動物学者
- いわゆる自然の美と自然の愛 (丘 浅次郎 著)
いわゆる自然の美と自然の愛 (丘 浅次郎 著)
教育学の書物を開いて見ると「博物学を授ける目的の一は生徒をして自然の美なるを感服せしめ
したがって自然物を愛するの情を起さしめるにある」
と書いてあるが
われら（生物学者）はこの説を聞くごとに
つねにおかしく感じていたのである今その理由をここに述べて
いささか教育学者および博物学教授者の参考に
供したいと思う
初出 : 「時代思潮」1905（明治38）年5月サイズ : XHTML版 19.5 KB補足
2019.04.27 (土)
- 疑ひの教育 (丘 浅次郎 著)
初出 : 「教育研究」1912年（明治45年）7月サイズ : XHTML版 11.8 KB補足
2018.12.10
- 改善は頭から (丘 浅次郎 著)
改善は頭から (丘 浅次郎 著)
丙午（ひのえうま）の迷信などで
いまだに世の中には悲惨なことが絶えない今日のわが国の状態を見ると衣食住にもその他の風俗習慣にも
改めたらばよろしかろうと思われる点がいくらでもあるしかしこれらはなかなか変わらない
私の考えによるとこれはまったく頭が変らぬからである
馬鹿げ切った迷信さえも思い切って排斥し得ないような頭では
何の改善もできるはずがない生活改善に先だつものはまず頭の改善でなければならぬ
初出 : 「活人」1926（大正15）年サイズ : XHTML版 11.2 KB補足
2019.04.27 (土)
- 教育と迷信 (丘 浅次郎 著)
教育と迷信
丘 浅次郎 著
教育学の書物には教育の目的について、種々高尚なことが書いてあるようであるが、実際においては教育の目的は列国競争場裡に立って、立派に独立して行けるだけの資格を備えた次代の国民を養成するにあることはたしかである。
- 一 教育の目的
- 二 わが国の現状
- 三 理科の奨励は目下の急務
- 四 理科の精神
- 五 理科と
迷信 とは両立せず - 六 昔の
迷信 政治 - 七
迷信 利用の害 - 八 教育上の注意
初出 : 「日比谷図書館にて講演」1911（明治44）年5月サイズ : XHTML版 20.0 KB補足
丘 浅次郎は当時の日本の状況をこのテキストの中で次のように言っています．外国人に見せて自慢のできるものは、富士の山か瀬戸内海の景色か、 ないしは芸者の手踊りくらいで、他の一等国のごとくに、 完備した博物館もなければ、智力で造り上げた巧妙な製作品もない。 内国博覧会を開いてももっとも評判にのぼるものは八千円の造花とか、 一万円の刺繍とか、単に根気を要する指先仕事ばかりで、 文明を代表すべき機械館にはわずかに玩具にひとしい製麺機械が人を 呼んでいるに過ぎぬ。
富士の山と瀬戸内海の景色は外国人に見せて自慢できるものなのですね． 大事にしなければ． 2018.12.10
- 誤解せられたる生物学 (丘 浅次郎 著)
誤解せられたる生物学 (丘 浅次郎 著)
今日のところでは生物学 という名称さえも
世間には広く用いられていない世人は動物植物の研究といえば
すべて博物学の範囲内に属することと考えて
別に生物学なる独立の学科の存在することを知らぬようである真の生物学とはいかなるものなるかを述べておきたい
初出 : 「教育界」1908（明治41）年10月サイズ : XHTML版 14.9 KB補足
2019.04.27 (土)
- 進化論と衛生 (丘 浅次郎 著)
初出 : 「国家医学会にて講演」1905（明治38）年6月サイズ : XHTML版 18.1 KB補足
今をさること数十年，私が大学に入ってすぐ，このテキストでは ありませんが，講談社から でてた丘 浅次郎の「進化論講話（上巻，下巻）」を買って 読んだ記憶があります．「進化論講話」は，今，青空文庫で 入力中のようですね．これが TPP で著作権が 70 年存続になる前に 青空文庫にでるかどうか． あれ？ 著作権は人に紐づくのかな？ それともテキストに？ 前者だと，もう丘先生の著作権が 切れているので進化論講話は大丈夫？追記：いま，青空文庫の2018年11月12日 本の未来基金 「著作権保護期間延長に関する「本の未来基金」の考え」を 見てきたら
政府は10月30日、TPP11が6ヶ国目の批准を得たことで、 12月30日に発効することが確定したと発表しました。
と書いてありました．ついにこの日が来るとは．文書の蓄積 の方は，今後，ブレーキがかかってしまうでしょう．それでも いろいろなソースからフリーのテキストはゆっくりではあるかも しれませんが，集まってくるでしょう． 私たちは， ますます，この巨大なテキストのデータベースの活用方法を 考えないといけないかもしれませんね．ほとんど，丘 浅次郎さんの 本とは関係のないことで失礼しました． 2018.11.29青空文庫の 2018.12.12 付けの「そらもよう」を見てきたら， 今のところ，著作権延長に関して，遡及適用は行われないのと また，著作権保護期間が満了している作家の作品についても， 作業はそのまま続行して構わないということみたいなので， 進化論講話も著作権延長には影響を受けないということなんでしょうね． 2018.12.16 (日)
- 人道の正体 (丘 浅次郎 著)
初出 : 「中央公論」1906（明治39）年1月サイズ : XHTML版 20.2 KB補足
丘 浅次郎は動物学者なのでそちらの方からの考察なのでしょうね． 2018.12.10
- 人類の生存競争 (丘 浅次郎 著)
人類の生存競争 (丘 浅次郎 著)
世には人類の生存競争と他の動物の生存競争とは
全く種類の違うたものであると考える人があるわれら（動物学者）から見れば
これはいずれもよほど間違うた説で
もしまじめにかような説を信ずる人が多数にあったならば
国としての平素の用意に悪い影響をおよぼすかもしれぬから
ここにいささか他の動物に比して
人類の生存競争を論じてみようと思う
初出 : 「中央公論」1905（明治38）年10月サイズ : XHTML版 16.1 KB補足
今後はどうなんでしょう？ 彼は，女性が平均 4人半の子供を 産むとして論じていますが． 2019.04.25 (木)
- 人類の誇大狂 (丘 浅次郎 著)
人類の誇大狂 (丘 浅次郎 著)
人類は誇大狂である幼児は自分の腕が一尺にも足らぬことも
月が十万里距つてあることも考へず
たゞ腕さへ延ばせば手が届く筈であると思ひ込んで掛かる故
幾ら腕を延ばしても手が届かぬとて泣き出すのである
哲学者の方も之と同様で，宇宙の大なることも，
自分の小なることも
また自分の脳髄が尚進歩の中段にあることも皆忘れて
たゞ考へさへすれば宇宙は解釈し尽せる筈である
と思ひ込んで掛かる故
幾ら考へても解らぬとて苦に病むのである初出 : 「教育学術界」1904（明治37）年5月サイズ : XHTML版 15.5 KB補足
2019.04.27 (土)
- 生物学的の見方 (丘 浅次郎 著)
生物学的の見方 (丘 浅次郎 著)
すべて物は見方によって種々異なって見えるもので
同一の物でも見方を変えると
全く別物かと思われるほどに違って見えることもある
日々世の中に起こる事柄も
種々の異なった方面から見た結果を綜合して始めて
その事柄の真相が知れるのであるしかし，ここに一つ今日まで全く忘れられ
度外視せられていた見方があるそれはすなわち表題に掲げた生物学的の見方である
初出 : 東亜協会にて講演、1910（明治43）年11月サイズ : XHTML版 12.5 KB補足
2019.04.28 (日)
- 生物学より見たる教育 (丘 浅次郎 著)
初出 : 「教育学術界」1902（明治35）年4月サイズ : XHTML版 17.0 KB補足
動物学者の目から見た教育に関しての考察． 2018.12.10
- 動物界における善と悪 (丘 浅次郎 著)
動物界における善と悪 (丘 浅次郎 著)
人間界の善と悪ではなく
動物界，特に団体を作って生活する動物界の
善と悪を論じるそうです．
ただし，蜂や蟻のように完全に
団体生活が十分完成しているものは除くとのこと
その理由も書いてあります
初出 : 「教育学術界」1902（明治35）年12月サイズ : XHTML版 16.2 KB補足
2019.04.25 (木)
- 人間生活の矛盾 (丘 浅次郎 著)
人間生活の矛盾 (丘 浅次郎 著)
数え上げたら際限がないほどに人間社会は矛盾で満ちている
初めから世の中はかようなものと思うている人々には
何の不思議でもないかも知れぬが
少しく生物学でも修めて他の社会生活を営む動物の生活状態を
見聞した者にとってはこれは確かに大いなる疑問である私はこの問題を解くためにいろいろと考えた結果
すでに二十年ほど前に一つの学説を思い付いたので
その要点を掻摘んで述べる初出 : 「中央公論」1926（大正15）年1月サイズ : XHTML版 42.6 KB補足
上の左右の２つは，片や博打が違法として扱われ， 片や，同じく博打みたいな債権への投資で成功することが 幸せ者のお話というところが矛盾なのかな．たぶん． 2019.04.28 (日)
- 落第と退校 (丘 浅次郎 著)
落第と退校 (丘 浅次郎 著)
この作品はタイトルからあまりイメージできないのですが，
教育の在り方について批判・考察したものです．丘 浅次郎は，大学に入るための予備門で歴史を二回落第して退校になり，
仕方なく，大学の正科でなく撰科に入学したそうです．
丘は作文についても，本来あるべき教育の姿ではないと批判しています．
私も高校時代を思い出すと，同じような気持ちだったような気がします．
国語では，なんだか訳の分からない，
いかにも，高尚そうな鑑賞の仕方を 強要されているようで嫌でした．
今はどうなのでしょうね．
底本 : 近代日本思想大系 9 丘浅次郎集（筑摩書房）初版発行日 : 1974（昭和49）年9月20日サイズ : XHTML版 16.5 KB補足
2020.10.23 (金)
- 理想的団体生活 (丘 浅次郎 著)
理想的団体生活 (丘 浅次郎 著)
淡水中で団体生活をしている苔虫（こけむし） は
理想的な団体生活をしているということで
この作品では，それを国に例えて紹介しています
初出 : 「時事新報」1907（明治40）年7月サイズ : XHTML版 18.5 KB補足
上の絵でこけ虫の絵は，この作品の中の絵を まねたものです．色はわかりません．ぐぐって出てきた いろいろなこけ虫の画像はいろいろな色のものがありましたので それらを参考にこういう感じのものもあるかなという程度で 塗りました． 2019.04.28 (日)「コケムシ WebSite」 というウェブサイトを見つけてしまいました． 写真とか解説とかがたくさん載っています．そこの説明によると， コケムシの群体は基本的にはすべて同じ遺伝子をもったクローンだ そうです．そうすると，人間が細胞分裂して全体ができているのと どう違うんでしょう？ 2019.04.29 (月)
- その他 （自分用のメモ）
- いわゆる自然の美と自然の愛 19.5 KB
- 疑ひの教育
- 改善は頭から 11.2 KB
- 教育と迷信
- 誤解せられたる生物学 14.9 KB
- 進化論と衛生
- 人類の誇大狂 15.5 KB
- 生物学的の見方 12.5 KB
- 生物学より見たる教育
- 人道の正体
- 人類の生存競争 16.1 KB
- 動物界における善と悪
- 人間生活の矛盾 42.6 KB
- 落第と退校 16.5 KB
- 理想的団体生活 18.5 KB
残り
- 境界なき差別 21.5 KB
- 自然界の虚偽 16.5 KB
- 自然の復讐 16.7 KB
- 人類の将来 44.7 KB
- 戦争と平和 22.3
- 動物の私有財産 30.2 KB
- 脳髄の進化 29.0 KB
- 民種改善学の実際価値 13.6 KB
- 民族の発展と理科 16.8 KB
- 理科教育の根底 15.2 KB
- 我らの哲学 57.8 KB
絵をつけたもの