6th May 2018 (Update), 6th May 2018 (First)

初等的な代数の学習用リソース

「半群論のお勉強」 にも書いたように,半群論を 学ぶためには,初等的な群論の知識があった方が望ましいです.欲を言えば, 環論や体論,束論などもあると良いです.でも,それらを学習してから半群論を やろうと思うと,結構時間がたってしまい,最初の勢いが無くなってしまうかもしれません. まあ,両方一緒にやるのが良いのではないでしょうか?

半群論の学習用のテキストは,「半群論のお勉強」のページに書いたので, ここでは群論やそのほかの代数の学習用のリソースを書いておきます.毎度のことですが, 直接リンクは張りませんので,著者,タイトル,PDF くらいで検索して見つけてください.

  1. 群・環・体が一緒になっているもの
    1. Tom Judson : Abstract Algebra: Theory and Applications, (Robbert A Beezer for Sage Exercises), 2017, 330 pages
      群・環・体のテキストですが,応用として代数的コーディングと暗号が入っています. 結構,ゆっくり,イメージを掴みながら進む感じです.また,(たぶん)Sage と 呼ばれる代数を学習するのに利用できるプログラミングシステムがあるらしく, その演習も入っています.著者が二人は言ってますが,Sage の担当が Robert A. Beezer ということみたいです.

    2. Karl-Heinz Fieseler : Groups, Rings and Fields, 2010, 157 pages
      結構,短いテキストです.群論について言えば,下に挙げた花木先生の群論と同じような カバー範囲です.英語が好きか,日本語が好きかでどちらをやるか決めても良いし, 一方をやった後にもう一方をやって,日本語と英語の代数の用語,言い回しを覚えるとか.

    3. David Joyce : Introduction to Modern Algebra, 2008, 124 pages
      短い群環体のテキストですが,順番が,体→環→群です.

    4. F. Oggier : Algebraic Methods, 2011, 199 pages
      短い群環体のテキストですが,それぞれ演習が1章ずつ設けてあります.

  2. 群論
    信州大学理学部の花木章秀教授という方が短い勉強しやすい講義ノートを公開されています.「群論 信州大学 花木 pdf」くらいで検索すると沢山見つかると思います.群論だけでなく, 他の初等的な代数の講義ノートも見つかると思います.どれも,非常にコンパクトにまとめられており, 勉強するには良いと思います.

  3. 束論
    「束論・順序集合・時々,普遍代数のお勉強 」に書きました.

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