この中に出てくる Variety というのは,同じような代数の集まり(クラス)です. 具体的に言うと,同じシグニチャ(関数記号の集合)を持った代数の集まりから,部分代数,直積,準同型で 作られるすべての代数を加えてできた代数の集まり(クラス)です.
こうやって できた代数のクラスは,あらかじめ等式の集合を指定して,その等式すべてを満たす 代数の集まりとしても表現できるし,逆に等式の集合を満たす代数の集まりは, 適当な代数の集まりから先ほどの3つの操作を繰り返し適用して作った代数の集まりとしても 表せるというのが第2章に書いてある Birkhoff の定理の内容です.
Variety の章が2つありますが 普遍代数は Variety の研究が占める割合が高いようです.
このチュートリアルには練習問題もついています.
(2) obtain f from (∀ x)fは,
(2') obtain (∀ x)f from fの間違いではないかと思う.論理的にはどちらも正しい操作なのだが,採用している 公理の集合からは,(2)だと本来証明できるべき論理式が証明できなくなるような 気がするし,通常の Hilbert 系の述語論理は (2') を使う.本人に確かめ ようとして,いろいろ探して見たが すでにお亡くなりになったという情報を得た.したがって,確定的なことは言わないが, 私は上のように思う.
これは上の著者とタイトルそれに PDF を加えて,google で検索すると,たぶん, ハワイ大学のページにPDFが置いてあるのが見つかると思う.上に書いた 4 ページ目の 話はそのPDFについてである(2018年3月8日時点).