タッカー(よく駅なんかで掲示板に当ててホッチキスの針をバンバン打ち込んでいるやつです)を 買ってきました.いままで平綴じは木工用ボンドを使っていたので乾くまでに時間が 掛かったり,読んでいる最中に外れやすかったり,と多少欠点がありました.今回は 分厚い紙の束に長いホッチキスをタッカーで打ち込むことにより,作業を簡単にしようと いう目論見です.
次の写真がタッカーです.
別も向きの写真も置いておきます.
上のが100円均一のダイソーで300円で買ってきたもので,下のは近くにある ホームセンターのコーナンで買ってきたものです.こちらは1,480円でした.
なぜ二つあるかというと,簡単にいうと間違ったからです.紙の束に針が通るか どうかも不安だったので,まず,お試しにダイソーで300円のものを買ってきて 試そうと思いました.そのとき,利用可能な針のサイズを見間違えて,幅12 mm, 脚長 10 mm の針を買ってきてしまったのです.よく見るとダイソーのは脚長が 4 mm から 8 mm まででした.ただ,3号 脚長 6 mm の針を持っていたので, まずはダイソーのタッカーで紙を束ねたものに針を打ち込んでみました.
結果,問題なく打ち込めることが分かりました.ということで,近くのホームセンターに いき,別のタッカー(コーナン PATR-604)と針を何種類か買ってきました.このタッカーが 使える針の種類は次のように書いてあります.
肩幅 11 ~ 12 mm, 脚長 4 ~ 8 mmと書いてあります.少し幅があるんですね.買ってきた12 mm × 8 mm の針を こちらでも試してみましたが,まったく問題なく打ち込めています.
次の写真は左から 脚長が,8 mm, 10 mm, 13 mm の針です. 写真だとあまり大きさは掴めないかもしれませんが,ご参考までに.
さっそく,このタッカーを使って製本を試してみます.今回は
David I. Spivak : Category Theory for the Sciences, 2013を製本してみます.実は,この本は読み始めていて,持ち歩くために 最初の 100ページくらいは背にボンドをつけて製本していました. 今回,この際なので,残りも印刷して合わせてタッカーを使って製本の実験を してみることにしました.次の写真が印刷して半分に切って紙を揃えたものです. 上の方 1/3 くらいはすでにボンドで製本して持ち歩いていた部分で,下が今回,印刷して 一緒に綴じる部分です.この著者は表紙に絵を描いてくれていますので,あとで,製本した 本の表紙にこの絵柄を使わせてもらうことにします.
2013年版は Creative Common という著作権で公開されている
全 263ページ
束ねた紙は, ずれないように大型のクリップで本の両側を挟んでいます.ページ数が 263ページなので,枚数としては 132 枚です.60g/m2 の薄い紙を使うと,何とか厚さが 12mm くらいに収まりましたので脚長 13 mm の針を使って,なんとか製本することができました.しかし,この ページ数が限界ですね.132枚で12 mm ということは,1 mm で10枚という計算でしょうか? それもかなり薄い紙で.普通のコピー用紙は70g/m2くらいとして,1 mm の針の長さで 8枚から9枚ですかね.
床に穴をあけないように,下にスノコをひいてタッカーで針を打ち込みます. 写真には写っていませんが,上手く打ち込むために,タッカーを上から 少し抑えた方が良いです(上から抑えるとシャッターを押せなくなります からね.私の趣味のために,何回も奥さん呼んでシャッターを押させると, 不機嫌になる可能性があるのです).
紙を裏返すと,ちょっとだけ針が飛び出ています.
(
これをペンチで上手につぶします.紙にペンチの後が付きました.ここは表紙で 隠れるので良いことにしましょう.
強度が心配だったので5か所を針で止めました.
表紙は先ほど言いましたように,この著者が書いていた図を再度書き直して 使いました.書き直したのは,字などを少し大きくしたかったからです. 表紙用の紙はケント紙などでよいのではないでしょうか? 私は KOKUYO の LBP-F31 という 180 g/m2 を使っています(4年位前,2013年くらいに 買ったんですが,今でもまだあるのかな).これは普通のケント紙より, ほんの少し薄いと思います.
写真は結構きれいに仕上がっているようにみえるでしょう.
でも裏返してみると,A4 では本の厚さの部分だけ長さが足りなくなるので全部を 覆い切れていません.これは,A4 の半分の大きさにケント紙を切って裏を張り付けるなどで 全体を覆うようにします.
これは,最初から本の根本だけを覆うようにして,後は表表紙,裏表紙をA4を半分に切って, 根本の覆った部分に張り付ければ,ちょうどA4を使い切れて,無駄がなく,良いかもしれません.
次の写真が本を開いたところです.ボンドで背表紙を接着したものや中綴じに比べると 開いた根本が若干重なっています.これは印刷するとき本のノドに十分な余白が あるように調整すればあまり困らないと思います.
以上で今回の製本は終わりです.まあ,200ページくらいの本までは手っ取り早く製本する 方法として利用できるんじゃないでしょうか.
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