日本は AI の研究・開発・利用に国家予算をつけなくて大丈夫か?

2023年5月2日(火)

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Back to AI についての考察いろいろ

Open AI の ChatGPT,Google の Bard,Hugginface の Hugging chat など,高度な AI が 次々に公開されている.また,お隣の国の中国でも AI Chat がいくつか開発されていると聞く.

そんな中で,日本はずいぶん立ち遅れてしまったのではないかと心配になってくる.

先日(2023年4月10日)に,Open AI のアルトマンが日本に来て,岸田総理や他の政治家に 会って,協力してやっていきましょうということになったようである.それに少し先立って, 自民党の「AIの進化と実装に関するプロジェクトチーム」

第1回 「国内外のAI政策の現状について」(2023年2月3日(金)8時〜9時)
が行われ,「AI戦略と政府の取り組みについて」などの提言が出されたりしている.

日本も動きつつはあるように思うが,国や学会の動きが,遅れているうえに 遅いような気がする.

私も,政治や,学会の動きには疎く,大したことは言えないので,単に,今,思っていること, 主に願望を書くだけにする.後で追加・修正するかもしれない.

  1. 日本国内でもサーバや言語モデルを構築して欲しい

    日本で AI Chat を使おうと思えば,OpenAI の ChatGPT などになる.やはり,個人情報の 取り扱いが心配だったり,学習した結果が日本には全部は提供されなかったりと, AI を使うにあたって,いろいろな心配事があると思う.

    したがって,ある程度安全に使えるような AI Chat のサーバを日本国内に立てて欲しい. また,学習した大規模言語モデルが日本の権利になるように進めて欲しい.

    現在の遅れ方では,先行している OpenAI などのお世話にならないという方法はとれない かもしれない.しかし,その場合でも,できるだけ有利になるように,できるだけ,安全に 使えるような交渉をそれらの先行した提供者として欲しい.

    その上で日本のコンテンツ,特に,歴史的な価値のあるコンテンツをしっかり学習させて, 後世に残るようにして行って欲しい. こんなことに「日本」を持ち出すのは時代錯誤と思われるかもしれないが, 気持ち的には,我々のアイデンティティで,そこは大事にしていきたい.

  2. 国も,学会も,もっと積極的に AI の研究開発を推進して欲しい

    ChatGPT のようなものが日本から出なかったことを考えても,日本は,AI について遅れている.

    これは国だけの責任ではなく,学会も考え方が遅れていると思う.それほど, 積極的に AI の研究を進めることを推奨して 来なかったのではないだろうか.先頭に立って音頭を取るべき,人工知能学会などは,ちょっと過去を振り返り,今後の進め方を 十分議論して欲しい.

    日本は新しいものを生み出そうという活力が失われ始めている.これは,いま議論されている 少子化の問題より深刻だと思う.

  3. AI で人々の仕事が奪われた時の対策を検討し始めて欲しい

    AI は人の能力を何倍にも拡大するため,AI を使わない人間に対して,競争力は高い.そのため, うまく AI を使うことができなかった人間は段々ビジネスにおける競争に負けて行ってしまうと 思う.また,勝ち残った人たちも,ますます,競争が激しい中に放り込まれて,負けていくものも 出てくると思う.

    負けた人たちは,今のままの体制だと,食うに困ってしまうことになる.生活保護というのも あるかもしれないが,必ずしも,十分な補償がなされるわけでもないし,財源をどうするか という問題もある.

    そこで,負けた人たちも生きて行けるような政策を今のうちから考えていて欲しい. 私の予想は外れているかもしれないが,1・2年でその兆候は表れ,数年で社会の 勝ち組と負け組の分断が起きるかもしれない.

    負けても生きて行けるようなベーシックインカムのような仕掛けは,必要が生じて, 十分な議論もなく,すぐに開始できる訳でもないので,今から議論しておくことが 必要だと思う.

    「夢物語に怯えて,議論しろ!」と言っているように聞こえるかもしれないが, 今の AI 技術の進歩は,今まで経験したことがないものなので,やはり今から議論 しておくべきだとおもう.

    財源は当面は,勝ち組から取るので良いと思う.

    あと,オートメーションなどを進めて,少ない人数で,人が生きていける社会だけは 回るような仕掛けを作るのも大切だと思う.

    また,今,少子化問題の対策で,子どもを生むように仕向ける政策が議論されて いると思うが,AI との共存の社会において,どれだけの人口が適切かの議論も必要 だと思う.

    いっそのこと,AI の急速な普及で,職にあぶれた人たちを集めて,ロボット開発を 行い,人間がいなくとも,日常生活が可能なような体制を作るというのはどうだろう. 2030年位までに,老人介護,日々の生活のための家事,農業,物流,日常品の販売, ... 人間が生活するための細々としたことまでをロボットがやってくれるようにする. そして,そういうロボットの向上もロボットが修理,改造していけるようにする. まだ,いろいろと人間がやらないといけないのだけど,段々,ロボットだけで,優秀な, あらゆる目的にあったロボットを作れるようにしていく.そして, 人口の自然減少に任せて,日本の人口が,8000万人位まで減ったら, 基本,人間は働かなくとも済むようにするとか.

    あと,カーツワイルにならって,ナノボットなど,医療や人間の改造に関する 研究にも人を回すべきかもしれない.

  4. AI 利用における色々な問題を研究して欲しい.

    1. AI の利用が人間の脳に与える影響,特に未成年に与える影響の調査
      AI の利用は人間の能力を拡大するが,一方,膨大な情報を人間に与えるので, 人間は,与えられた情報を処理する必要がある.これは,通常生活しているときに 処理する情報より何倍という規模で増えると思う.このような知的に高負荷になった 状態がある程度の時間継続することになると思うので,その影響を調べないといけない. 例えば,頭痛の原因になるとか,うつ状態になりやすいとかである.そのようなことが無ければ 良いのだが,やはり,こういう技術は初めてなので,調査が必要だと思う.

    2. AI を使った犯罪の可能性とその対策の検討
      AI が流行り始めて最初に出てくる問題は,AI を使った犯罪などだと思う. どんなことを禁止すべきなのかという議論と,犯罪にあたる行為を 取り締まれる法律を作って欲しい.

2045年に,シンギュラリティが訪れた時,今後の方針をそのときの高度な AI で話し合うことも あるかもしれない.そのとき,日本出身の AI がいて欲しい.


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