第4章と第5章は数学の学生以外には少し取りつきにくいと思う.
Regular semigroup や Inverse semigroup は群に近い半群だが,それらを
特徴づけるために取り出した等式の集合が複雑に絡みあい,それぞれの
半群のクラスを特徴づける.
(These two chapters may be difficult for the learners outside mathematics)
それらの等式の集合は群の性質を
弱めたものだが,なぜ,それらが選ばれたのか,必然性が,私のような数学の
素人には分からない.そのため単に役割の分からない等式で記述された半群のクラス
が羅列されているだけと感じ,それらの性質を追いかけていく動機が持てない.
(The weaken conditions of the group seem to be chosen arbitrary at a glance.)
次の図に,第4章と第5章で取り上げるトピックスの関係を書いた.また,
全部ではないが,ここで取り上げる半群のクラスの顕著な性質も書き入れた.
初学者はこれを参考に,ここで半群に課せられた諸条件の位置づけを把握して欲しい.
(The following figures show topics we will study in chapter 4 and 5.
Please, use it to position the topics and knowledge learned
in thoses chapters into your brain.)
特に,等式
xx-1yy-1 = yy-1xx-1
が分かりにくいと思います.これは,xx-1がidempotent であることに注意すれば,
ある種のidempotents同士が可換であることを要求している.実際この条件と別の条件の
組み合わせで,Inverse Semigroup ではE(S)が可換であること.また,Clifford Semigroup
では,E(S) が他のSの元と可換であること(つまり,E(S)がSの中心(center)に含まれることが
示されます.一般にE(S)の可換性は半群論において重要な役割を果たします.
(Same as the explanation written in the below part of the above figure)