料になった方が良いと思うからです.私はネイティブの友達はいません.
後でも書きますが,実は,ここに書くことは youtube に限定動画として
アップロードしています.最初の7分くらいが,ここに書いた理屈の説明で,残りが
それを実感するための発音のサンプルです(下手ですけど).
英語の R と L の聞き分けにおける CV部分の影響に関する考察(ショートバージョン)
(15分の動画)
限定動画なので,Youtube のおすすめには出てきませんが,URL を知っていれば
再生できますので,興味のある人は上のリンクをピックして見てください.
ただし,私は英語は苦手なので,発音はかなり下手です.動画を撮りなおすような気力もありませんし,撮りなおしたところで良くなるとも限らないし.
まず,なぜ日本人が L と R の分別が苦手かですが,世の中には,
- L と R は日本語に無い子音なので認識が難しいのだ
- L と R に似た日本語の発音は「らりるれろ」の系列しかないため,
日本人は,L と R を無意識に「らりるれろ」に結びつけてしまうため
分別ができないのだ
という説明がよくみられます.これらは確かに一理はあると思うのですが,
一番大きな理由ではないと,私は考えています.
まず,L と R が日本語に無い子音だというのはその通りなのですが,しかし,練習すれば,これらの子音単音はすぐ区別できるようになります.次に,L と R に似た音が日本語には「らりるれろ」の系列しかなく,脳が聴こえた音をそれに結びつけてしまうという説については,確かにそういうことはあるとは思います.でも,英語に限らず,ヨーロッパにはドイツ語,フランス語,ロシア語など,L と R の区別がある言語が沢山あるのですが,それらの言語の L と R は英語の L と R ほどは,日本人にとっても分別はむつかしくありません.日本語に,L と R に似た音が「らりるれろ」しかないというなら,それらの言語でも,L と R の区別が難しくないといけないのですが,今言ったように,それらの言語は英語ほどは難しくありません.
これが,日本人の脳が L と R を「らりるれろ」に結びつけてしまうということが大きな理由では無いと思う理由です.
次に,3年間考えてたどり着いた結論を述べます.
英語における RA や LA の発音はミクロに見ると次のようになっています.
RRR (RA) AAA
LLL (LA) AAA
ここで,RRR や LLL は子音 R や L の音がある程度の時間持続する部分です.
それから,母音の A に移りますが,移る瞬間,今まで,ある程度,空気(息)の流れが制限されていたところに,急に母音への開放が起こり,破裂音的な音が出ます.これが RA や LA と書いた部分です.これが括弧でくくってあるのは,この破裂音的な
音がでるとは限らないからです.発音の仕方によっては,ここで小破裂を起こさずに
母音に移ることもあります.その後は母音に移り,少しの間母音の発声が持続します.それが AAA と書いた部分です.
子音は consonant,母音は vowel ですから,一般的に書くときは,具体的に RRR とか LLL とか書かずに,
ccc (cv) vvv
と書くことにします.
日本語は,開音節の言語ですから,「ん」を除いて,子音の後ろには母音があります.
自分自身の日本語の認識過程を考えてみると,日本語で子音が頭にくる音を認識するときには,この (cv) の部分を認識しています.日本語では,子音は一瞬の音です.
そして,日本語では,ccc の部分は存在しないか,あるいは,とても短いものになっており,日本人は言語の音声の認識では ccc の部分を使っていません.
対して,英語ネイティブは,主に ccc の部分を子音の認識に使っていると思います.
(cv) の部分は,たぶん,破裂音的な音がでていることは英語ネイティブも認識していると思いますが,それほど重視はしていないと思います.また,先にも書きましたが,この破裂音的な音が出ない場合もありますが,英語ネイティブはきちんと子音を認識しているように見えます.
以上が,私が3年間考えて,至った,日本人が L と R を区別するのが苦手な理由です.英語ネイティブは,主に ccc の部分で子音を認識していて,(cv) の部分は,無いこともあるし,また,もう気を抜いているので正確に発音されていないこともあります.つまり,ゴミですね.一方,日本人は,この
ゴミの (cv) の部分で,c を認識しようとしているのでうまく行かないのです.
これまでのことをまとめると次のようになります.
- (cv) の部分は,L も R も「らりるれろ」とそう変わりません.というか,
「らりるれろ」の舌の位置はかなり幅があり,歯茎のすぐ後ろにあろうが,
軟口蓋(上あごの柔らかくなったあたり)の近くにあろうが,「らりるれろ」です.
- (cv) は無いこともあります.この場合は,特に R は母音や W と似た音なので,
そちらとの分別が難しくなります.L も「お」のような母音に聴こえることもあります.
- (cv) の部分も,c の影響を受けているので,それだけで,慣れれば日本人にも
区別はつきます.つきますが,多分,英語ネイティブ,大事なところを発音し終わって,だいぶ気を抜いて,どうでも良いと思っているので,ゴミが入ることがあります.そのゴミを聴いて日本人は認識を間違うことがあるのではないでしょうか?
アメリカに10年住んだ日本人でも9割くらいしか認識できないという話はよく聞きます.後の1割は,すべてが,聞き手のミスではなく,発声側が入れたゴミのせいなのかもしれません.
もうひとつ,ドイツ人,フランス人など,ヨーロッパに人たちは,英語の L/R は,自分たちの L/R とは多少違うのに,日本人ほど,その聞き分けに苦労していないように見えます.これは,一見すると,「彼らの言語に L/R の音の区別があるので,それらが英語とは音質が違っても認識できるのだ」という論も成り立つようにも思えます.
でも,別の理由付けも出来ます.「ヨーロッパの言語は,多かれ少なかれ,子音単独の認識を必要とします.それで,英語の子音単独の部分を聴くことができて,それらは違う音だし,それを自分たちの言語の L/R に結びつければよい」という説明もできます.これはどちらが大きな理由かは分かりませんが,日本人が「らりるれろ」しか無いのにドイツ語,フランス語などの L/R の区別ができるところをみると,子音単独を聴く能力が影響している可能性が大きいかなと,私は思う次第です.
一応,これが「なぜ,日本人が L/R の分別が苦手か?」を3年間考えて至った結論です.
なお,これは,L と R に限ったことではありません.すべての子音で,日本人はポイントを外して聞き分けようとしていて,また,発声においては,ccc の部分を発声しないため,英語ネイティブには聞き取りにくい発音をしているのだと思います.日本人の発音が,子音が短いという話はよく聞きます.上の説はこれとよく符合します.
これまで書いたことと,認識しやすさの実験の動画を youtube に限定動画として
アップロードしています.
英語の R と L の聞き分けにおける CV部分の影響に関する考察(ショートバージョン)
(15分の動画)
限定動画なので,Youtube のおすすめには出てきませんが,URL を知っていれば
再生できますので,興味のある人は上のリンクをピックして見てください.
ただし,私は英語は苦手なので,発音はかなり下手です.動画を撮りなおすような気力もありませんし,撮りなおしたところで良くなるとも限らないし.
ということで,L/R の分別も,B/V の分別も,解決方法は,
認識のポイント(時点)を少し前(0.1~0.2秒)にずらし,子音単独の部分を認識するようにする
ことです.でも,これが難しいです.長年,日本語で身につけた脳の認識機能はなかなかこういう微調整でもできません.この微調整方法は,以下で追々書いていくことにします.
2024.10.09 (水)
上で考察したこと(予想かな)から言えば,L/R の次に母音が発音される瞬間の音でなく,その 0.1秒~0.2秒前に出ているはずの子音単独の区間を聞くことが出来れば,
L/R を聞き分けられることになります(話す速度で変わりますから,「0.1秒~0.2秒前」は「ちょっと前」くらいに思ってください).
尚,ここでは,主に L/R の次に母音が来る場合の聞き分けを扱います.
語尾のL/R は気が向いたら扱いますが,放っておく可能性が高いと思います.
また,glass/grass のように,L/R が語頭で無い場合もあります.この場合は,
正確には語頭から L/R が始まる場合とは異なる点もあるとは思いますが,
子音から母音への移行という点では,語頭+母音が伴う場合の知見が役に立つと思います.
この章の性格は次のようなものです.
2024年10月9日時点で,「これだ!」という決め手になるような
練習方法は思いついていません.とりあえず,こういうことをやって行けば
よさそうだということを書いて,後は,日々考えて,思いついた方法,やってみて良かった練習方法を書いていこうと思います
でははじめます.
理屈の上では,
ccc (cv) vvv
の ccc の部分をきちんと聞いて,その部分が L だったか R だったか判別することが
できるようにすれば良いわけです.それには,
- 子音単独の音の理解と聞き分け
L と R の子音単独の音をしっかり認識して聞き分けられるようにする
- ccc の部分の認識と分別
ccc の部分をきちんと聞き,その直後に来る cv の部分に騙されないようにして聞き分ける.
ができるようになれば良いわけです.
最初の「子音単独の音の理解と聞き分け」は簡単です.Youtube とかの適当な教材を
みつけて視聴し,発音や聞き分けを練習してみてください.L も R も,流音と呼ばれ,母音に近い音ですが,母音より息の流れはさえぎられ少し濁った音が混じります.L の方が R に比べて周波数の高い音が混じりますから,少し硬い音です.R は巻き舌や下の根元を上げるなど,色々な発音方法がありますが,少しうねりが入ります.R は「ウ」に近い音です.L もそうですが,R より「オ」に近いように感じます.また,L はうねりはありません.
日本人は子音単独を聴く習慣がありませんし,どちらも母音に近いので,最初から聞き分けが容易とはいいませんが,上のような違いがあるので,子音単独の聞き分けはそんなに時間がかからずに出来るようになると思います.一応,これが出来ないと ccc の部分が聴けても分別できない訳ですから,しっかり発音と聞き分けの練習をしてください.
次は「ccc の部分の認識と分別」ですが,これは難しいです.日本人は次に発生する「cv」の音に,悲しいくらいに引き寄せられてしまいます.この cv 部分が,L であり, R であると思い込んでいます.ですから,
練習としては,cv への引き寄せられるのを防止し,ccc の部分に注意を向けられるようにする訳です.
この練習方法の決定打は今のところ思いついていません.今思いついているのは,
cv を発生させないように発音して,脳内で,L と R の発音を ccc に結びつける
ことです.しかし,普通の速度で発音したのでは,cv の部分の音は出てしまいます.
そこで,例えば, light と right の発音で,次のように出来るだけ cv が出ないようにして発音練習してみるのが一つの方法かと思います.
- l'ight という綴りをみながら,LLLアィト と発音する
LLL は,子音 L の音を1~2秒発音することを表します.L の音は
上に書いたように日本語の「ウ」を硬くしたような音です.そしてできるだけ,cv つまり,LA が出ないようにして「アィト」に移行します.うまく発音できれば「ウーアィト」というように聴こえる発音になります.ただし,「ウー」の部分は,本当の母音の「ウ」ではなく L を長く伸ばした音です.L も R もいくらでも長く伸ばせる音です.母音の「ウ」と区別するために「ウ#ー」とでも書いたら良いのかもしれません.
このとき,「ウ#ー」と聴こえる L の部分が L だと頭の中に思い浮かべます.そうやって,L 単独の
音を頭の中の音声の認識部に焼き付けるわけです.たぶん,cv つまり,この場合は,LA の部分の音は出てしまうことが多いと思います.その場合でも,その前の「ウ#ー」が L の音だと思うようにします.カタカナで全部かくと「ウ#ーアィト」ですね.たぶん,cv を落とすのは難しいので,最初は,「ウ#ーライト」と聴こえる発音になると思いますが,「ウ#ー」の部分を L と頭の中で結びつけます.
- r'ight という綴りをみながら,RRRアィト と発音する
上のことを L を R に置き換えてやります.RRR はやはり「ウー」の
音に近いですが,L より低い周波数だけで柔らかい音で,うねりがあることが多い音で,かつ,篭(こも)った音です.こちらはうねりがある場合が多いのでとりあえず「ウ~」とでもしておきましょう.これも,しっかり,「ウ~」に聴こえるところが R の音だと,脳に叩き込みます.
この方法を毎日10分~20分続ければ,早ければ3日くらい,たぶん,1週間くらいで,
L/R の区別が大部分の場合にできるようになると思います.
この練習をして,自分の識別能力を確かめてみたり,あるいは,L/R の発音方法自体を知りたい場合は,今は,Youtube 等に,いろいろな動画教材/素材があります.
このページの後ろの方に,
「Youtube での L/R の発音・ヒアリング教材」
として,
いくつかを載せていますので,L/R の発音方法の学習やテストなどにご活用ください.
やはり,日本人は,cv のところに引き寄せられますから,なかなか,100% 分別にはならないと思います.
もうちょっと良い方法があると良いのですが,今のところ,これが思いついた方法です.
とりあえず,L/R の分別方法/訓練の概要を述べたので,細かなところは,このページのこれ以降の部分に個別的に書くことにしますが,重要なことのエッセンスだけ補足として,ここに書いておきます.
けっこう沢山書いたので,エッセンスだけまとめておきます.
- 日本人が語頭で母音に続く L/R を区別できないのは,認識のポイント(時点)が遅すぎるからだ.
- 日本人は,子音を,母音に移行する直前の瞬間の音として捉えている.
- 対して,英語ネイティブは子音は子音単独として捉えている(と思う).
- したがって,日本人が認識しようとしている母音への移行部分は,英語話者にとっては子音を発音し終わったゴミの部分なので,そこで判別しようとしても精度がでない
- 認識のポイントをもう0.1~0.2秒前の子音単独の部分に持っていくこと
- これは日本人にとっては難しいけど,なんとか頑張れ!
- 考えられる練習方法としては次のようなものがある.
- 母音への移行部分で音を発声しないようにし,その前の部分を認識できるようにする.
例えば,light と right を l や r の次に日本語の「ら/ラ」を挟まないように発音してみて,どこに子音の l や r があるか把握する.それには「ルアィト」,「るアィト」のような発音をやってみるのもよいだろう.「ル(L)」,「る(R)」は,母音の「ウ」に近いので,上で書いたように,「ウ#ーアィト」,「ウ~アィト」のような表記の方が良いかもしれない.どちらにしても,L と R の子音単音でどんな音かをまず理解して発音できるようにしておくことが必要である.
- 子音単独部分を長く発音して,そこに子音があることを脳に分からせるようにする
などなど...
雑感や思いついた時のメモや上の主内容の補足
ここから下は,上の結論に至った経験(練習内容)や考察,また,上の内容を補足するもの,あるいは,改良していくものを書きます.上に書いたことは,これらの考察の結論ですので,今から書くことは,上に書いたこととかなり重複があるとおもいます.ただ,より詳細になっていたり,具体例がでてきたりなので,英語の発音に興味がある方は読むと,自分が考えるときの材料にはなると思います.
まだ,日々,この題材のことを考えたり,練習したりしていますから,何か思いついたら,上の内容も修正していこうと思います.
2024.10.24 (木)
いきなり,番外編ですが,このページにいろいろなことを書き散らしてしまいましたので,本編は読むのが大変になっています.
ここは一つ,一般的なことは忘れて,とにかく一つでも L と R を聴き分けできるようになろうということで,Light/Right に絞って,聞き分け練習方法を書きます.御託はあまり書きません.練習手順は以下の通りです.
- まず,子音単独で,L と R を正しく発音できるようになってください.子音単独だと,どちらも「ル/る」というより母音の「う」のような音です.
- 自分の発音に関しては,子音単独の L と R は,聞いて区別できるようになってください.
ミニマルペアの単語対で区別できなくとも結構です.
とにかく,子音単独で L と R の音を区別できるようになってください.
- 次に,Light と Right の発音練習をします.
- 「ラィト(Light)」と「らィト(Right)」でなく,
「ル(L)アィト(Light)」と「る(R)アィト(Right)」で発音練習してください.
- 「ル(L)」と「る(R)」は先に練習した L と R の子音単独の音です.
1秒くらいに伸ばして発音した方が良いと思います.慣れたら短くしても良いです.
- 慣れないと,「ル(L)らィト(Light)」と「る(R)らィト(Right)」に
なると思います.
できれば,「ル(L)」と「る(R)」の次に「ら」は入れない方が良いと思いますが,難しければそれで良いです.
- 「ル(L)アィト(Light)」と「る(R)アィト(Right)」と発音できる場合は,
「ア」の前の音が L と R の音で,それはすでに聞き分け練習をした音と
同じに感じるはずなので,聞き分けできると思います.
- 「ル(L)らィト(Light)」と「る(R)らィト(Right)」になってしまう人は
「ら」の前の音がすでに聞き分け練習をした音 L と R の音です.その後の「ら」の音に邪魔されるとは思いますが,何とかと聞き取ってください.何度かやっていると子音単音の L/R が聞こえてくると思います.
- 次は人の発音で,Light/Right を聴き分けてみましょう.
人の発音だと,ラィト/らィトに聞こえると思いますが,
最初のラ/らの前に
練習した L/R の単音の響きを聞き取れるはずですので,頑張って聴き分けてみてください.特に,R の方は,「ウ」に似た響きの R の音が聞こえやすいです.
L は少し短いと思いますので,なかなか L 単音の音が聞こえてこないかもしれませんが,でも同じような響きは聞こえるようになると思います.
Youtube の次の動画の最初のテストが Light/Right のテスト(5回)ですから,聞き分けの練習をしてみてください.
Listening Practice for "L" & "R" sounds [ ForB English Lesson ] ... 3分36秒
以上です.
2024.08.16 (金)
これは,知り合いに出そうと思って書いていたメールの下書きです.上の記事と
かなりダブりはありますが,違う部分もありますし,同じ内容でも
表現が違いますので,あまり編集せずに,ここに書いておきます.
日本人は L と R の発音の区別,特にヒアリングにおける区別が苦手だと
思うのですが,私はずっとこの理由を考えてました.私も苦手なので.
それで,苦手な理由の仮説です.
例えば,Light と Right の発音をミクロにみると,
LLL LA AAA I T
RRR RA AAA I T
のような感じになっています.ここで,
- LLL と RRR は子音の L と R がある時間持続している区間で,
- LA と RA は,子音から急速に母音に移行して,息の解放が
行われるので,破裂音的に聞こえるところで,ほぼ一瞬で
終わる区間
- I は二重母音 [ai] の後ろの母音で時間的には短いと思います.
- T は子音の t です.
日本語は,例外を除いて子音単独の発音は無いので,日本人は,
LA と RA の破裂音に近いところを聞いていると思います.
これは私の認識ですが,たぶん,皆さんも同じではないでしょうか?
LLL の部分と RRR の部分はまったく意識していません.
もっとも,R は,「前に,『ぅ』が入る」という認識のコツも
ありますので,
準備音として,口をすぼめる「ぅ」がが聞こえていて
その後,しばらく,「ぅ」とあまり区別がつかないような
RRR の音が「ぅ」として聞こえている
ことは多いと思います.
L の方も,よく注意して聞いてみると,「う」,「お」,「ん」
みたいな音が聞こえていますが,たぶん,ほとんどの場合はわからない
と思います.発音の動画なんかを2倍くらいに遅くして聞くと
分かるかもしれません.あるいは,ヒアリング練習を続けて,よく音が
聞こえるようになると,LA の破裂音的な音の前の LLL の音が聞こえて,
かえって,これを R の前の「ぅ」にご認識してしまい,L/R の分別に失敗
してしまうこともあります(私の経験です).
それで,英語ネイティブは,LLL と RRR の部分は聞いているんだと
思います.むしろ,母音への移行,LA と RA の部分は,母音への
移行のために仕方なく発生している部分で,ゴミの部分と思って
いるのではないかと思う訳です.
これらL と R の単独の発音については,本ページの
子音単独の L と R の音はどんな音かにも書きましたので,参考にしてください.
ということで,まとめると,私の意見は,
Light LLL LA AAA I T
Right RRR RA AAA I T
の発音において,英語ネイティブは,LLL と RRR の部分で聞き分けて
いて,日本人はそこを聴く(潜在)意識はないので,LA と RA の
部分を聞き分けようとして,そこはゴミなのであまり差は無くて
聞き分けが難しいのではないかということです.
L と R の単独の発音だと,どちらも流音なので,
ある程度似ていますが,
日本人にも音色の差は十分区別できると思います.
L の方が,少し高い音が
入っているのに対して,R は全部のスペクトルが低いところい集中して
います.
それが,後ろに母音が来るととたんに区別が難しくなります.
LA や RA の部分だけだと,英語ネイティブでも時々間違うのでは
ないかと思います.
あと,日本人は子音が短いとよく言われますが,それは,母音とくっついた
一瞬の音でしか子音を発音していないからではないでしょうか?
まだまだ,傍証はたくさんあるのですが,しょせん,傍証だったり,
想像だたりしますので,複数人の英語ネイティブに直接聞いてみたい
ところです.もっとも,英語ネイティブの人たちにとって,ここらあたりの
ミクロの音と認識の推移は under conciousness なので聞き方が難しいでしょうが.
あと,改めて日本語の「らりるれろ」の子音だけの音ってちょっと想像が
つきませんが,L や R と比べるとどうなのでしょうね. 日本語の
「らりるれろ」の音が安定している訳でもないですからね.地域によっても
違いますし,人によっても違いますものね.一概に,L に近いとか,R に近いとか,
その中間だとか決まっている訳でもなさそうです.
2024.08.17 (土)
私も,歳をある程度とったので,もう毎日会社に行って働かくのは嫌だなと思って,
家内を説得して,2014年4月に,55歳で自己都合退職しました.それで,
在りし日々,
私は英語があまり出来なかったので,会社で苦労したし,周りにも迷惑を掛けたな,
そういえばヒアリングも苦手で,L と R は区別がつかなかったな
と思って,それから年数は経ちますが,2021年1月14日から,毎朝,L/R のヒアリングの練習をすることにしました.
英語の聞き分けについては,よく,
発音し分けられないものは区別はできない
と言われるし,「うん,もっともだな」と思ったので,主に発音練習をしました.
L と R を意識して発音してみて,それが耳に入って,L と R の分別の回路が
頭の中にできることを期待してです.
while (forever) {
・L/R を意識して,発音する
・発音した音が耳に入る
・L/R の意識と耳からの音の特徴が結合する
}
大体,動画などの教材を聴いて,それがどちらかを当てるとかいうのは,ストレスが溜まってできないので,とりあえず,
そういう考えないといけないのはやめておいて,とにかく発音の練習を繰り返す.
普通は2・3日やって効果が出ないのでやめてしまうことが多いけど,
聞き分けの練習はしないという,安易な方向に流れた分だけ,繰り返す.
一般には,
L と R の分別能力は子供のころ,自分の母語に adjust されて,歳をとると
そこの可塑性は失われ,学習しても効果がないようになる
と言われているけど
1年とか2年くりかえすと,できるようになるか試してみる.
ということで,毎朝,練習して,2024年の1月25日まで,3年間,
毎日発音練習を15分前後しました.実は,まだやっているので,もう3年と半年は
やっているのですが,とりあえず,2024年1月25日で,もういつ辞めても良いと自分自身で区切りをつけたということです.
ここまであまり内容はなかったのですが,世間一般では,特定の音の区別については,
子供のころ可塑性が失われて,大人になってからは練習してもあまり効果がないと
言われていますが,それは短期間の実験のはずで,2年とか長期にわたって実験は
していないはずなので,このように長い期間頑張って効果をみるのは意味があることでは
ないかと思ったわけです.
で,結論からいうと,1月,2月もすれば,8割がた区別できるようになります.
自分でも違う音を出していると思うし,違う音に聴こえるし,まあ,大体正解するし,
という状態になります.本当は,どんな練習をしたか,もう少し特定したり,
そのときの注意点などを書かないと意味がないのでしょうが,まずは,どの程度まで
伸びるかということを書いておきます.
たぶん,分別能力は8割くらいだと思います.これは Youtube の英語学習の
動画のコメント欄をみても,アメリカに10年過ごしているが,8割~9割しか
分からないというコメントを見かけるので,多分,正しいと思います.
私もだいたい1,2か月でそれらの音がどんなものか分かるようになって,
それからは進歩がない訳でなく,徐々に分別能力は上がって行っているし,
分別したときの確信度も上がって行っていると思うけど,1,2割分からないものが
でてくるという感じが2年間続いています.
それで,ここまでのお話も,これからしばらくのお話も最初に述べたモデル
LLL LA Ai T
RRR RA Ai T
のLA や RA 以降を聴いて分別する話です.私が,このモデルのようなことを
考え出したのはつい最近ですし,まだ,LLL や RRR は確信を持っては聞こえて
いません.
その後ろの LA や RA はゴミと言いましたが,ゴミの部分にも先頭の LLL や
RRR は影響を与えるので,8割9割は分別できるのです.
この練習で注意することがあります.それは,言うまでもないことですが,
正しく,L と R が発音できているようにする
ことです.自分の発音を耳に入れて認識できるようにする訳ですから,
それが正しくないと,誤情報を覚える練習をすることになります.
英語ネイティブが近くにいれば,まず,発音を矯正してもらってから
やれば良いのでしょうが,そういう恵まれた状況にいる人ばかりではありません.
私もそうです.でも,方法はあります.
- 発音の仕方を知識として学習する
- L は,舌を上歯茎の後ろあたりに押し付けて,下の両側から息を逃がしながら「う~」という.舌を上歯茎の裏に押し付けたときの自然な口の形から「お~」に近いかもしれません.
- R は,いろいろな発音方法がある.例えば,所謂,巻き舌にして,
口の奥で,舌の先が上の天井(口蓋)につかないようにして,
そこに息を通しながら,「う~」という.あるいは,
舌を引いて,舌の根元を持ち上げて,そこに息を通して,
「う~」という.
世の中では,舌の根元を持ち上げる方が
一般的になって来たみたいで,「R は巻き舌じゃない!」とかの
嘘のタイトルを付けがちが Youtuber が増えていると思います.
嘘というのは,巻き舌もまだ一部の地域では残っていて,また,
昔は主流だったはずなので,「R は巻き舌じゃない!」とまでは
断定的に言えないからです.「主流じゃない」くらいなら正しいの
だと思います.
キャッチーなタイトルを付けて,動画を再生してもらいたいたいのは分かりますが,
「嘘」は良くないと思います.
- Youtube の学習動画などで,音を確かめる
矯正してくれる人がいないので,こうするしかないですよね.
L, R の音単独で,「らりるれろ」に近くなったらまったくダメだと
思います.「う~」とか「お~」とかいうような音です.
この二つは,流音と呼ばれ,空気の完全な閉鎖は作らず,L は口の
前で,舌の横から息を逃がし,R は口の奥,舌の上の空間から息を
逃がします.一般には,R の方が閉鎖は弱いです.R は低い,「う~」に
湿った舌の上の息が流れるねっとりした音が,口の奥で共鳴する音,
L は口の前で,もう少し閉鎖があって,クリアな音のはずです.
これらは私には微妙に音色が違う音に聴こえます.全然違うという
人もいますが,私にはそれほど違う音には聞こえません.
R は全体的に低い和音,L は低いおとを基調に1つ高い音が
混ざっている和音というような音色の差は感じます.
これらの後ろに母音を付けると「らりるれろ」の音に近くなります.
- 分別の上達状況を見ながらフィードバックする
練習していって,Youtube などの学習動画の認識が良くなれば
大体発音の仕方は正しいわけです.まあ,毎日,発音とヒアリングをしながら
調整していくしかないでしょう.
ということで,私は1・2か月で,L と R の音色の違いは大体わかるようになりました.
母音が後ろに来て,「らりるれろ」に近くなっても,音色の差が残っていますので
だいたい区別できます.
しかし,前にも言ったように,1・2割,間違えます.アメリカに10年間
住んでいるひとも1・2割,間違えると言っているので,それを打開するためには,
母音に移行する前の
音を聞くことができるようになるのがキーなのかなと思い始めたという訳です.
2024.10.17 (木)
ccc cv vvv の cv に惑わされずに,L/R を聞き分けるためには,cv に惑わされないこと以外に,子音単独の ccc の部分を L と R で聞き分けないといけません.したがって,子音単独で L と R がどんな音かを理解し,耳で聞き分けられるようにする必要があります.
L と R は,どちらも所謂,「流音」と呼ばれるものです.緩やかに絞って若干狭くした通り道に息を通してできる音なので「近接音」という
言い方をされることも,「半母音」と言われることもあります.この3つは概念としてはイクォールではないかもしれませんが,L と R はこれらの言葉で呼ばれる音に入っています.
つまり,言葉で説明すると,
- L も R も,B, P, D, T のような破裂音のような破裂は無いし
- S, SH, TH のように摩擦が生じるほど,息の流れを制限することもなく,
- ,その両側は開けておいて,そこから息が流れ出るようにして,
- R は,巻き舌や舌の根元を持ち上げる発音方法はあるものの,口の中で上あごと舌の間に,そこそこ狭い通り道を作って,そこに息を通し,
- L も R も声帯を震わせる有声音
です.
音の感じは,
- どちらも日本語の「う」に近い音です.
少し,濁っています.濁っていると書くと「ヴ」と書きたくなりますが,これは, V に使われてしまっているので,なにか別のカタカナ表記を考えたらよいのかもしれません.私は,L に「ウ#ー」,R に「ウ~」を使ったことがありますが,気分で書いているので,記法が一定しません.L は「ウ」には近いのですが,
標準の発音の仕方では,舌を上歯茎の裏に押し付けるので,口が上下に開いて「オ」っぽい音になります.ただ,次の音が母音の「イー」だったりすると,
そのために口は閉じますから,「オ」っぽさがなくなります.やはり,濁り方を
きちんと耳で聴いて分かるようにする必要があると思います.
- L の方が若干硬くて,R の方が柔らかく,またR は
うねりを伴うことがあり,また篭(こも)った音です.
音声は色々な周波数の空気の振動が,それぞれ色々な重み(強さ)で合成されたものですが,音声学では,
各周波数に分解したときに,係数の大きな波が集中するところをフォルマントと言い,周波数の低い方から3つ,F1, F2, F3 フォルマントの周波数帯を手掛かりにして,音声を特徴づけることがあります.
R は,F1, F2, F3 フォルマントがすべて低い周波数の位置にありますが,L は
F3 が高い周波数の位置にあります.それで,L は若干不協和音っぽく,
硬い高い音に感じられます.全体が高い周波数だったり,低い周波数だったりすると,人により音声が低い高いがあるので,音色が区別がつきませんが,
L と R は,F1, F2, F3 が組み合わせが違うので区別がつくのです.これは例えですが,
例えば,R が「ドレミ」の(変な)和音で,L が「ドレソ」の(変な)和音と思うと,二つの音声の区別がつきそうだと思うのではないでしょうか.まあ,音声は,「ドレミファソラシド」のように7音階ではありませんから,
さらに複雑ではありますが.
これらが,言葉で説明した,子音単独の L/R の音です.私は発音が下手なので,実際にどんな音かは,Youtube などを調べて視聴して確かめたら良いと思います.
後でも,Youtube で参考になりそうな動画を列挙していますが,ここでは,この子音単独で
どんな音かを説明している動画を4つだけ上げておきます.
Youtube を調べてみると,イギリス英語の指導に多いのですが,L/R の子音単独の音をきちんと教えていなくて,後ろに a などの母音を付けて,すぐリリースして,「ラ,ラ,ラ,ラ,ラ」と発音して教え方の動画が多かったです.これだと,日本語の「ら」との違いがあまり分からないです.上にあげた動画は,子音単独の音の説明と,その音を出してくれているので,私にとってはありがたい動画です.
2024.08.17 (土)
皆さんは,米国で 1987-1995 に放送されたホームコメディの Full House という番組をご存じでしょうか?
日本でも NHK で放送されていましたから年配の方の中には見られた方もいるかもしれません.
この番組の主人公の一家の Tanner 家の三女で,番組が始まったころは本当に赤ん坊だった
ミッシェルという女の子がいます.
私は,この番組をヒアリング練習のために見ていたのですが,
彼女が時々,「Oh! Please」というのを全然聞き取れませんでした.
Youtube を探したら,その Oh! Please だけ集めた動画がありました.
最初の方は,他の口癖が集めてあり,Oh! Please は,最後の方の
2分14秒からです.一応,次のリンクは 2分 14秒のところに飛ぶはずなんですが,皆さんは聞き取れるでしょうか?(飛ばなかったら,手動で 2分 14秒まで持って行ってください)
Michelle Tanner You got it dude, Duh, Oh Please & Nuts! (without music) :-)
当時,私は,これは「オー,ポーイー」としか聞き取れませんでした.
子供の発音なのですけど,この P の発音と「イー」の発音の間が,
「L」の
発音なんですよね.周りの人間は当然 Please と聞き取っているように見えるので,
これは許容範囲内の「L」の音なんでしょう.当時の私にはこれは,「オー」にしか
聴こえませんでした.今はというと,残念なことに,普通に「L」が聴こえてしまってます.少し楽しみがなくなりました.私の中では,
ミッシェルは「オー,ポーイー」と言ってくれないといけないので.
2024.08.17 (土)
これは理由の1つではあるとは思いますが,最大の理由とは思いません.
これが理由なら,B-V, S-TH, H-F も,L-R 並みに難しいはずです.これらも,
「バビブベボ」,「サシスセソ」,「ハヒフヘホ」で受けるのですから.
でも,L-R 以外は,そこまで難しくはありません.確かに区別に苦労はしますが,なんとなく分かりますし,
区別の訓練をしようとしたとき,どこに気を付ければよさそうか,
なんとなく分かります.
それらは,もしかしたら,B-V は「ブ」と「ヴ」のように区別する文字が
あるからという反論があるかもしれませんが,
- それらの記法が最初から日本語にあったわけではなくて,区別できる人もいて,
同じ文字であらわすのに違和感があるからできた記法だし,
- L と R も「ラリルレロ」と「らりるれろ」で区別するという提案は
あるけど,あまり効果はでていません.
さらに,日本人が特に苦手なのは,英語の L と R であって,ヨーロッパの
他の言語,例えば,ドイツ語,フランス語,ロシア語などでは,簡単とはいいませんが,結構区別がつきます.それは,L と R を
うける文字が「ラリルレロ」しかないというのが困難の理由ということに反します.
では,それら容易に区別がつく L と R を持つフランス人やドイツ人が英語の
L と R の区別に苦労するかというと,それは無いようです.私は,
理由は次の2つかなと思っています.
- L と R を区別する習慣がある
- 母語は英語と同様に子音の音をきちんと拾うことが必要な言語である
上の理由は,日本語では両方「らりるれろ」で受けているということに
対応しています.これが理由の一つではあるといったことに対応しています.
したがって,私の意見は,区別が難しい一つの理由ではあるが,最大の理由では
なく,やはり,最大の理由は,L と R が日本人の認識機構にとって
同じように聞こえるということだと思います.この,私が認識機構と
呼んでいるものが何かということとそれを克服するためにはどうすれば良いかを
考えることが重要だと思います.
あと,スペイン人は B と V はどちらも,B の発音らしく,それらの
区別に苦労するみたいです.でも,かれらは,H と F はあるんですよね.
V は F の有声音と説明しても,やはり,練習が必要みたいです.
2024.10.12 (土)
このページの主張は,英語の子音+母音の発音はミクロにみると,
ccc (cv) vvv
となっており,(cv) の部分はゴミが混じることがあるので,きちんと,
ccc の部分を聴いて分別するようにしようということです.
で,この節のタイトルの,直後の母音の種類で分別しやすさに影響があるかどうかという疑問ですが,これには,2つ,一方は,まだ,私が (cv) の部分を使って識別しようとしていた時の疑問で,もう一つは,ccc の部分で識別しなければと思ったときの疑問です.
具体的には次の2つです.
- 私(日本人)には,royal は,loyal に聴こえやすいことがある.
こちらが (cv) を使って分別しようとしていたときの疑問です.Youtube に
ある,ある人の L/R 分別練習の動画で,どうしても,r が l に聞こえてしまうものがあったのです.
その動画は,
Listening Practice for "L" & "R" sounds [ ForB English Lesson ] ... 3分36秒
の5番目の問題 loyal/royal の3つ目の royal です.私はこれをよく loyal と間違えていました.それで,そこの動画のコメントに,「後ろの母音で l/r の認識率が変わるような現象はありますか?」と聞いたのですが,それでは,「そういう現象は知りません」と回答を得ました.まだ,その質疑応答は残っていると思います.
- lead, read を「ルイード」,「るイード」と練習してよいか? やはり,「リード」,「りード」ではないか?
ccc の部分に意識を向ける練習をするために,(cv) の所を抜いて,ccc vvv という発音の練習をするとき,l/r を標準的な口の形で,それらの子音を出すと「ル(l)」と「る(r)」になります.それらの音が「う」の音に近いので,「う#(l)」と
「う~(r)」と書いても良いかもしれません.そうすると,「ルイード」,「るイード」あるいは,「う#イード」,「う~イード」と練習することになると思いますが,英語ネイティブの発音を聴いても,そうは聞こえません.
ちゃんと,「リード」,「りード」と聞こえます.そこで,ccc の部分も後ろの母音に影響されて音が変わるかという疑問が出てくるわけです.
そこで,これらについての現在(2024.10.12)の私の見解を述べておきます.
まず,最初の,cv の部分は後ろの母音に影響を受けるかですが,大いに受けると思います.特に,loyal/royal の [oi] は cv の部分をはっきりとした音にしやすいと
思います.[oi] は,o で口を縦に開けて,次の i のためにすぐ閉じないと行けません.そのために大きく上から下への動くことになります.この動きは,前の音が rrr の音でもかなり明確に日本語の「る」に近い音を出してしまいます.これが,ccc の部分が聞けず,l/r の分別があまり出来ない日本語話者には,l の音と勘違いすることがあるのだと思います.この勘違いは,ccc の部分をしっかり聞けるようになれば解決するはずです.
追記 2024年10月23日 (水)
royal の他に,grow も glow と間違えやすいと感じたことを思い出しました.以前,とある,Youtube のミニマルペアのテストで子供の発音の grow が
どうしても glow に聞こえていたのです.これは,今思えば,[ou] が [oi] ほどでは
無いにしろ,舌の大きな動きを伴うので,[r] から [ou] への過渡音(cv 部分)が生じやすいせいなのだろうなと思いはじめました.
次は2番目の疑問です.lead/read は「ルイード」,「るイード」ではなく,l/r の音が次の「イード(ead)」で変質して,「リ」,「り」に近くなるかという疑問ですが,私は多少そうなると思います.やはり,つぎに「イー」を発音しないといけないという意識はあるので,上あごは閉じて,口の垂直方向の空間は狭くなります.その状態で,l や r を発音するので,なにも意識せずにニュートラルな気持ちで発音するときよりは,口蓋が降りて,口の中が狭くなっています.その状態の「ル」,「る」はやはり,少し硬い子音になっていると思います.したがって,自然な発音にしようと思えば,そのように口蓋を下げて発音することになると思います.ここらあたりのことは,次の
L と R の母音ライクな性質にもう少し詳しくかきましたので,ご興味があれば参照してください.
でも,自分の練習のときは,「ル」,「る」で良いのじゃないかなとも思います.
このように子音の音価が微妙に変化するのかどうか,また,変化させないときに,ネイティブに聞き取れないほど不自然かどうかは,私は,回りに英語ネイティブがいませんのでよく分かりません.誰かに聞ける機会があれば聞いてみたいと思います.
2024.10.13 (日)
L も R も流音,つまり,完全には息の流れを止めずに,緩やかに制限する音ですから,
母音っぽい性格を持っています.半母音とか近接音という言い方もあります.
標準的に,それらを発音する場合の音は,どちらも子音単音で,「う」の濁ったような音で,いくらでも長く伸ばせます.
L が高い周波数の音を含んでいる分,幾分,硬い音で,R は全体的に低く,若干,うねりがある場合もあります.L の方が若干,口を縦に開いている分,「お」に近い音に聞こえるかもしれません.
上では,標準的な発音の仕方を書きましたが,
Rの音 は舌を上に軽く巻く方法でも,舌の根元を持ち上げる方法でもかなり口の中の形を
自由に変えられます.L も舌を前上歯茎の後ろにくっつけてその両側を空ける形を保ったままいろいろ口の中の形を変えられます.
母音は息の流れを殆ど妨げず,口の形を変えることにより,日本語では「あいうえお」のような色々な音色の音を発声します.
L も R も息の流れを保ったまま,口の中の形をある程度変えられるので,L と R の
音色のまま,「あいうえお」と識別可能な息の流れを作ることができます.
ということで,同じ R の子音単独の発音でも,口の形を変えることにより,「う」に近い R や,「い」に近い R の音を作ることができます.L も同様です.
lead/read の発音は,英語ネイティブの発音も,「ウ(L)イード」,「う(r)イード」にはあまり聴こえない気がするので,次の「イー」の発音に備えて,口蓋が降りてきているので,L/R の音質に多少「イ」の音を加えた子音に変質して発音しているのではないかと思います.日本人の発音だと,完全に「イー」を加えた L/R の発音になっていますね.
2024.10.14 (月)
理屈の上からは,L/R の分別の練習は,発音される音の流れ
ccc cv vvv
から,
練習をするということなのですが,
これは今のところあまり決定打を思いついていません.
とりあえず,日本人の発音では,ccc の部分は弱く短いと思うので,そこを
しっかり発音して,かつ,聴く練習をするということになると思います.
さらに,その後で,小破裂 cv に引き込まれないように意識するということです.
これをしっかり身に着ける練習方法の決定打は今のところ見つけていません.
現在,思いついているのは次のものくらいです.
- cv をできるだけ発音しないようにして,ccc に意識が行くようにする
- cv は発音してもよいことにするが,ただし,その前の ccc に意識が行く練習をする
- ccc を以上に長く(数秒)発音するようにして,きちんと ccc が発音できるようにし,かつ,ccc に意識が行くようにする
この内の3番目の方法は,私が思いついたものではありません.私が,「日本人が,L/R の分別ができないのは,ccc の部分を発音する習慣がなく,そこに意識が行かないせいかな?」と思ったとき,「日本人の子音の発音が短い」と言っている人がほかにいないかなと検索をかけたところ
川合典子 Official Web Site 川合メソッド2〔第一部〕
という方がいらっしゃいました.川合さんは,別に,L/R の分別方法を指導している
訳ではなく,日本人の英語の発音を奇麗にするためにこの方法を考えられ,指導されているみたいです.川合さんの方法は,着目する子音を長く伸ばして(たぶん,数秒),
発音する練習をすることみたいです.本も出されているようですが,私は残念ながら,買っていませんし,読んでもいません.
川合さんの Web-site を読むと,私には,
- 子音をちょっと不自然なくらい伸ばす方法で
- 発音の改善まで,結構時間がかかる
ような方法のように思いました.それで,私が上に書いた2つの方法は,
あまり不自然な発音方法にならずに,比較的短い時間で L/R を識別できるように
なる方法は無いかなと思って考え出したものです.
まだ,思いついただけですし,自分自身もやってみていますが,私はすでに3年間
いろいろな方法で練習してきているので,短い時間で識別能力の向上が見られるかは
よく分かりません.もしかしたら,川合さんのような方法が王道なのかもしれません.
まあ,とにかく,ちょっとやってみたら良いのかなと思います.
上の方法をうまくやるには,本人の心構えだけでは難しいので,次の節で,
「母音剥がし」における視覚的工夫を書きます.
2024.10.14 (月)
「母音剥がし」で使えそうな,視覚的工夫をこちらに書きます.
要は,
自分で発音しているものをや,他者が発音したものを聞いたりするときに,
ccc cv vvv
の cv ではなく,ccc の部分の音を脳の中で「c」という子音と結びつける
ことに寄与する方法を考えれば良いわけです.
light で考えてみましょう.まず,L/R の音の次に小破裂が来るかもしれないと
いう書き方です.発音練習するときは,小破裂がおこり「らりるれろ」の音が出ているところは,L/R の音ではないと思い込みながら練習します.
- Lラ ight
L の後ろに「ラ」に聞こえる部分があるかもしれないということを,
上付きの「ラ」で明示し,
きちんと,L の音がでている部分に意識を向けます.最初に書いたときは,
むしろ,その「ラ」に注意が行ったので,色をすこし薄くしてみました.
- L💥 ight
小破裂の部分を,爆発している絵文字にして,L の発音はその前にあることを強調してみました.もしかしたら,かえって,そちらに意識がいってしまうかもしれません.
- L💥 ight
上と同じく破裂のマークを入れましたが,L の部分を太文字にして,ight の部分を少し小さなフォントにしてみました.
もう一つ,light と発音するとき,li の部分に小破裂 cv が起こらないような発音を助ける意図の表示をいくつか書いてみました.
- L ight
単に,L と次の ight の間に空白を入れました.
- L' ight
L と次の ight の間に「'」と狭い空白を入れました.
最初の,超破裂の場所を記入したものも,そこを続けないように読むようにすれば,
この目的で使うことができます.
次は L の部分は「ウ」の濁ったような音だということを明示する方法を考えてみます.
では,いくつかのミニマルペアの単語対を,
- シンプルに L' ight と R' ight の記法
- ちょっとごてっとしてますが,L(ウ#)ラight と R(ウ~) ら ight の記法
で書いておきますので,発音練習が楽になるか試してみてください.
できれば,小破裂のの音が出ないように発音してみて,だめだったら,そこではなく,その前の「ウ#」や「ウ~」に近い音が,L/R の音だと思い込みながら発音してみてください.あるいは,最初は小破裂がでないように練習して,なれたら,小破裂がでても,その前が L/R の音だと思い込む練習でも良いかもしれません.
まず,L' ight と R' ight の記法です.
No. | L | R |
1 | L' ight | R' ight |
2 | L' ead | R' ead |
3 | L' ook | R' ook |
4 | L' ed | R' ed |
5 | L' oyal | R' oyal |
6 | L' ong | wR' ong |
次に,L(ウ#)ラight と R(ウ~) ら ight の記法です.
No. | L | R |
1 | L(ウ#) ラ ight | R(ウ~) ら ight |
2 | L(ウ#) リ ead | R(ウ~) り ead |
3 | L(ウ#) ル ook | R(ウ~) る ook |
4 | L(ウ#) レ ed | R(ウ~) れ ed |
5 | L(ウ#) ロ oyal | R(ウ~) ろ oyal |
6 | L(ウ#) ロ ong | wR(ウ~) ろ ong |
以上,いろいろ思いつく工夫を書いてみました.今のところ,うまくいくかどうか
よく分からないのですが,皆さんも,工夫して練習してみてください.
2024.10.18 (金)
「母音剥がし」における視覚的工夫では,日本語での,
「子音+母音」という強固に結びついている音韻体系で育った私たちの音の認識機能において,子音から母音を切り離すの容易化するために,視覚的な方法が使えないかということを話しました.
それで.思ったのですが,私たちの音韻の認識機能は,書き言葉から結構な影響を
受けているのじゃないでしょうか.
例えば,英語圏と日本語圏で,それぞれ次の問を行ったとします.
- 英語圏の人に,「"RA" は何文字からなっていますか?」と問う
→ 2文字との答えが返ってくるはず
- 日本圏の人に,「"ら" は何文字からなっていますか?」と問う
→ 1文字との答えが返ってくるはず
「文字数」だとこれで正解なんですが,これを「音」でやってみるとどうでしょう?
- 英語圏の人に,「"RA" は何音からなっていますか?」と問う
→ 2音との答えが返ってくると思います
- 日本圏の人に,「"ら" は何音からなっていますか?」と問う
→ 1音との答えが返ってくると思います
私は,自分自身,ローマ字など,日本語をアルファベットで「子音+母音」で表現する体系を習ってないなら,迷いなく "ら"は1音と答えると思います.
こういう,言語における音声の単位を認識するときに,書き言葉の文字は
かなり影響を与えるような気がします.
戦前,戦後を通して,日本でも,何度も,
かなや漢字をやめてローマ字表記にしよう
という提案が行われ,その度に,受け入れられず,私たちは,
かなと漢字の表記体系を保っています.もし,この提案が受け入れられて,日本はローマ字表記になっていたら,
だんだん,音韻の認識様式が変わって行って,言語を構成する音声の最小単位は,子音と母音だと思うようになっていたのでしょうか? そして,もしかしたら,私たちは今ほどは L/R の区別に苦労していなかったのでしょうか?
日本はそうならなかったので,if を考えてもしかたがないのですが,
例えば,
- 他のアジアの国で,やはり,モーラが音声の最小単位の言語があって,
- その地域が欧米により支配を受けて,書き言葉のアルファベット表記に
変わって
- 書き言葉が変わる前と現在の音韻が詳しく調べられていて
という例のデータがあると,書き言葉によって,言語の音韻が変わるかを調べられると
思うのですが,個人でそれを調べることはなかなかできません.書き言葉が変わった例としては,モンゴルがキリル文字に変わったとかがあるのですが,音韻構造が変わったかまでは分かりません.
それで,とりあえず,ChatGPT にそういうことはあるかと聞いてみたのですが,
東南アジアでそのように,書き言葉がアルファベットに変更された例はあるが,
書き言葉は音韻構造にまでは影響を与えませんでした
と言われました.ChatGPT は国名まで言っていましたが,ここではそれはぼかしておきます.
まあ,生成 AI の言うことですから,正しさは保障される訳ではないですが,
とりあえず,浮かんだ疑問と,ChatGPT が No と答えたことをメモしておきます.
2024.10.15 (火)
考えられる子音からの「母音剥がし」では,
L/R + 母音が,通常,ccc cv vvv となりやすく,日本人は子音から母音に切り替わるときに起こる小破裂 cv の音に敏感なので,ccc を聴けない.ccc に注意を向けるために,cv を発音しないで単語を発音してみて,それをよく聴く
という練習方法を述べました.
でも,これは難しいです.light/right や loyal/royal などを通常のスピードで発音するとき,小破裂 cv はついつい起こってしまいます.
ただ,これが起こりにくい母音があります.それは,「う」です.小破裂は,息の流れが急激に解放されるときに起こります.普通,子音単独の L/R を発音するとき,口の空洞は,日本語の「う」の形に近いです.したがって,子音単独の L/R を発音した後,「う」を入れても小破裂は起こりにくいです.例えば,子供の発音などで,room が「ウーム」に聞こえることがあります.まあ,子供は,あまり発音ができないときは,r がうまく発音できずに w になってしまうことがあるみたいですが,あとに上げた Youtube の聞き分け問題でも,子供が room を「ウーム」のように発音しているものがありますので,それはネイティブには明確に R の発音として認識できるものなのでしょう.
L の方の発音は舌を歯茎の裏から勢いよく離すと小破裂は起こってしまいますから,ゆっくり離すか,あるいは,L は諦めて,しばらくは R の音価をじっくり味わうことにするかにしたら良いと思います.
L/R の発音の後ろが「う」に近い母音のミニマルペアを上げておきます.これらは,小破裂 cv を起こすのを抑えるのは比較的容易なので,自分で発音してみて,子音単独の L/R を味わってみてください.
No. | L | R |
1 | look | rook |
2 | loot | route |
3 | loom | room |
route はイギリス発音ではルートで,アメリカ発音ではラウトみたいな発音になることがあるみたいです.
2024.10.15 (火)
上の「母音剥がし」その2 - 小破裂の起こらない母音を使う -で,「う」の前では R/L とくに R の小破裂 cv が起こりにくいと書きましたが,他の母音も考えてみたいと思います.英語には沢山の母音がありますが,およその口の形を考えればよいので,簡単のため,日本語の「あいうえお」で考えます.
- 「あ」や「あぃ」
標準的な子音単独の L/R の発音より,口を上下に開けるので,cv の小破裂が起きやすいです.でも,後の「おぃ」よりは起きないので,注意深く舌や口を動かせば小破裂は起きないようにできます.try の発音がよく,日本語で書くと「ちゅあぃ」のようになるのですが,このときは R から「あぃ」のところで小破裂は起こってません.小破裂が起こると,「ちゅらぃ」のような発音になって,我々日本人にもtry と認識しやすいです.
- 「い」,「いー」
標準的な子音単独の L/R の発音より,口を開けないので,cv の小破裂は起きにくいです.read は,ときどき「うぃーど」とかと聞こえることがありますので,そういう理由かと思います.
- 「う」,「うー」
すでに言ったように小破裂は起きにくいです.「いー」のときは,L/R の発音がそれに引っ張られて若干変質するような気がするので,標準的な子音の発音の音価を知るには,この母音が良いのではないかと思います.
- 「え」
小破裂が起こるような気がします.
- 「お」
long/wrong などですね.「あ」と同じくらいに小破裂が起こるように思います.
- 「おぃ」
loyal/royal などですね.こちらは,「お」や「おー」より強い小破裂が起こるように思います.なぜでしょうね.「お」をすぐ「ぃ」で閉じないといけない動きが影響しているのかもしれません.おかげで,私は royal は,最初に日本語の「ろ」に似た音が聞こえて,L と間違うという失敗を繰り返しています.
以上,大雑把ですが,L/R の次の母音,特に R の次の母音の種類による小破裂 cv の
起こり方を概観しました.
2024.10.15 (火)
上の「母音剥がし」その2 - 小破裂の起こらない母音を使う -で L/R から母音「う」に移行するとき,小破裂 cv は起こりにくいという
ことを書いているとき,思いついたのですが,機械による音声合成では,小破裂 cv は
起こってないかもしれません.
例えば,google の英日翻訳
Google翻訳(英語 to 日本語)
で
light and right
と入れて,スピーカーのマークを押して発音させてみると,あまり,cv の小破裂は聞こえないように思います.私は歳のせいもあり,耳があまり良くないのでよく分からないのですが,人間が発音するほど,cv の小破裂は挿入されていないように思います.普通は,機械による音声合成でも,子音や母音を単に並べただけではなく,それらが自然につながるように調整を行うのですが,cv の小破裂はその調整に入ってないのかもしれません.あるいは,音声合成を行うソフトウェアに依存することかもしれませんが,私は,上の音声合成で気になるほどの cv の小破裂は聞こえませんでした.
もし,そうなら,これを使ってヒアリングの練習ができると思います.まずは,これで,L/R の音価をしっかり把握します.小破裂 cv があるときは,その前にこの音が出ているはずだと思って練習するのです.
あとは,たぶん,人間の発音では,cv の部分が聞こえることがあると思いますが,
それに惑わされない丈夫な心を持ち,雨にも負けず,風にも負けず,日々,練習を続けて行けば,L/R の識別ができるようになるのではないかと思います.
P.S.
これを書いた後,やっぱり気になったので,ChatGPT (3.5) と小一時間,英語の
音声合成について会話してみました.
古い時代の音声合成についての ChatGPT との会話 - アクセントの処理と過渡音の処理 -
生成 AI との会話ですから,もしかしたら,
私が答えを誘導してしまったかもしれませんが,単語内の子音と母音の間には
自然に聞こえるように過渡音というのを入れるらしいです.つまり,
子音や母音の
音素だけを単に並べただけでは,いかにも機械で作り出した音声のようで聞き取りにくいので,滑らか(自然)に聞こえるように調整する訳です.その滑らかさの中には
音を平滑する部分と逆に急激な舌の動きなどで発声する音を挟む処理があるみたいです.ただ,私が聞いた音声合成では,上で書いたように過渡音はあまり聞こえませんでした.
2024.10.10 (木)
英語をはじめとするヨーロッパの言語では,リンキングという現象があります.
ある単語の後ろと次の単語の前がつながってしまい,1つの単語のように発音されることです."on it" が「オニット」に聞こえるなどがあります.
ここでは,リンキングが起こった時の L/R の聞き分けを考えるわけではなく,
「L/R の後ろに母音がつながる」ことと「リンキング」は似ていそうなので,
これらの関係を理解しておこう
ということです.
そもそも,音がつながるという現象はどういうことでしょうか?
どうも,
二つの音素が時間的に 0 距離で隣接するだけでは無い
ようです.
人間が,それら二つの音素を続けて発音した場合に間をつなぐ音を入れることがあり,それが発現している
ということのように思います.
ちょっと言語学,音声学の専門的な説明は調べてないのですが,自分の発音を
振り返ってみるに,リンキングにより,
- 単に 0 距離で並べたのとそれほど変わらない場合
roof of るーフォヴ, teeth and ティーサンド
- 単に 0 距離で並べた以上の音の変化がある場合
on it オ(ン)ニット, shut up シャ(ド)ラップ, water ワラー, right (る)ライト
の二つがあるように思います.皆さんの中には,「この分け方が納得いかん」という
方もいらっしゃると思います.「るーフォブ」だって,f と o がつながって,「フォ」という音になっているじゃないか.これと
「オ(ン)ニット」とどこが違うのか?と
思われる方もいらっしゃると思います.私もそれほど自信があるわけではないのですが,「るーフォブ」は,単に f と o が 0 距離でつながっているだけで,「オ(ン)ニット」は,「オン」と「イット」の間に「ニ」が入っているように思うのです.
shut up の場合はさらに顕著で,日本語の「ら」に似た音が,
弱有声音化して d になった t の後ろに入っています.
後者は,二つの音の間で,舌の動きが起こるとき,意図しない音が入ってきているように思うのです.上の roof of は f の位置まで無声音です.その後,有声音である母音 o に移行するために,
舌を動かしますが,このとき声帯はまだ震えていません.
それで,舌の動きで特段意図しない音はでていないのではないでしょうか.
それに対して,on it や t が弱有声音化して d になる
shud up では,舌が次の母音の位置に
動くとき,すでに声帯が震えています.やってみれば分かりますが,声帯が動いているとき,舌の動きを無音で行うのは大変です.ここで無音と言っているのは,前の有声子音や後ろの母音以外の音です.
言語学や音声学の深い知識なしの説明で申し訳ないのですが,
有声音 → 有声音
の変化の時は,舌や顎を動かすと,本来隣接した音以外の音が入ってしまうように思います.
これが,リンキングが起こる場合の一部の場合と,L/R + 母音の聞き取り/聞き分けを難しくしている理由のように思います.
2024.10.23 (水)
L/R の識別は,L/R が語頭でなく,L/R の前に G, K, B, P, F などの子音がある場合,
例えば, glass/grass のような場合は,聞き分けが
少し難しくなります.幸いなことに DL, TL で始まる単語は英語にはありませんから,それらの子音の場合は R です.
ということで,
- glass と grass
- glow と grow
- blue と brew
- play と pray
- flee と free
...
の場合は,語頭にある場合よりさらに難しくなります.さらに,語頭の場合使えていた,「R の場合は小さな「ぅ」が聞こえる」という民間療法も使いにくいです.
これは,たぶん,L/R の識別が
- L/R の前の子音のために聞きにくくなっている
- L/R の後の母音のつなぎに入る「ら」のような過渡音(cv部分)に邪魔されて聞きにくくなっている
という二重苦のせいだと思います.
ただ,前に子音が来るからと言っても,その音節にアクセントがある場合は L/R の
強度はある程度上げられ,また持続時間もそれなりにあるようです.
それで,この識別練習の方法の決定打は分からないのですが,現状(2024.10.23 (水))で思いつく練習方法を書いておきます.
glass/grass などでの L/R の聞き取りと識別の練習方法
glass/grass においての L/R の識別では,g の影に隠れて聞こえにくくなっている L/R について,その後の母音へのリンキングで発声する日本語の「ら」上の音にごまかされずに聞き取らないといけない.
この二重苦を解決するために,まず,うしろの「ら」状の音が発声しないように,
gl/gr だけで発音,聞き取り練習をしてみる.後ろの「ら」状の音を「あ」と聞き取る練習は他の「母音剥がし」の練習で能力が向上するのを待つ.
L/R は半母音的な音なので,実は,G, K, B, P, F につなぐのはそれほど難しくない.
ということで,次の組み合わせで,しっかり子音単独の音を聞きとる練習をしてみましょう.
- GL-, GR-
- KL-, KR-
- BL-, BR-
- PL-, BR-
- FL-, FR-
ここで,
- は L/R の音を伸ばすことを意味します.すでに述べたように,L/R はどれだけでも伸ばせる子音です.そして,
意識が,L/R の部分に十分向くようになってきたら,だんだん短くします.でも,
あまり短くしすぎないようにしてください.普通の発音で,これらの音はある程度の持続時間を持っていて,日本語の子音よりはかなり長い音です.
あと,DL, TL で始まる単語はないので,聴き分けには関係ありませんが,
Dr, Tr はときどき,日本人には,「ヂュ」,M/bb>「チュ」と聞こえることがある.
これは,r の半母音的な性格から,その前に,子音 D, T がついた時の音なのだが,
Try は「チュアイ」と聞こえたりすることがあるので,日本語の癖が抜けきってない人は注意しておいた方が良い.この場合も,D や T に半母音 R が普通についた音と理解してよい.「チュアイ」は,Try の Tr + y[ai] で後ろの過渡音がでなかったケースである.過渡音が出た場合は「チュライ」のような聞こえ方をする.
よく出てくる単語としては Drive が「ヂュアイヴ」,「ヂュライヴ」と聞こえるということもある.
ということも抑えておいた方が良いと思います.
他にも方法を思いついたら,この項目は更新していくことにします.
2024.10.10 (木)
Youtube には多くの方々が,英語の発音の動画を上げてくださっていると思います.
そのなかで私が時々練習に使うものをいくつか上げておきます.視聴するかどうかの
参考にするために,その動画の長さ(時間)もタイトルの後ろに書いておきます.
他にも参考になる動画がいろいろあると思います.
私も,参考になりそうなものを見つけたら,追加するかもしれません.
2024.10.14 (月)
L/R を聞き分けるのに,ccc (cv) vvv の cv に騙されず,ccc を聞くようにすると
いう方法は,他の似た子音のペアを聞き分けるのにも役に立つはずです.
日本人が
聞き分けにくい子音のペアとしては,
- B と V
- S と TH (無声)
- Z と TH (有声)
- S と SH
・・・
などがあります.
この中でも,例えば,B と V は,破裂音と摩擦音で間違えようが無い音のペアです.
カタカナで書けば,
B は「ブッ」という音 v.s. V は「ヴー」という音
となり,これらの子音単音同士では,日本人でも間違えようが無いと思います.要は,B には破裂があり,V には破裂がなく,定常的な振動が続く音です.
実際に文章で書いてるだけではなかなか分かりにくいので,Youtube から見つけた B と V の練習動画を1つ紹介しておきます.
現在,Youtube はこのような語学の動画の宝庫ですから,皆さんも探してみてください.その中で,B と V の子音単独での発音を示してない動画が沢山ありますから,
まずは,上の動画のように,後ろに母音を伴わない発音があるもので,それらの音価を確かめた方が良いと思います.その後で,母音が後ろにつく場合で,ccc の部分での認識を練習するのが良いと思います.
2024.10.14 (月)
みなさんの中には
L/R や B/V, S/TH が区別できなくとも,会話をするとき,そんなに困らない.
大体,文脈で分かるし,分からなければ聞き返せばよい.そんなことにエネルギーを使うくらいなら,
他のこと,例えば,話の内容を重要なものにしたり,分かりやすく話すように
することにエネルギーを使うべきだ
という意見の人もいると思います.
確かにその通りかなとも思うのですけど,第一に,私は,
英語の L/R が区別できるようになりたい.大体,日本人が英語の L/R を
区別できないのはなぜなんだろう
ということを考えるのが趣味だし,残りの人生,それほど沢山やることもないし,
あれやこれややってるとお金がかかって仕方がないので,この問題をやっている訳で,
特に優先順位をつけて他のことをやる必要はないわけです.
それと,この聞き分けをやっていて,一つ気が付いた,「子音が聞けるようになることの効能」があります.それは,
英語が今までよりはっきり聞こえるようになることです.
このページで述べた子音を聞く練習というのは,英語の子音(c)+母音(v)の音は
ccc (cv) vvv
のようになっているので,日本人が囚われやすい (cv) のところに惑わされずに,
きちんと ccc の部分を聞くようにしましょうということでした.
これは,逆に言うと,多くの日本人は,
ccc のところは聞けていないか,雑音と思っていて,わずかに聞こえる (cv) のところを手掛かりに英語の音を聴いて,単語列を分別している
ということです.つまり,日本人にとっては,英語ネイティブが発音した英語の大部分が雑音でカスミがかかったような音の列から,その中から意味を構成する単語列を苦労して聞き取っていることになります.
私が,L/R の分別のために,L/R に関して ccc の部分を聞く練習を始めたころ,
急に英語がクリアに聞こえ始めたのです.たぶん,これは,L/R に関して,ccc を
聞く練習が,脳に,その部分に他の子音もあるということを認識させ始めたのだと思います.
「急にはっきり聞こえ始めた」というのは感想にすぎませんから,これは気のせい
かもしれません.検証してみる必要はあります.それには,他の子音についても,ccc の部分を意識して発音,ヒアリングをすれば良いでしょう.これは,今,B/V, S/TH などで部分的に始めています.その内,もう少し本格的にやってみたいと思います.
ということで,仮説ですが,
ccc (cv) vvv の中の ccc の部分を聞く練習は,いままで,雑音だと思っていた部分を有効な情報に変え,英語話者が何を言っているかクリアに聞けるようになる
という効能があるかもしれません.
2024.10.14 (月)
これだけ,大人になっても L/R の分別ができない人が多いということは,
日本の学校教育で英語の L/R が出来るようになるケースは少ないということでしょう.大体,
学校での英語教師が全員,L/R を分別できるかどうか怪しいと思います.ここで,L/R が分別できるということは,英語ネイティブが作成した L/R 分別用のテストが,100%,
つまり,100問中100問正解できるということを意味するとします.90%くらいなら出来る人は多いと思いますが,英語ネイティブが作成したテストということは,英語ネイティブならまず間違えないものを作っているはずだからです.
英語ネイティブの発音講座も,Youtube などにあり,丁寧に発音の方法や,子音,母音の音の特徴を教えてくれています.それらを聴いても,日本人学習者の中には,
L/R の分別がきちんと出来るようになる人は少ないです.問題は,ネイティブの教師の音声の認識過程は無意識の領域にあり,かならずしも,その過程を言語で説明できないことです.また,彼らの教育の対象である,ノンネイティブがどのように認識しているか,そのどこが悪いかも分かってないことだと思います.
それで,もし,ccc cv vvv の中の認識するポイントが,日本人か英語ネイティブで
cv か ccc と異なっているなら,どんなに丁寧に教育しても無駄な訳です.
これだけ学校教育や英語ネイティブのよる発音指導でも,日本人に対して成果がでない状況があるので,これは根本的な理由をきちんと考えないといけないと思います.
一説によると,人間は子供のころ,子音や母音の識別能力が母語にチューニングされてしまうので,大人になってからは 100% の認識になることはないという人たちもいます.
しかし,私は,子供のころチューニングされるのは音声のどの部分を母音や子音として
切り出すかという能力であり,それは,ある程度の可塑性を持っているので,
大人に
なってからでもチューニング可能と思うのです.
まあ,単に私の思い込みを書いただけなので,例えば,私や他の誰かが 100% の認識率になる
ことができれば,英語教育への反映が可能になってくるのでしょう.
2024.08.17 (土)
(この話は若干自信がないです.自信の無さの理由は
この話の最後に書きます)
皆さんも,
「英語のアクセントは母音の上にある」
と習ったのではないでしょうか? 私はそう習いました.
そして,その時は,すごい違和感を感じました.
なぜかというと,アクセントは,「母音の上」であって,「音節の上」では
ないからです.日本語では,もう少し,細かな単位があって,「拍(モーラ)」まで分解能が上がると思いますが,「モーラの上」でもなく,
「母音の上」です.
「母音の上」ということは,その前にある子音と明確に分離できていると
いうことです.日本語ではできません.例えば,日本人は,right は
る(R) あぃ(Ai) と(T)
とは発音せずに,
らぃ(Rai) と(T) or
ら(RA) い(i) と(T)
と発音します.R と Ai は個別に発音している訳ではなく,R の発音の
形(舌の位置口の開き方など)に,次の Ai の口の形や息の通し方を合成して,
Rai で発音していますので,アクセントが Ai の上にくるという表現にも
そういう認識にもなりません.
この(私の)予想は,英語に関するいくつかの日本人の発音とヒアリングの
困難を説明します.
- 日本人は子音が弱い,短い
→ はい.基本,子音は発音してなくて,その後ろの母音の出だしを
ちょっと変える役目だけなので,一瞬の音です.かなり英語ができる
人でも子音単独では発音していません.
- L と R,B と V の区別が苦手
→ 子音単独の部分には意識はいかないので,あまり差のない,母音の
始まりの部分を認識しようとしているので,分別は難しいです.
そこは英語ネイティブにとって,ゴミの部分なので,確かに
前の子音に影響を受けて,音色は変わりますが,他の要素にも影響を
受けて,安定しません.
- 英米人が早口になったとき,Can you が「キャニュー」になるなど,
リンキングが起こって認識が難しくなる
→ たぶん,英語ネイティブは「キャニュー」なんて言ってません.単に早く発音しているだけです.
日本人がわざわざ入れる拗音の「ニュー」は,ネイティブが早く発音するときに
発生する「ゴミ」の部分を拡大しているだけです.英語ネイティブさんも,ゴミは多少出していると思いますが,そこのゴミを拡大されると聞き苦しいこと,
この上ないのではないかと思います.
- see を日本人は「シー」と発音するが,しばしば,ネイティブから
カタカナで無理に書けば「スィー」と言うように矯正される
つまり,日本語の癖で,後ろの「イー」の出だしだけ S風味を添えた
発音になるように口の形を整えて,「イー」と言っている訳ですね.
その結果,S がネイティブにはきちんと聴こえないような発音に
なってしまうので,S をきちんと発音するように矯正される(かな?)
という感じなのかなと思い始めています.
これを解決するためには,
ついつい,子音の後ろの母音が,前の子音とつながって
ことを止める
いわば,子音からの「母音剥がし」が必要なのではないかと思います.
以上,特に音声学などでの定説という訳ではなく,私が最近思うことでした.
英語ネイティブの知り合いはいないので,確かめてはいません.仮説の段階です.
たぶん,英語ネイティブだけでなく,ヨーロッパの言語を母語とする人たちは
子音単独での発音とヒアリングがある程度できると思います.スペイン語などは
「子音+母音」という開音節が多いですが,たぶん,日本人よりはましだと思います.
アクセントが音素ごとの詳細度で見たときにどこにあるのか自信がなくなってきました.
私は,昔,母音の上にあると習っていたので,そうだと信じ切っていたのですが,
いろいろ英語を聴いてみると音節全体にあるようにも思えます.
例えば,telephone という単語は,tel の部分に第1アクセントがあり,fou の部分に第2アクセントがあります.
母音の上にアクセントがあるなら,e が強く,長く,少しピッチを上げて発音されるのですが,実際の発音を聴いてみると,tel 全体が強調されているように聞こえます.
もちろん長くなっているのは e の部分だけなのでしょうけど,強く発音されるのは t もです.文章だけの説明では分かりにくいでしょうから,文字の大きさを変えて発音の
イメージをカタカナで書いてみます.
アクセントの付け方 | 発音のイメージ |
音節にアクセントを付ける | テーレフォゥン
teləfoun |
母音にアクセントを付け,かつ,その音節も強調する | トゥエーレフォゥン
teləfoun |
最初の t の音が大きくなっているのは,tel にアクセントがない intel という単語と聴き比べてみると分かります.telephone to intel を Google 翻訳でしゃべらせてみると最初の t は intel の t より大きく聞こえます(音声合成なのであてにならないかもしれませんが).
アクセントは英語で stress を使いますが,インターネット上でググってみると,
母音にあるという説明と音節にあるという説明の両方が出てきます.これはもう少し調べたり考えたりしたいと思います.
ということで,ここの話は,現在,書いた本人がこういう疑問を持っているという程度の話と思ってください.
2024.10.23 (水)
(誠意作成中)
L/R の母音剥がしの改良
このページの主題は,英語の L/R の聞き分けの練習方法を考えることですが,
- 母音剥がしが基本的な方法
その方法は,L/R から母音に移行するとき起こる日本語の「ら」に似た過渡音に騙されず,その前に出ているはずの L/R の子音単独の音をきくこと
- 他の子音も状況は同じ
英語は子音が多く,また,L/R 以外の子音も母音からの独立性を持ち,
日本人はそれら子音単独部分を聞けていないので,子音単独の部分を聞く練習は,英語の音全般を聞く能力の向上につながる.
ということで,この母音剥がしの練習を英語の子音全般に拡張しようと考えました.
その拡張過程で,母音剥がしの練習はもう少し簡単なもので構わないのではないかと
思い始めました.L/R の母音剥がしは,
- 子音単独の音を聞いてそれを把握すること
- light/right など実際の単語で,
- 子音 L/R の部分を強調(強く,長く)して,
- また,母音への過渡音を出来るだけ出さないか,
- あるいは,出してもそれを母音側にくっつけて意識させ,
子音単独の部分に意識が行き,そこを聞き取れるようにする
という方法でした.ここで,
この2番目の母音剥がしの練習は実際に存在する単語でやらなくとも,いくつかの母音を後ろにつけて練習するたけで良いのではないか
と思い始めたのです.
要は,
L/R からの「ら」行の過渡音は,後に続く母音が
日本語の「あいうえお」でおこりますから,それで練習すればよいのではないか
ということです.
- ル(L)ー(ら)ア
- ル(L)ー(り)イ
- ル(L)ー(る)ウ
- ル(L)ー(れ)エ
- ル(L)ー(ろ)オ
と発音して音をよく聞く練習です.ここで「ル(L)ー」は子音 L の発音で,
上付の「(ら)」などは母音に移行するとき舌の動きで,どうしても出てしまう
過渡音です.できるだけ出ないようにしたら,良い練習になるのでしょうが,
出た場合も,そこから母音側と思うようにし,その前の「ル(L)ー」を 子音単独の L と思うようにする練習です.これで,「る(L)ー」の部分に音があることと,そのときの L の響きを頭が意識できるようになります.最初は1秒くらい「ル(L)-」と言って,慣れたら,0.5秒,0.3秒,0.1秒と短くしていき,それでも「ル(L)-」の部分を意識できるようにします.この短くしたときも「ル(L)-」の部分を認識する練習は,L の実際の音を頭の中に刻み込むのにも良い練習になっています.
本当は,実際に英語にある母音でやるのが良いとは思います.
したがって,「アイウエオ」をそのような母音と入れ替えたり,あるいは,
「アイウエオ」は機長の母音としますが,さらに,過渡音が起こりやすい,[oi] などの発音も加えたりというような改良はあり得るかなと思います.
一般の子音の母音剥がしの練習方法
L/R の母音剥がしをして,L/R の子音単独がある程度聞けるようになったころ,
毎朝聴いている,色々な英語の動画が急にクリアに聞こえるような気がしてきました.
それで,
今まで子音があると思わなかったところの子音が多少なりとも耳に入り始めたのかな?
と予想したわけです.
確証のある話では無いのですが,自分的には,たぶん,これは正しいと思っています.
そうすると,英語の聞きにくい子音について,母音剥がしと子音単独で聞き取る練習をすれば,英語が今までよりかなり聞き取れるのではないかなと思ったわけです.
たぶん,子音はある程度独立とはいいながら,母音より短かったり,あまり強調されないので,半分聞き逃していたということはなく,せいぜい 1/3 の音をきちんと拾えてなかったという見積かもしれませんが,それが聞けるようになれば,何を言っているのか音だけは拾えることになります.
もちろん,英文全体の子音をまったく拾えてなかったわけではなく,日本語的な子音,つなり,子音から母音への過渡音となった子音は拾えていたはずなのですが,そこはゴミが沢山はいる訳ですから,英語ネイティブが比較的丁寧に発音している子音単独の部分を耳で拾うことにこしたことはありません.
最初は,その練習方法として,多量の英文を解析して,出現頻度の多い単語を使って,
母音剥がしの練習をしようと思っていたのですが,やはり,簡単に練習できるくらいの少数の単語ではあまり多くの英文をカバーすることはできません.
上の L/R の母音剥がしの改良を思いついたので,とりあえず,
他の子音も,まずは「アイウエオ」で良いのではないかという気がしています.
ということで,まあ,やってみることにします.
以下では,現時点で得た知見をもとに練習方法を提案してみます.これは,やりながら追々改良していく必要があるでしょう.
英語の子音にはいろいろな子音があります.これらは,
調音する場所(唇,歯茎,軟口蓋など),
調音方法(摩擦,破擦,破裂,鼻音,流音),
有声・無声の区別などで分類されることが多いですが,
3次元にすると手に負えないので,まずは,調音方法と有声・無声の区別で
表にしてみます.
| 無声音 | 有声音 |
摩擦音 | f, s, sh(ʃ), th(θ), h | v, z, ʒ, th(ð) |
破擦音 | ch(tʃ) | dʒ |
破裂音 | p, t, k | b, d, g |
鼻音 | - | m, n, ŋ |
接近音・流音 | - | l, r, w, j |
やはり,聞き取りにくいのは,摩擦音かと思いますので,まずは,
一番エネルギーが少なくて聞き取りにくい摩擦音を聞き取る練習方法を考えてみましょう.
fの練習
(準)母音 | | 発音 | 備考 |
- | f | フ(f)ー | 母音が入らないように注意してください.声帯が震えていたら母音が入っている証拠です. |
あ | fa | フ(f)ーア | 最初は「フ(f)ー」を1秒くらいに長く発音して「ア」と言います.「ア」の前は無声で,「ア」は有声音です(声帯が震える).慣れてきたら,0.5秒,0.3秒,0.1秒と短くしてみましょう.短くしても,無声音「フ(f)ー」の部分が聞こえるようにします.もしかしたら「フ(f)ー(ファ)ア」のように,小さい「ファ」が入ってしまうかもしれませんが,できるだけ入らないようにしてみましょう.でも,まあ,入っても構いません. |
い | fi | フ(f)ーイ | 同上(母音は「イ」) |
う | fu | フ(f)ーウ | 同上(母音は「ウ」) |
え | fe | フ(f)ーエ | 同上(母音は「エ」) |
お | fo | フ(f)ーオ | 同上(母音は「オ」) |
備考にも書きましたが,
- 「フ(f)ー」の部分は,母音が入らないように注意してください.声帯が震えていたら母音が入っている証拠です.
- fa 「フ(f)ーア」のときは,
- 「フ(f)ー」の部分は,母音が入らないようにして,
「ア」の部分で母音が入るようにします.
慣れないと,どちらも声帯が震えないか,どちらも震えるかもしれません.
- 「フ(f)ー」の部分を1秒からだんだん短くして0.3秒とか 0.1秒とかになると,fa と言っている意識になると思います.
そのとき,日本語の「ファ」の前に
英語の子音 f の響きが聞こえると思います.
f の子音単独の部分はそこにあります.
その後ろの「ファ」に聞こえるところは,日本語流の発音様式になっている部分です.
日本語的には「ファ」の本体でしょうが,英語的には f から「ア」に移行するときの過渡音です.
ということに注意しながら,一行を何度かずつ,「フー(f)」の部分の長さをいろいろ調整して練習してみると良いと思います.
あと,これに習って
s, sh(ʃ), th(θ), h
でもやってみましょう.h は,のどの奥で発音する音ですのでかなり頑張らないとできないと思います.
次は摩擦音の有声音
v, z, ʒ, th(ð)
です.これらも上と同じような表を作って練習してみましょう.
とりあえず,v については,練習用の表を書いておきます.
vの練習
(準)母音 | | 発音 | 備考 |
- | v | ヴ(v)ー | 声帯は震えていますが,母音の「ウー」は入らないように注意してください. |
あ | va | ヴ(v)ーア | 「ヴ(v)ー(ヴァ)ア」のように,小さい「ヴァ」が入ってしまうかもしれませんが,できるだけ入らないようにしてみましょう.でも,まあ,入っても構いません. |
い | vi | ヴ(v)ーイ | 同上(母音は「イ」) |
う | vu | ヴ(v)ーウ | 同上(母音は「ウ」) |
え | ve | ヴ(v)ーエ | 同上(母音は「エ」) |
お | vo | ヴ(v)ーオ | 同上(母音は「オ」) |
だんだん,「ヴ(v)ー」の部分を短くしていって,「ヴア」になっても,きちんと,その前に短い「ヴ(v)が入っているのを感じられる(聞こえる)ようにしてください.
無声音は,最初は無声で,最後に母音を加えるところで有声音になるというのが難しいと思います.気を付けないと,前の子音単独のところが有声音になったり,母音の「ウ」が入っていたりします.
有声音は,ずっと声帯は震えていますから,その点は簡単ですが,気を付けないと,母音に移行するとき過渡音が過剰に入ってしまいます.例えば,「ヴ(v)ーア」のときに,つい「ヴ(v)ーヴァア」のようになって,「ア」の前に破裂的に「ヴァ」の音が入り,そちらに気を取られて,最初の「ヴ(v)ー」に意識が行かず, ba と間違えることがあります.
摩擦音では,h がとても難しいです.h は喉の奥のほうで発音する音ですから,大きな音が出にくいのです.日本語の「ハ」行は,「ヒ」と「フ」は,h の発音ではありません.
ハ(h)ーア
で,「ハ(h)ー」を長く伸ばすと,ついつい,母音が入ってしまいます.その場合は
声帯が震えますので分かります.「ハ(h)ー」と声帯を震わせずに掠れるような音を出してください.
残りの音については,ちょっと考えるところもあり,追々,追加していきます.
(誠意作成中)
2024.08.17 (土)
アクセントのある音節でどの音に強勢をどれだけつけるかや,このページの主題になっている ccc cv vvv の cv をどのように入れるかについては,言語や音声学の学者
も研究しているでしょうが,音声合成をやっている人は,
具体的に計算機に指示する
プログラムを書かないといけないので,かなり具体的な知見を持ち,実験を繰り返して来たはずです.子音や母音の音素を続けて出力するだけでは,自然な発話にはなりません.
現在は,ディープラーニングを使って,より人間の発話に近い自然な発話ができるようになっていますが,発話データを使った深層学習を使ってそれを実現していると思うので,逆に,プログラムを作る側にはそのルールは認識しにくいものになっています.
したがって,深層学習が使われるようになる前,1990年代までの音声合成の
研究をみれば,アクセントの付け方や音素のつなぎ方のヒントが得られるはずです.
で,本当は,その時代の論文や教科書を読むのがよいのでしょうが,それだけの労力を割くことが,時間的にも気力的にも,なかなかできません.
それで,ChatGPT にお尋ねしてみました.
生成 AI は,知らないことはかなり創作を含んだ回答が返ってくるという特徴を持っています.「日本の『カチカチ山』という童話の内容を教えてください」という
依頼を何回もしてみたことがありますが,やるたびに,ChatGPT は,前回とは違った,面白い,
創作「カチカチ山」を教えてくれました.
したがって,その会話は,私がだいぶん誘導してしまった感じはありますが,次に内容を載せておきます.上記のように創作と私の質問への忖度を含んだ会話の可能性はありますが,真偽は別として,ここで出てくる質疑応答の内容や諸概念は L/R の分別など,
英語の聞き取りの問題を考えるとき役に立つのではないかと思います.なお,会話の
ログはテキストでとりましたので,整形と強調は私が手でやりました.
以下,ChatGPT (3.5) と音声合成におけるアクセントの処理と音素結合の処理に関する会話です.
ちょっと長いので目次を入れておきます.
アクセントの処理方法
- 音声合成プログラムでアクセントの処理はどうするのか
- 音節の中の母音に特に強勢を与えることの確認
- 日本語の場合のアクセントの付け方との対比
- 具体例 cat の発音のアクセントで日英比較
音素の結合の処理方法
- 単語内の音素列の結合処理
- coarticulation - 音素間の自然な繋がり -
- 音素間の「過渡音」
- イギリス英語における過渡音の重視 - 歯切れの良さ -
- イギリス英語で過渡音は音素認識に必須か?
- なぜ,イギリス英語では過渡音を重視するのか? - カッコ良いから? -
- ヨーロッパの他の言語における過渡音 (ドイツ語,フランス語,ロシア語,スペイン語)
- 日本語における過渡音と音素の認識
- 韓国語における過渡音
アクセントのある音節内の音素の具体的な音の強さ
私 👨: 1990年代の英語の音声合成プログラムにおいて,
音節内の音素へのアクセントはどのように処理されていましたか? 母音に最も大きなアクセントをつけて,それに先行する子音にはもう少し弱いアクセントをつけていましたか?
ChatGPT:
1990年代の英語の音声合成プログラムにおけるアクセントの処理は、主に音韻論と音声信号処理に基づいて行われていました。当時の音声合成技術は、主に フォルマント合成 や 接続型合成(データベースから録音された音素をつなぎ合わせる方式)によって発展していましたが、アクセント(ストレス)の処理はまだ限られていました。
音素へのアクセントの付け方:
母音への強いアクセント: 1990年代の音声合成では、英語の音節内でアクセントが母音に重点的に置かれることが一般的でした。これは、英語のアクセントが主に母音の強弱や長短によって認識されるためです。したがって、合成音声は母音に最も顕著な強調(音量やピッチの変化、母音の長さの調整)を与えるように設計されていました。
子音の扱い: 子音に関しては、母音に比べてアクセントは弱く扱われる傾向にありました。特にアクセントのある音節の子音は、音声合成においても通常より明瞭に発音されることがありましたが、それは母音ほどの顕著な強調ではありませんでした。一般的に、子音は音節全体のリズムに従って自然に調整されていました。
ピッチとイントネーション: 1990年代の音声合成技術は、イントネーションやピッチにも注目していました。アクセントのある母音ではピッチが上昇し、その後ろに続く子音ではピッチが下がるなど、自然なリズムを模倣しようとする試みが行われていました。このようなイントネーションの制御は、音声の抑揚を作り出し、より自然に聞こえるようにするための重要な要素でした。
限界: 当時の技術では、音声合成の自然さに限界がありました。特に、
音節内の微妙なアクセントの配分(子音と母音のアクセントの細かいバランス)を完璧に再現するのは難しく、合成音声は単調でロボット的に聞こえることが多かったです。しかし、基本的なアクセント付けは、母音に重点を置き、子音はそれに従う形で行われていました。
全体として、母音が主に強調され、それに従って子音が調整される形でアクセントが処理されていたと言えます。
私 👨:
英語の場合,アクセントのある音節でも先頭の子音に母音と同じくらいのアクセントをつけると不自然になるのですね.
ChatGPT:
はい、英語の場合、アクセントのある音節でも先頭の子音に母音と同じくらいの強いアクセントをつけると不自然に聞こえることがあります。英語のアクセントは主に母音の音質(長さや音量、ピッチの高さ)に依存しており、子音はそれに比べると重要度が低いです。以下の点が理由です:
母音にアクセントが集中する: 英語のストレスは音節内の母音に最も強く表れます。アクセントのある音節では、母音が長く、はっきりと発音される傾向があり、ピッチが上昇することも多いです。これがリズムやイントネーションの基盤となるため、アクセントの大部分は母音に集中します。
子音の役割: 子音は音節の構造を形作る役割を持ちますが、アクセントがある場合でも、母音ほど強調されることはありません。特に音節の先頭にある子音は、アクセントがついている音節の「導入部分」として機能し、比較的短く、軽く発音されることが普通です。たとえば、"strong" の "str" は明瞭に発音されますが、アクセントは「o」の部分に集中しています。
不自然さの原因: 子音に母音と同じくらい強いアクセントをつけると、英語の自然なリズムや流れが崩れる可能性があります。英語はリズムが強弱(強勢と非強勢)に基づく言語であり、母音に重みが置かれるため、子音が過度に強調されると機械的に聞こえるか、英語のリズムから逸脱してしまいます。これは、特に音声合成や非ネイティブの話者による発音で顕著に感じられます。
子音クラスタや破裂音の場合: 子音クラスタ(例: "str" や "pl")や破裂音(例: "p", "t", "k")の場合、子音が明瞭に発音されることはありますが、あくまで音節全体を明確にするためのもので、アクセントの重みが母音に移ることには変わりません。
つまり、アクセントのある音節では、母音が中心的な役割を果たし、子音が母音を支える形で調整されることが英語の自然な発音の特徴です。
私 👨:
日本語の場合はどうでしょうか? 音節に相当するのはモーラだと思いますが,先頭の子音には母音と同様の強勢を付けますか?
ChatGPT:
日本語では、英語のような「強弱アクセント」ではなく、ピッチアクセントが使われているため、強勢の概念が異なります。具体的には、日本語ではモーラ(音の単位)が発音のリズムを形作っており、各モーラがほぼ均等に発音されます。そのため、モーラ内の子音と母音に同じ強勢を付けるかどうかについての答えは、英語とは異なり、強弱の概念がそもそも適用されないと言えます。
以下、日本語のアクセントとモーラに関する特徴を説明します。
1. 日本語のピッチアクセント
日本語はピッチアクセントを持つ言語です。これは、音の高さ(ピッチ)の違いによって意味の区別がされるというもので、英語のような強弱によるアクセントとは異なります。たとえば、「はし」という単語は、ピッチの違いによって「箸」(低→高)、「橋」(高→低)、「端」(低→高)という異なる意味を持ちます。
このピッチの変化は、モーラ(拍)ごとに適用され、各モーラは同じ長さ・強さで発音される傾向があります。そのため、先頭の子音と母音に特別な強弱をつけることはなく、音の高低がアクセントを決定します。
2. モーラと音節の違い
日本語では、音節に相当するものはモーラで、各モーラはほぼ均等に発音されます。たとえば、「た」は一モーラ、「きゃ」は一モーラですが、英語のように音節内で強い音と弱い音が明確に分かれることはなく、子音と母音は同じ強さで発音されます。
たとえば「かみ」(紙)では、「か」も「み」も同じ強さ・長さで発音され、どちらかが特に強調されることはありません。
英語の "cat" のように、音節内の子音と母音のバランスが変化することはありません。
3. 子音と母音の関係
日本語では、モーラの中で子音と母音は密接に結びついています。例えば「か」という音は、子音「k」と母音「あ」が一緒に発音されるため、子音と母音が分離されることはなく、両方が同じ強さで発音されます。日本語では、子音が独立して強調されることはなく、母音と共に1つの単位として均等に扱われます。
4. 強勢のない均等なリズム
日本語のリズムはモーラごとに均等で、1つ1つの音がほぼ同じ長さ・強さで発音されます。強勢や弱勢をつける英語とは対照的に、日本語では音の強さを意識的に変えることは少なく、音の高さ(ピッチ)の違いが意味やニュアンスを決める重要な要素です。
結論
日本語では、先頭の子音に英語のような「強勢」を付けることはなく、子音と母音は同じ強さで均等に発音されるのが基本です。音の強弱よりも、ピッチの変化がアクセントとして機能するため、子音と母音の強勢の差をつけるという考え方は、日本語の発音体系にはあまり馴染みません。
私 👨:
例えば,日本人が cat を発音する場合,キャを強く発音すると思うのですが,英語ネイティブは k の次のアを強く発音してkの強さはそれよりは弱いのですね.カタカナで書くと「クアト」のアが強く長く,クは強くはなるけど,アほどではないというようにアクセントが付けられますか?
ChatGPT:
はい、そのとおりです。英語の「cat」を発音する際のアクセントの付き方について、日本人と英語ネイティブの感覚には違いがあります。
日本人の発音感覚
日本人が「cat」を発音すると、「キャット」のようにカタカナで「キャ」の部分が強く発音されることが多いです。これは、日本語がモーラ単位で音を均等に発音する言語であるため、「キャ」の「キ」の部分が子音と母音で一緒に強調されやすく、全体的に音の強さが均一になります。そのため、日本語の感覚では、子音と母音が一体となった「キャ」のように発音され、子音の「k」も母音と同じくらい強く感じられます。
英語ネイティブの発音感覚
英語ネイティブが「cat」を発音する場合、アクセントは主に母音「a」に集中します。つまり、次のような特徴があります:
子音「k」: 「k」は明瞭に発音されますが、強さとしてはそこまで強調されません。短くはっきりと発音される一方で、次に来る母音ほどの強さはありません。
母音「a」: この部分がアクセントの中心で、英語では母音が音節の主要な部分を担います。特に「a」は長く、音がはっきりしており、ピッチや音量においても最も強く聞こえる部分です。
tの扱い: 最後の「t」は、アメリカ英語の場合、やや軽く発音されることが多く、場合によっては「キャット」ではなく「キャッ(t)」のように、止まるような音になります。
カタカナ表記でのイメージ
カタカナで「cat」の発音の強さを表現すると、次のような感じになります:
日本語風: 「キャット」 → 「キャ」に強さを感じる発音
英語風: 「クアト」(カタカナ表記で無理に表すと)→ 「ア」の部分にアクセントがあり、特に長さと強さが際立つ
この場合、子音「k」は短く、母音「a」が長く強調されるため、カタカナで表すと「クアト」の「ア」が強く、「ク」は比較的軽く感じられるというニュアンスになります。
まとめ
日本語では「キャ」のように子音と母音が一体となって強く発音されやすいですが、英語では子音よりも母音が強く、子音は短くはっきりと発音されるという違いがあります。
音の連続と過渡音
私 👨:
今度は
音素の結合方法について聞きます.英語で,
ra を発音させるとき,
子音 r の音素と a の音素を続けて発音しただけでは,子音 r が母音のような響きの音なので,
「ウア」というような音になり,人間が発音するときの
「うら」というような音にはなりません.90年代の音声合成では,
r の音の後に「ら」に近い音を挿入するような処理を行っていたのですか?
ChatGPT:
90年代の音声合成技術では、英語の「ra」のような音を自然に発音させるために、
音素同士の単純な連結だけでは不十分であり、特に「r」のような複雑な子音と母音の組み合わせには工夫が必要でした。
1. 90年代の音声合成技術
90年代の音声合成技術では、ルールベースの音声合成やフォームント合成、さらにはディファレンシャル音声合成などが主流でしたが、いずれも音素同士を連結する際に、単純に1つの音素を再生した後に次の音素を再生するだけでは不自然な結果になることが多くありました。特に英語の「r」のような音は、音声合成にとって難しい音でした。理由は以下の通りです。
「r」の音は複雑: 英語の「r」は、舌の位置や音の持続に多くの変数が影響し、しかも次に続く母音によって音質が変わるため、他の音とスムーズにつなぐのが難しい音です。単純に「r」の音をそのまま出すと、母音を伴う際に「ウ」のような響きが生じやすいです。
2. 音素間のスムーズな連結 (コアーティキュレーション)
90年代の音声合成では、コアーティキュレーションという技術が使われていました。これは、ある音素が隣接する音素に与える影響を考慮し、音素間の移行をスムーズにする技術です。具体的には、以下のような処理が行われていました:
音素間のスムーズな遷移: 「r」と「a」をただ連結するだけでは不自然な「ウア」のような音になりがちですが、コアーティキュレーションを使うことで、「r」と「a」の音素が互いに影響し合うような遷移が実現されました。「r」の音が次の母音「a」に向かって滑らかに変化するため、「うら」のような音に近づけられるように処理されました。
音声データの修正や補完: 「r」の音が母音にスムーズにつながるよう、音声合成のアルゴリズムで音声データを補完したり、特定の修正パターンを適用することがありました。これにより、r音の後に続く母音が自然に聞こえるよう調整されました。
3. 場合によっては手動で調整
当時の音声合成プログラムによっては、特に難しい発音に対しては音素のパターンを個別に設計することもありました。つまり、「r」の後に「a」が来る場合には、実際の発音に近い音素間の調整を手動で行うか、特別に定義されたパターンに基づいて発音を生成することがありました。このため、「r」の音が「ウ」っぽくならないようにするために、特定の過渡音や補正音が挿入されることがありました。
4. 現在の音声合成と比較
現代の音声合成技術(例えばディープラーニングを使った合成技術)は、膨大な量の音声データを学習し、音素間の自然な連結をより高精度に処理することが可能です。これにより、「r」や「l」のような複雑な音の遷移もスムーズに実現できます。しかし、90年代の技術ではこのレベルの自然さは難しかったため、音素ごとの調整や補完が重要な役割を果たしていました。
結論
90年代の音声合成では、英語の「ra」のような音を自然に発音させるために、単純に「r」と「a」を続けて発音するだけではなく、コアーティキュレーション技術を使って音素間の遷移をスムーズにする工夫がなされていました。また、場合によっては、特定の音素パターンに対して個別の調整を行い、「r」の音が「ウア」と聞こえるのを防ぐような処理も施されていました。
私 👨:
コアーティキュレーションについてもう少し詳しく教えてください.r から a への推移をスムーズにするだけでは「ウア」に聞こえてしまうと思います.人間が発話するときは,その間に少し破裂音的な音が入ると思います.その破裂音的な音は単に平滑化では得られないと思います.あらかじめそういう音を用意しておいて入れたのですか?
ChatGPT:
コアーティキュレーションについて、もう少し具体的に説明します。
1. コアーティキュレーションとは
コアーティキュレーション(coarticulation)は、隣接する音素が互いに影響を与え合う現象で、発話時に自然な音声の流れを作り出すために重要です。人間が発音するとき、一つの音素を完全に終わらせてから次の音素に移るのではなく、音素が次の音素の影響を受けながら滑らかに遷移します。たとえば、英語の「ra」の発音では、子音「r」と母音「a」が一緒に調整され、両者がスムーズに接続されます。
しかし、この単なるスムーズな遷移だけでは、人間の発音で起こる音素間の特殊な現象、例えば破裂音的な効果などを再現するのは難しいです。特に「r」から「a」への推移においては、単なる線形な平滑化では「ウア」といった音になりやすく、自然な「ら」の音にはなりません。
2. 音素の結合と補完
当時の音声合成では、単に「r」と「a」を滑らかに連結させるのではなく、音声データの補完や特殊な音の挿入が行われることがありました。これにより、自然な音素の遷移を再現するために、次のような処理が行われていました。
a. 音声データの補完
音声合成システムは、「r」から「a」への遷移を単にスムーズにするのではなく、
実際に人間が発音する際に見られる音声パターンを分析し、その特徴を合成に反映させることがありました。具体的には、音声データに基づいて、発音時に発生する微妙な音の変化や短い音素の付加(破裂音的な音)をモデル化することがありました。これにより、「r」から「a」に移行する際に単なる「ウア」にならず、「ら」に近い音が再現されるように工夫されました。
b. 特殊音の挿入
90年代の音声合成技術では、特定の音素の遷移が問題になる場合に、人工的に補完された音や、短い過渡音が挿入されることもありました。例えば、「r」から「a」への推移において、スムーズに音が連結されるだけではなく、短い瞬間的な破裂音のような成分を挿入することで、自然な「ら」に近づけるという方法が取られることがありました。
これを具体的に説明すると、「r」の音が持つ独特な響きと「a」に向かう滑らかな移行の間に、短い「破裂音」や「摩擦音」に近い音が加えられ、音声がスムーズに連結されるだけでなく、音の強弱や質感の変化が自然に聞こえるように設計されていたのです。
c. コンテキスト依存のモデル
音声合成では、ある音素の発音が前後の音素に依存するため、コンテキストを考慮した三音素モデル(triphone)などの技術も用いられました。この技術は、音素の前後の環境を考慮して、発音の際に起こる音声変化をモデル化するものです。たとえば、「ra」という音は「r」の単独音とは異なる発音特性を持ちます。そのため、「r」と「a」の間の微妙な音声変化を再現するために、このようなコンテキスト依存の音声モデルが使われました。
3. 音声合成での具体的な処理
90年代の音声合成技術では、単なる平滑化やスムーズな遷移だけでは不自然な発音になるため、以下のような処理が行われていました。
過渡音の挿入: 「r」から「a」に移行する際、短い破裂音や摩擦音のような過渡的な音を人工的に挿入することで、自然な発音に近づけました。これは、特に「r」のような音が続く場合に効果的です。
音声データに基づく補完: 実際の人間の発話データに基づいて、音素間の自然な変化を補完し、音素の連結を滑らかにする工夫が行われました。単純な線形的な結合ではなく、音声データから学習された特殊な遷移パターンが使われました。
フィルタリングや音声合成アルゴリズムの応用: 周波数成分の補正やフィルタリングを通じて、音素間の響きがスムーズかつ自然になるように調整されました。
4. 現代の音声合成との違い
現代の音声合成、特にニューラルネットワークベースの技術では、こうした音素間の過渡音や補完をより自然に再現できます。AIは膨大な音声データから、音素間の微細な音声変化を学習し、自動的に補完することができます。しかし、90年代の技術では、こうした補完が必要に応じて人工的に行われ、アルゴリズムによって音声の滑らかさが調整されていました。
まとめ
90年代の音声合成技術では、単なる平滑化では自然な「r」から「a」への遷移が実現できないため、音声データに基づく補完や過渡的な音の挿入、さらには特殊なモデルを使って、音素間の遷移をより自然に聞こえるように工夫していました。特に「r」のような子音から母音への遷移には、破裂音的な短い音や過渡音を人工的に挿入することで、自然な発音に近づけていました。
私 👨:
「過渡音」というのは良い概念を教わりました.これは英語でも技術的な用語が用意されていますか?
ChatGPT:
「過渡音」に対応する英語の技術用語は、一般的に"transitional sound" や "transition noise" です。これらは、音声合成や音響学で、隣接する音素間の滑らかな移行や、音素の変化に伴って生じる音を指します。
また、音声合成の分野では、過渡音に関連して次のような概念や用語も使われます:
"Coarticulation effects"(コアーティキュレーション効果):隣接する音素の間で発生する音の変化全体を指します。この中に過渡音も含まれます。
"Glides"(グライド):母音や音素間を滑らかに移行する音で、過渡音の一部として考えられることがあります。
"Stop bursts"(破裂音):破裂音が現れる場合、この一瞬の短い音も過渡音として扱われることがあります。特に有声音の前に出ることがあります。
"Excrescent sounds"(付加音): 意図されていない音素間に付加される音で、音声合成で自然な発話を再現する際に重要な役割を果たします。
ですので、技術文脈では「transitional sound」という用語が最も一般的ですが、専門的な議論の中では「coarticulation」や「glide」「stop burst」といった用語も関連して使われます。
私 👨:
R ではなく L の発音では,イギリス英語ではリリースが強調されます.舌を歯茎の裏から勢いよく離すような発音方法を指導されることがあります.それに対してアメリカ英語では,リリースはそれほど強調されないと思います.リリースは過渡音を出す行為のように思いますが,イギリスでは L の発音は過渡音まで含めているのでしょうか?
ChatGPT:
イギリス英語とアメリカ英語の「L」の発音における違い、特にリリース(舌を歯茎から離す動作)に関連する過渡音について詳しく見ていきます。
1. イギリス英語の「L」音の発音
イギリス英語(特に標準イギリス英語、RP=Received Pronunciation)では、
明るいL(clear L) が語頭や母音の前に現れます。この場合、舌の先を歯茎の裏にしっかりと当ててから、舌を素早くリリースする動作が重要です。このリリースの動作が強調されるため、舌を離す際にわずかな過渡音(短い破裂音や摩擦音)が発生することがあります。指導の際に、このリリースの動きを強調するのは、発音の明瞭さを保つためです。
このリリースは確かに過渡音に近い現象であり、舌を歯茎から離す際に音の変化を伴います。特に、「L」から次の母音や子音にスムーズに遷移する際、このリリースの際の動きが発話の中で目立つことがあります。
2. アメリカ英語の「L」音の発音
一方、アメリカ英語では、語末や母音の後ろに来る暗いL(dark L) が多く使用されます。暗いLは、舌の先が上歯茎に強く当たらず、舌の奥が口の奥に引っ張られ、舌全体が少し下がった状態で発音されます。このため、舌を歯茎から大きくリリースする動作が少なく、リリース音が弱いか、ほとんど目立たないことが多いです。
3. リリースと過渡音の関係
リリースの動作そのものは、過渡音と密接に関連しています。音素間の切り替え時、特に舌の動きによって発生する短い音が、過渡音として聞こえることがあります。イギリス英語では、「L」を発音する際のリリースが明確であり、この過程でリリースの際の短い音が意図的に含まれることがあるため、過渡音として扱われることもあります。これに対し、アメリカ英語ではリリースがそれほど強調されないため、過渡音はあまり目立ちません。
4. 過渡音まで含めた「L」音の発音
イギリス英語での「L」の発音におけるリリースは、過渡音を含む自然な音素遷移の一部と考えることができます。これは特に発音がはっきりしたアクセント(RPなど)で見られる現象です。リリースによって発生する短い音が、次の音素への移行をスムーズにし、より明瞭な発音を可能にしています。
一方、アメリカ英語では、リリースがそれほど強調されないため、「L」から次の音素への遷移がよりスムーズで、過渡音はあまり感じられないことが一般的です。暗いLの特性が影響し、音の切り替えがより自然で連続的に聞こえるようになります。
まとめ
イギリス英語の「L」 では、リリースが強調され、これに伴う過渡音が含まれることがある。リリースの際の音が次の音素への移行を補助するため、発音が明瞭になる。
アメリカ英語の「L」 では、特に暗いLの場合、リリースがあまり強調されず、過渡音が少ないか、ほとんど目立たない。音の遷移がよりスムーズで連続的に感じられる。
この違いにより、イギリス英語の「L」音はやや「カチッ」とした印象があり、アメリカ英語の「L」音は滑らかに聞こえるという特徴が生まれます。
私 👨:
イギリス人は過渡音が無いと L と感じないのでしょうか?
過渡音の前には子音のLの音が出ていると思うのですが,そこでイギリス人はLの判断ができますか?もしできないとすれば,同じ英語でもイギリス人とアメリカ人は言語による疎通が困難な場合もあるように思います.
ChatGPT:
イギリス人が「L」の音を判断する際、過渡音がなければLと感じないというわけではありません。実際に、L音は過渡音がなくても認識可能であり、イギリス人もアメリカ人もL音そのものを問題なく理解します。言語の疎通が困難になることは、ほとんどありません。
1. L音の判断基準
イギリス人やアメリカ人は、L音を聞き分ける際、主に子音のLそのものの音を基準にします。このL音は、舌を歯茎に当てる動作によって生成され、音素として認識されます。過渡音(リリースの際の短い音)は、Lから次の音素への移行を滑らかにするために付随することがありますが、L音そのものの認識には必須ではありません。
たとえば、「let」という単語で「L」を発音する際、イギリス英語ではリリースが強調されることがありますが、アメリカ英語ではリリースが目立たない発音が一般的です。それにもかかわらず、両者ともに「L」を明確に認識できます。つまり、L音の識別は、舌の動きによる主要な音素Lが中心であり、
過渡音はそれを補完する役割を果たします。
2. 過渡音の役割と違い
過渡音は、特にイギリス英語のようなアクセントの強い発音スタイルでは、発音を明確にするために役立ちますが、Lの認識に絶対的な要素ではありません。アメリカ英語でも過渡音が弱くても、Lの音を理解できるのは、音声の中核となるL音そのものがしっかりと存在しているためです。
過渡音がある場合でも、それはあくまで音素間の滑らかな移行を助けるものであり、過渡音の前に発せられるL音が認識の中心です。たとえば、「let」の場合、「l」から「e」への滑らかな遷移において、舌が歯茎から離れる際に多少の過渡音が生じますが、リスナーはすでに「L音」が発せられた段階でそれをLと認識しています。
3. イギリス英語とアメリカ英語の疎通について
イギリス英語とアメリカ英語の違いは、発音におけるリリースの強さや過渡音の有無などがありますが、コミュニケーションにおいては問題になりません。どちらのアクセントを持つ話者も、L音そのものを認識する能力を共有しています。
もし過渡音がなければ、イギリス人がLを認識できなくなる、ということはありません。リリースが弱い発音(アメリカ英語のような)であっても、L音は音声文脈の中で十分に認識されます。このため、英語圏内でアクセントの違いがあっても、L音の理解による疎通障害が起こることは非常に稀です。
4. 言語疎通の可能性
イギリス英語とアメリカ英語には、単語の発音やイントネーションの違いが存在するため、時折誤解や聞き取りにくさが生じることはありますが、それはL音の問題ではなく、単語全体の音韻やアクセント、リズムによるものです。しかし、L音や他の基本的な子音・母音音素が原因で疎通が困難になるケースはほぼありません。どちらのアクセントの話者も、それぞれのバリエーションに慣れており、音素の識別は非常に高い精度で行われます。
結論
イギリス英語では「L」音のリリースが強調され、過渡音が付随することがありますが、Lの認識はリリースや過渡音に依存していません。アメリカ英語のようにリリースが目立たなくても、L音は問題なく認識されます。したがって、イギリス人が過渡音がないとLと感じない、ということはなく、言語疎通の障害も生じません。
私 👨:
イギリス人がLで過渡音を出すのはそれがイギリス流でカッコ良いという意識があるからでしょうか?
ChatGPT:
イギリス人がL音で過渡音を強調するのは、意識的に「カッコ良い」と感じているからというよりも、その発音スタイルが標準的であり、アクセントや発音習慣に根ざしているためです。過渡音を含む明瞭な発音は、イギリス英語の特定のアクセント(例えば、RP: Received Pronunciation、いわゆるクイーンズ・イングリッシュなど)で重要視される特徴の一つで、言語の美しさや明瞭さを追求するスタイルの一環と捉えられることがあります。
以下の点が影響していると思われます:
1. 発音の明瞭さへの重視
イギリス英語(特にRP)では、音素をはっきりと発音することが好まれます。L音に過渡音をつけて強調するのは、明瞭さを重視する伝統的な発音のスタイルです。これは、単にカッコ良さという意識ではなく、よりクリアで聞き取りやすい発音を目指す文化に由来しています。リリースをはっきり行うことで、次の音との境界が明確になり、リスナーに対して理解しやすくなります。
2. アクセントの違い
イギリス英語の多くのアクセントでは、子音の発音が特に強調されることがあります。例えば、RPでは、音素の1つ1つがしっかりと区別されるように発音されるため、L音のリリースが自然と強調されます。これは、アメリカ英語のように音が全体的に柔らかく滑らかになるスタイルとは異なるものです。この違いが、**イギリス流の「上品さ」や「洗練さ」**と結びつくこともあります。
3. 社会的・文化的要素
特定のアクセントや発音が「カッコ良い」や「洗練された」イメージとして捉えられることはあります。イギリス英語の中でも、RPなどのアクセントは、かつて上流階級や教育を受けた人々の標準とされてきたため、その発音スタイルが一種の文化的な優位性や知的な印象と結びついていることがあります。このため、過渡音を含むL音の明確な発音も、その背景から「カッコ良い」あるいは「洗練されている」と見なされることがあるかもしれません。
4. 過渡音の意味
過渡音は音の滑らかな移行を助けるものですが、過渡音を明確に発音することは、特に意識的に「カッコ良さ」を追求するというより、発音の正確さと伝統的なアクセントの維持に由来していると考えられます。カッコ良いという意識は、後からそのスタイルに対する外部の評価として付随するものでしょう。
結論
イギリス英語でLのリリースや過渡音が強調される理由は、発音の明瞭さや伝統的なアクセントの特徴にあります。結果的に、その発音スタイルが「洗練されている」や「カッコ良い」と認識されることもありますが、それは意識的にカッコ良さを追求しているからというより、文化的・言語的な伝統の一環です。
私 👨:
イギリス人ははっきりとした過渡音がある方が自然な発話に聞こえるということですね.ヨーロッパのほかの言語もそのような傾向がありますか?
例えば,ドイツ語やフランス語,スペイン語,ロシア語はどうでしょう?
ChatGPT:
ヨーロッパの他の言語でも、発音の際に過渡音が明確に現れるかどうかは、
言語ごとに異なります。言語ごとの発音の特徴やリズム、子音と母音の扱いによって、過渡音の有無や重要性が異なってきます。以下に、いくつかの言語における傾向を挙げます:
1. ドイツ語
ドイツ語は、子音をはっきりと発音する言語として知られており、特に強い明確さを持っています。イギリス英語と同様に、発音が非常に明瞭で、特に子音のリリースが重要視されます。したがって、ドイツ語でも子音から母音への移行がスムーズかつ明確に発音される傾向があります。過渡音という概念も一部見られますが、それが過度に強調されるわけではなく、むしろ全体的に明確な発音が重視されます。
例えば、ドイツ語の「l」音は通常、しっかりとした舌の接触を伴い、母音に移行する際も明確なリリースが行われます。過渡音が感じられることもありますが、それよりも発音全体のクリアさが特徴です。
2. フランス語
フランス語では、過渡音はあまり目立ちません。フランス語は音の流れが非常に滑らかで、音素間の移行がより流動的です。子音の発音は通常、英語やドイツ語ほど強調されず、むしろ母音が重要な役割を果たします。特にフランス語の「l」音は、舌があまり大きく離れないため、過渡音を意識することは少なく、音の切り替えがスムーズです。
この滑らかさから、フランス語では過渡音という概念があまり明確に現れず、音素が連続的につながる傾向があります。
3. スペイン語
スペイン語でも、子音のリリースはあまり強調されません。特に、スペイン語はリズムが均等で、母音が非常に重要です。過渡音が意識されることは少なく、
子音と母音が滑らかにつながるように発音されます。
「l」音も、英語やドイツ語ほど強くリリースされず、舌の動きが柔らかく、過渡音を出すほど明確なリリースが行われない場合が多いです。したがって、スペイン語では過渡音はほとんど感じられないと言えます。
4. ロシア語
ロシア語では、子音のリリースや音素間の移行は比較的明確ですが、特に過渡音が強調されることはありません。ロシア語には軟音と硬音の区別があり、子音が強調されるケースもありますが、英語やドイツ語ほどリリースや過渡音が強調されるわけではありません。
たとえば、「л(l)」の音も英語の「l」とは異なり、リリースは比較的弱めです。ただし、発音の明確さを求める傾向があるため、音の移行において過渡音がほのかに現れることもあります。
総括
ヨーロッパの言語では、過渡音の重要性やリリースの強調は言語ごとに異なります。
ドイツ語では、明瞭な子音の発音が重視されるため、イギリス英語に近い傾向が見られます。
フランス語とスペイン語は、音素が非常に滑らかにつながるため、過渡音の意識は少なく、リリースも強調されません。
ロシア語では、子音が明確に発音されるものの、過渡音はそれほど強調されず、音素の移行がスムーズに行われます。
したがって、イギリス英語のLの過渡音のような強調は、特定の言語(ドイツ語など)で見られるものの、フランス語やスペイン語のような言語ではそれほど重要視されない傾向があります。
私 👨:
たぶん,日本語は,子音単独の音を聴く習慣がないので,
過渡音の部分だけを音素と思っているように思います.
ChatGPT:
興味深い考察ですね。確かに、日本語には子音単独の音を明確に聞き分ける習慣があまりありません。日本語はモーラという音韻単位を持ち、各モーラは通常「子音 + 母音」の組み合わせで発音されます。たとえば、"ka" や "sa" のように、子音と母音がセットで聞こえるのが普通です。このため、子音単独の音(例えば英語の "l" や "r" のような音)を日本語話者が強く意識しないのは自然なことです。
過渡音を音素と感じる理由
日本語話者が英語などの言語を聞いたとき、過渡音が実際の子音そのものとして知覚される可能性があります。以下の理由でそのようなことが起こると考えられます:
母音依存の発音パターン: 日本語では、ほぼすべての子音が母音とセットになっているため、英語のような独立した子音を聞き取る能力があまり発達していないことが多いです。その結果、英語の発話における過渡音やスムーズな子音から母音への移行が、音素そのものとして認識される可能性があります。
モーラ構造と滑らかな発音の違い: 英語では、子音と母音の間に滑らかな移行が行われることが多いですが、日本語ではそれがモーラとして切り分けられるため、英語のスムーズな音の移行が「子音+母音」の1つのユニットとして捉えられにくいことがあります。このため、過渡音が重要な部分として聞き取られることになります。
過渡音の明瞭さの誤解: 英語話者が発音する際の微妙な音の変化(コアーティキュレーションなど)は、日本語話者にとっては目立つ要素に感じられやすく、過渡音を「音素」や「発音の一部」として捉えやすいかもしれません。
具体例:英語の "r" と "l"
たとえば、英語の "r" と "l" は日本語にはない音であり、それぞれの音がどのように母音に続くかが、日本語話者には曖昧に聞こえることがあります。この際、過渡音が大きな役割を果たしていて、その部分だけが際立って音素のように感じられる場合があります。
特に、英語では「r」や「l」がそれ自体として発音され、そのあとに続く母音に自然に繋がりますが、日本語話者は「r」や「l」が持つ独立した音の特性を認識しにくく、結果として過渡音を重要視するようになります。
影響:日本語の発音学習
このような背景から、日本語話者が英語の発音を学ぶ際、特に子音を独立して発音し、過渡音に惑わされずに正しい音素を聞き取る訓練が必要になることがあります。例えば、「light」と「right」の区別はその一例です。
まとめると、日本語話者が過渡音を音素として感じる背景には、モーラに基づく日本語の発音システムがあり、独立した子音を意識する習慣が少ないため、英語の発音を聴いた際に過渡音が強調されるという現象があるのではないかと考えられます。
私 👨:
韓国語はどうでしょう?過渡音は重視されますか?
ChatGPT:
韓国語では過渡音の扱いが英語や日本語と異なる部分がありますが、過渡音が特に重視されるというよりは、韓国語独自の音韻体系に基づいた発音パターンが過渡音の知覚に影響しています。韓国語における過渡音の役割について以下に説明します。
1. 韓国語の音韻体系と子音の特徴
韓国語には濃音、激音、平音という音声的特徴があり、これらは主に子音に関係しています。このような強い子音の発音によって、発音の際に過渡音が生じる可能性があるものの、英語ほど過渡音が目立つというわけではありません。
- 濃音 (例えば ㄲ, ㄸ): 発音がしっかりしていて、息をほとんど伴わない。
- 激音 (例えば ㅋ, ㅌ): 強い息の伴う発音で、音がはっきりと聞こえる。
- 平音 (例えば ㄱ, ㄷ): 息の量が中間的で、リラックスした発音。
これらの子音が発音される際、音のスムーズな連結(コアーティキュレーション)は行われますが、
日本語ほどモーラ的ではなく、
英語のような強い過渡音を意識することはあまり
ありません。
2. 韓国語の音節構造
韓国語の音節は通常、子音 + 母音(場合によっては + 子音)という構造を取ります。例えば、「가」(ga) のように、子音と母音が明確に一つの音節として捉えられます。このため、音節の中での子音と母音の音のつながりが滑らかで、過渡音があまり強調されない傾向にあります。
英語やフランス語のように、子音と母音の間で明確な過渡音が聞こえることは少なく、音節単位での発音が重視されるため、韓国語話者は過渡音を特に意識しない発音習慣があるといえます。
3. 韓国語における過渡音の役割
韓国語には、母音の間に挿入される軽い過渡音が見られることもありますが、これは音素の独立した存在としてではなく、単に発音の滑らかさを維持するためのものです。例えば、「이야기」(iyagi, "話") のように、「이」(i) と「야」(ya) の間にわずかな「y」音が挿入されて滑らかに聞こえることがありますが、この「y」音が過渡音的な役割を果たすことがあります。
ただし、韓国語話者は英語話者ほど過渡音を強く意識しないため、過渡音がないと発音が不自然になると感じることは少ないでしょう。
4. 他言語との比較
韓国語は日本語と同様に、音節やモーラに基づく発音体系を持つため、過渡音をそれほど強調することはありません。これに対し、英語やフランス語のような言語では過渡音が重要な役割を果たし、音のつながりを滑らかにする役割が強調されます。したがって、韓国語話者が英語を学ぶ際には、過渡音の存在に慣れ、英語特有の音のつながりを正しく聞き取る必要があります。
まとめ
韓国語では、過渡音が強調されることは少なく、発音の滑らかさを保つために軽く使われることがあっても、英語やフランス語ほど重要視されるわけではありません。過渡音がなくても発音が不自然と感じることは少なく、韓国語話者が英語を学ぶ際に、過渡音やコアーティキュレーションに慣れることが発音向上のポイントとなるかもしれません。
私 👨:
いろいろとありがとうございました.英語をはじめとする自然言語への理解が深まりました.
ChatGPT:
どういたしまして!言語についての興味深い対話ができて、とても嬉しかったです。英語や他の自然言語への理解が深まったと感じていただけて光栄です。もし今後も言語に関して質問や探究したいことがあれば、いつでもお手伝いさせていただきます。引き続き、楽しい学びの旅をお楽しみください!
ChatGPT の答えの中には,私には,若干,前に話していたことと少し変わっていると
感じられることもあります.生成AIの発話ですから,そのまま捉えることは危険なのですが,アクセントの微視的な振り方や,子音と母音の結合を行う時に過渡音が入るか,その過渡音が各言語でどのように違うかは,面白い考察項目ではないでしょうか?
(注意)
・ページトップの挿絵は,perchance.org/ai-girl-image-generator で生成しました.
2024.08.17
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